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水原梓@ルピナスパレット のレビューコレクション

  • 世界一彼女の近くで
    世界一彼女の近くで
    真面目だけど、ちょっと天然な彼女のそばにずっといた「僕」。 一見すると危ないヤツなのか、と思わなくもないのですが……。 制作の時から気になっていた作品でしたので、公開後すぐに読了しました! @ネタバレ開始 ヒロインと彼女に近づく山口さん、お話もですが、二人の立ち絵がすごく丁寧に作られている印象を受けました。 表情差分だけではなく動きをつけて、特にヒロインが眼鏡を直したりする仕草。 すごく良かったと思います! またアイキャッチも毎回変わっていて、二人の距離が徐々に近づいている様子が分かって、素敵な演出だと思いました。 ちなみに、僕の正体に関しては割と序盤に気付きました。 というより、ミステリーを読む機会が多いので、どんな作品でも読む前にある程度自分の中で「こういうお話かな?」と予想をする癖がついていて、それが当たった感じです。 ほかの方の感想にもありましたが、僕の正体が物語の大きな部分ではないので、それが分かったからといって「つまらない」ということはなく、分かったうえでも楽しめるお話になっていました! スマホにも少々ヤキモチを妬いている様子の僕、ちょっと可愛いです。 優しい彼女に近寄って傷つける男が許せない「僕」。 そんな彼女に近づく新しい男――僕としては気になりますよね。 けど、徐々に僕は新しい恋人を認め始めて。 自分では彼女を守れない、ということを痛感し、レンズが曇ってしまう僕。 ですが、少し切ないままで終わらず、結婚式では素敵な衣装に包まれたヒロインに、いつものように寄り添う僕の姿が印象的でした。 ヒロインも、恋人も、僕も、みんな心優しく穏やかで、読み終えた後にほっとするような作品でした! エンド後のタイトル画面、ヒロインが眼鏡をかけて、パートナーに寄り掛かるイラストも、すごくいい絵です! @ネタバレ終了 エンド後コンテンツも含め、楽しく読ませていただきました! 短編ですがしっかり作りこまれていて、人を選ばずに読める作品だと思います。 改めて、素敵なお話をありがとうございました!

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  • Re:quiem[Shall We Dance?]
    Re:quiem[Shall We Dance?]
    レクイエムシリーズの新作、と聞いたら遊ばずにはいられません! 立ち絵が変わって可愛らしくもちょっと大人っぽくなった小百合ちゃんはじめ、みんなとお会いできてとても嬉しいです! しかも今回はパートボイスではなくフルボイス! どのキャラも本当にお声が素敵で聞きほれてしまいました…! 声に関してはみなさん素敵でしたが、個人的に真人君がすごくお気に入りなので、彼の声が落ち着いた中に少年らしさがあって、特によかったです! @ネタバレ開始 攻略対象となるキャラは、シリーズ通して憧れのお兄さんであった京介さんや、小百合ちゃんに思いを寄せる優君、[After the rain]でよい雰囲気になった真人君だけでなく、先生やまどかさん、陣内さんもいらっしゃいました。 この辺は恋愛になるのかな? と思っていたら、ちゃんと小百合ちゃんが思いを寄せているというところが前提にあってガッツポーズです(陣内さんは保護者ポジションですがそれもよき!) 主人公がみんなに愛される作品好きとしてはたまらないですね。 小百合ちゃんのお祭り衣装も本当に素敵! ルートの方ですが、全員見ました! みんなの色んな一面が見られてよかったです! お祭り作品として、先生やまどかさん、陣内さんとのエンドも見れてよかったです。まどかさん好きとしては、小百合ちゃんとのペアいいなぁと! 京介さんのラストで羽織ものをかけてくれるの、いい男らしくて好きだと思いました。 優君ルートは、小百合ちゃんからの信頼が伝わってきて、[Spring is in the air.]を読んだ身からすると、よかったね優君!となりました。 死因は小百合ちゃん、でもそれはなんというか、優君ならありえそう…! 好きすぎて、という意味で。 ラストは個人的に大注目の真人君。 押せ押せの小百合ちゃんいいぞー! 真人君の性癖全公開! あんまりみないでください、ばかは破壊力が…すさまじい。 始終にやにやが止まりませんでした。 主軸にあるつららちゃんと椿さんのお話もよかったです。 自分の目的のためにつららちゃんを利用すると見せかけて、実は自分が作った雪だるまだった、というところ。 彼はきっと、春になってつららちゃんが溶けてしまったのが辛い記憶として残っていたのではないかと。二人が仲直りできて、ほっとしました。 つららちゃんもラビリアンも人間ではないけど、ひとつの命として扱う小百合ちゃんの優しさにじんとしました。彼女のひたむきさ、そして成長には目を見張ります。 [Spring is in the air.]から引き続いて登場の小百合ちゃんのお友達であるあやめちゃん、巴ちゃんの中に杏子ちゃん、アザミちゃんが加わって、みんなが仲良しなのにもニッコリです。巴ちゃん、杏子ちゃん、アザミちゃんの三人の三角関係もほっこりしました。 劇場版的という記載を見て、確かに!と思いました。 番外編的なお話でしたが、いろんなワクワクが詰まっててよかったです! @ネタバレ終了 雪が降るころにもまたやりたいと思うような素敵な作品でした!

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  • 地雷系女子!?ほなみさん
    地雷系女子!?ほなみさん
    地雷系女子な見た目の穂波さん、本当に地雷なのか、それとも? 気になって覗いてみちゃいました! エンドコンプに関するヒントもありますし、短い作品なのにスチルもいっぱいで、大満足の内容でした! @ネタバレ開始 お話に関して、結論から言ってものすごくハートフル&胸キュンでした! 線が細い女の子もいいのですが、個人的には穂波さんみたいに運動女子の体形も健康的で好きだなと思います。 あと、穂波さんの制服姿もショートヘアが似合ってていいですね。 どちらにしても笑った顔が可愛らしくて満点です! 自分の好きと自分の見た目が合わない、という悩みは、きっといろんな人が抱えているのでしょうけど、そこへ一歩踏み出す勇気をくれた人にお礼が言いたいという純粋さ。素敵です。 そして凛……君! 普通にイケメンでした! 見た目だけではなく言動も。 お兄ちゃん含めイケメン兄弟ですね。羨ましい! ラストを見たとき、もしかして告白か!? とわくわくしてたのですが、おまけでしっかりお付き合いされていると書かれていて、思わずガッツポーズです! 凛君より4センチ低くてよかったって、こういうところ可愛い! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございます!

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  • 魔女をたずねてコンビニバイト
    魔女をたずねてコンビニバイト
    魔女っ娘×コンビニってどんな感じなのだろう、と気になってプレイしました! ネタバレ的なものは挟まないほうがいいと思いまして、大半を伏せさせていただきますが、すごく面白かったです! メインヒロインのリナちゃんがむちゃくちゃ可愛いのはいうまでもないのですが、ほかのヒロインもみんな個性的で可愛いく、嫌みな感じがちっともなかったです。 文章も読みやすく、セリフと地の文のバランスが良くて、すらすらと読み進められました。 ヒロインたちを含めボイスも大変耳に優しくて、ふわふわきらっとしたイラストとともに、コミカルでキュートな世界を盛り上げてくれました。 @ネタバレ開始 私は特に妹の麻祐理ちゃんが好きですね。 典型的ツンデレなんですが、頭がよく兄想いで、お兄ちゃんを勘当した父親に反抗して不良になっちゃうところなど、とてもけなげ。 素直じゃないところがまたいい。クラスメイトに全く不良扱いされてないところもいい。私もこんな妹ほしかったな、と思いました。 そして主人公の永一君も、ヒロインたちが好きになるのもわかる、という感じの好青年でした。 一人暮らしを経て成長した部分も大きいのでしょうけど、できたお兄ちゃんです。ちゃんとお父さんに認められたい、と努力しているところ、困っているリナちゃんに同居を提案したり、妹探しを手伝ったりと、優しくいい男でした。 ストーリーに関しては「家族」「恋」「成長」を感じる素敵なお話でした。 ワケアリで家にいられない者同士が一緒に暮らす、なかなかに感動的ですね。 ヒロインたちの優しさにもじんとしました。 リナも永一君も、家族に関して悩みを抱えていて、だからこそ助け合ったり、理解できたり、それがしっかり伝わってきました。 リナちゃんは天然ではあるけれども優しくて、後半は気遣いの言葉がしっかり出るようになってきて、彼女も成長中なのだなと思いました。 ニーナちゃんとの再会に関して、リナちゃんからすれば、すごく複雑で。 それがまだ恋を本当の意味で理解できていないのだからなおさら。自分の知っていた人が、自分の知らない人になってしまったわけですし。自分もいずれそうなるのか、とも考えてしまうのですよね。 少しずつリナちゃんが恋心を自覚し始めているのが、お別れの手紙から伝わってきてこちらまで苦しくなりました。 それだけに、ラストで永一君への恋心を自覚した彼女との再会シーン、本当に胸が熱くなりました!  最初に見たのがリナちゃんエンドだったので、あとで周回したのですが、麻祐理ちゃんエンド……最高にエモでした。このスチルずるすぎですね。永一君がちゃんと麻祐理ちゃんのことを考え、彼女のために選んだ道。素晴らしいです。 玉泉さんの気持ちが伝わるエンドもよかった! 静流ちゃんエンドも見てみたかったです、彼女の場合恋心かは分からないけど。 あと蛇足ですが、大事なことなので。 「ここでスチル!? ご褒美すぎる!!」 これは宣伝した方がいいですよ、画像載せなくてもいいんで! もう! 温泉! 美少女、ね!! いいぞー!! @ネタバレ終了 エンドは3つありますが、親切な作りなので全部読むことができました。 素敵な作品をありがとうございます!

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  • 弟友コネクト
    弟友コネクト
    弟の友達っていう設定もいいですし、年下男子好きとしてはこれはもうマストプレイだなと思って遊びました。 @ネタバレ開始 毎度毎度、乙女ゲーをプレイして感じるのがヒロインちゃんの可愛さ! 理玖ちゃんはふわっとしてて若干天然で、はっきりと思ってることを伝えられるいいお姉さんキャラでした。こんなお姉さんがいたら、そりゃドキドキしますわ。 ゲーム中は「トキくん……可愛すぎか……」しか言ってなかった気がします。 大きな人懐こい猫ちゃんみたいで、大変、大変可愛らしかったです! ゆえにネコチヤンエプロン差分、ご褒美でした。 好きな人を前にドギマギしたり、思ってることがついぽろっと出ちゃったり。 でも憧れのお姉さんにご飯に誘われて「行きたい」ってちゃんと言えるところがえらい! 「ハルのお友達なんだし遠慮しないで」という理玖ちゃんの言葉に、男の子扱いされてなくてちょっとグサッときてるシーンも、トキ君の心の様子が丁寧に描写されていて楽しかったです。 画面の前で身もだえしてしまいました。いいなぁ、青春だ。 イラストに関しても差分がたくさんあって目が癒されました。 呼ばれるまではあっちを向いてるのが「トキ君」って呼ばれてこちらを向くのとか細かいところまで作りこまれてて没入感が高まりました。 トキ君のちょっと目つきが悪い感じが、もともとすごく好みだったのですが、テレ顔と顔をそらしたポーズ、最高です! これまであんまりトキ君を意識してないと見せかけて、からの理玖ちゃんの確信犯的セリフ、さすが年上だと思いました。 クリア後タイトルで同じ制服を着ている3人がみられてハッピーでした! 二人にはぜひぜひ楽しい学生生活を送ってほしいです! ハル君はハル君で、お姉ちゃんにお世話されたりするのがちょっとムズムズするお年頃なのだろうけど、時折素直になったり、姉弟で趣味が合うシーンなどもあって、ほっこりしました。弟キャラ好きなんで、そこもよかったです。 @ネタバレ終了 おまけまでしっかり楽しませていただきました! ハル君推しもニッコリな親切設計、最高です!

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  • Re:quiem[After the rain]
    Re:quiem[After the rain]
    大好きなレクイエムシリーズの最新作! 短いながらも今後の作品展開の雰囲気が味わえ、いろんな要素盛りだくさんで大変楽しめました! 過去シリーズとは若干設定が違うものの、いつもどおり明るく元気でかわいらしい小百合ちゃんと、彼女を取り巻くみんなに再会できてにっこりです。 そして、小百合ちゃんと同じ孤児院のメンバーや、素直じゃないけど優しい真人君とのやり取りに、心がほっこりしました。 そして地球外生命体に都市伝説、降るはずもないものが降り注ぐ現象。 それだけでもうわくわくが止まりません! @ネタバレ開始 小百合ちゃんたちも自警団として、立派に戦っててカッコよかったです。 真人君におっそろしい女と言われる小百合ちゃん……そこがまたいい。 小百合ちゃんは本当に心身がとっても強くなってて、守られるだけのヒロインじゃないというところに、彼女の成長を感じ感動しました。 強い女の子はいいなー、かわいい女の子が刃物振り回してるのすごくいいです。 なにより、あじさいちゃんのキャラが本当にツボでした。 猫耳に八重歯、ミニスカートと毛先だけ色が違う髪の毛、そしてあじさいのお花。 可愛いがすぎる……けれども口も悪いし過激だ! 小百合ちゃんがそういう単語をちっとも理解してなくて、二人のやり取りにくすっとしてしまいました。 さみしがりやの気まぐれ少女、まさに猫って感じですね。 そんな彼女が最後に降らせたのが「涙」というところが……切ないです。あじさいちゃんに小百合ちゃんが空気を送ってあげるシーン、大変な場面のはずなのにとてもきれいで見入ってしまいました。 本編で二人が再会するシーンがあったらいいなぁと密かに思ってます。 「ヒトは思ったより、ひとりじゃない」いい言葉だなぁ。 みんなに支えられて前を向こうと思えた小百合ちゃんらしいなと思いました。 からの、真人君の人工呼吸……そして、小百合ちゃんが彼への気持ちに気付くシーン。たまらないですね。 この両片思い気味な空気がすごい好きです。 好きを自覚してからの小百合ちゃん、やっぱり恋する乙女は強い! @ネタバレ終了 雨というのはさみしくもあったり、ロマンチックでもあったり、題材としてとても好きなのでプレイが楽しかったです。 小百合ちゃん回りの人間関係だったり、みんなの個性が光っていて、やっぱりレクイエムが好きだなーとあらためて思いました。 今後の展開も楽しみにしております!

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  • ID27
    ID27
    27ちゃん、キャラデザを考えてらっしゃるときに拝見して、すごくかわいい!と思いゲームでお会いできるの楽しみにしてました! ゲーム開始直後からカーソルや画面の雰囲気が近未来的で、世界観が出ていてとてもワクワクしました。 キャラメイクできるの本当に素晴らしい! 私はロングヘア派なのでロングのウェーブにしました。ふわっとしていてとっても可愛らしい印象です。 一人称まで選べるのも、カスタマイズのしがいがあります。 「ボク」も好きなのですが、ここは「あたし」で。 一人称「あたし」っ子めちゃくちゃ好きなんです……。 @ネタバレ開始 自分好みにカスタマイズした子に「マスター」と呼ばれると、すごくドキドキしてしまいます。 呼び方は「ニナ」にしました(あとでそれしかないと知りました)。ニナちゃん自由奔放な感じで大変可愛らしいです。 どうでもいいですが、チョコがけチップっておいしいんか…とはじめは思ったものですが、塩気と甘みが絶妙で私も大好きなんですよね。 1周目は雰囲気を味わって眠りにつきました。 周回のたびにカスタムできるのとても嬉しい仕様です。けれども最初のロングウェーブとあたしのニナちゃんがお気に入りで、いくつか試した後のうちのニナちゃんはずっとこのスタイルでした。 胸元の「27」の意味が視覚的に見えるようにという意味だったこと、27はもともと自分のコードだったこと、エンド1でいろいろと明らかになりました。 エンド2は自力ではたどり着けなかったのでヒントをお借りし、見ることができました。 このままここで、ずっと二人ぼっちで……。 終わらせることが幸せなのか、終わりが来る時までこのままでいるのが幸せなのか、考えてしまいました。 ニナちゃんがどんな気持ちで自分を忘れたマスターと過ごしていたのかを思うと切ない気持ちに。 そして外の世界について。窓から聞こえるのは雨音だとマスターは言いますが、もしかしてそれは雨音ではなく別な、たとえば砂嵐の音で、外なんて本当に存在していないとか……なんて勝手に考察してしまうのでした。 @ネタバレ終了 エンドに関しては難しい部分もありましたが、ヒントページがあるので詰まることなく楽しむことができました! 考察のしがいがあるお話と、二人だけの世界というのが伝わってくる空間、抑え気味の彩度がよい空気を作り出していました。素敵な作品をありがとうございます!

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  • 運命のひと。
    運命のひと。
    最近優しくしてくれたのが運命の人――といわれ、アタックを繰り返すちょっと不思議ちゃんなヒロインと、そんな彼女が徐々にクセになってきちゃう先輩のショートラブストーリー。 終始「先輩かわいい」と思いながら堪能させていただきました。 @ネタバレ開始 姫田先輩、名前と同じくらい可愛すぎて、これは女子群がるわ…と納得です。 めちゃくちゃツンデレで、主人公に好きって言ってほしがるのに、自分はなかなか言い出せないところとか、ものすごく可愛らしい。 告白当初の「なんだこいつ…」という表情から、時折笑顔が見られたり、赤くなる姿があったりと、もうギャップ萌えの宝庫と化していました。 友達と話していてやきもち妬いてしまうのもいいですね。 俺だけに笑顔見せろってことですよね、いいなぁ、可愛い…。 そしてフラれてもめげるどころか、マイペースにアタックし続けるヒロインちゃん。 ちょっとずれているところがあるけど、一途で自分の後を追ってくる彼女はきっとこれまでかかわった女の子と違って、だから目が離せなくなっちゃったんですね。 最初は興味なくても自分にガンガンきてくれる子って、結局好きになっちゃうものです。姫田先輩、すごくよくわかります…。 照れずに「好き」って伝えてあげてね、先輩! @ネタバレ終了 パソコンの画面の前で思わずニマニマしてしまいました。 キュンとくるシーンも、くすっと笑えるシーンもある素敵なお話、ありがとうございました!

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  • 僕らの都市伝説
    僕らの都市伝説
    4人のごく普通の暇を持て余した少年が、非日常に足を踏み入れる物語、面白くないわけがないです。 周りから見ると性格合うのかな?と思うような男の子たちがつるんでる、というところにもリアリティを感じますし、彼らが作る絶妙に胡散臭くて、眉を顰めるような怪談も「らしい」なと思いました。 @ネタバレ開始 それぞれの個性が掛け合わさることでできる物語というのが面白く、ただの作り話から人が狂っていく、悲劇が起こる展開にゾクゾクしました。 怖さの度合いが分からなかったので、夜には遊べませんでしたが、一昔前の据え置き機のホラーゲームを思わせるような作りも相まって、やめておいて正解だったなと思います。 BGMも作品にあっていて、プレイし終わっても耳に残り、ゲーム画面が目に浮かびました。 お調子者の柳沢君、比較的常識人の田畑君、気が弱く優しい嶋君、オタク気質の寺尾君という組み合わせがまた良かったです。 彼らの掛け合いや日常が、話が進むにつれて歪んでいくのが、短いながらに伝わってきました。 人は何をきっかけに狂うのか、足を踏み外してしまうのか分からない。 後に残るのは面白半分で人の人生を狂わせてしまったという後悔だけ。 基本的にどのシナリオも後味が悪いので、怖いのと苦いのが堪らなかったです。 また怪談も流行り方や規模がそれぞれに違うのも面白かったです。 「カッパの幽霊」は特にほかの怪談と比べた時の落差がありました。 それだけに一番ぞわっとしました。カッパからここまで怖い話を作ることができるのか……恐れ入りました。 「エマラ・テッド教団」は内容からそこまで怖くないなって思ったのに、それを真に受けちゃった先生が、別人のようになって戻って来るのが怖すぎます。 あれは先生なのか、それとも別の人間なのか、人間ですらないのか……これからの4人のことを思うと一番怖かった。 「ガラガラ男」は、田畑君はなぜそこまで寺尾君が夢中になって流行らせようとするか理解できない、という感じですが、自分はなんとなく寺尾君の気持ちが理解できてしまいました。 彼からしたら、ガラガラ男は自分の創作物だったんじゃないかなと。 創作者が自分が作った物語やキャラクターを愛する、彼も最初はそれだけだったんだろうと思います。 だから噂が広まって喜び、噂が消えかければ再び火を付けようとする。 彼が作ったのがもっと健全なものであれば良かったのに、とお互いの熱量が違ったことでのすれ違いもあり、切なく感じました。 真エンドはとてもあっさりでしたが、それまでのシナリオが4人の友情が壊れてしまう内容ばかりだったので、大人になって自分たちが作った都市伝説がまだ生きているのを確認して笑い合う未来があったことに、すごくじんとしました。 末永く良い友人でいてくれと願います。 @ネタバレ終了 とても雰囲気が良く最後まで楽しめました。ホラーやオカルトが好きな方に特にオススメの作品です!

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  • 私の声が聞こえますか
    私の声が聞こえますか
    ゲーム公開直後にプレイして、感想を書き留める間もなくクリアして余韻に浸っていたため間が空いてしまいましたので、改めて読ませていただきました。 声が小さいことに悩みを感じる主人公が出会った先輩。 彼女との交流を重ねて、少しずつ知っていく事実。 さわやかでキラキラしていて、ちょっと苦くて、少しだけ甘い。 青春ってきっとこんな色と味なんだなぁ、としみじみと感じる作品でした。 キャラクターのイラストからもそれがにじみ出ていて、すごく好きです。 高峰先輩のポニーテールとっても可愛らしい! @ネタバレ開始 お祭りの時のスチルも素晴らしかったです。 高峰先輩の横顔、あふれる涙、花火のように儚く美しかったです。 声が小さいって不便ではあるけれど、それでそこまで生きにくくなるわけでもない、それがかえって辛さに拍車をかけているというのがよく伝わってきました。 箔斗君が出会った高峰先輩、彼女にすんなりと声を聞きとってもらい、会話が成立する、当たり前のことだけど彼にとっては特別な出来事で。 初めて高峰先輩と出会うシーン、2周目なので彼女の悩みも理解しつつ読みましたが、箔斗君が魔法って言った時の嬉しそうな表情と、彼女の思いを感じ取れました。彼女にとってもまさに運命の出会いだったんですよね。 そして去り際の少し寂し気な感じも、また会えるのだろうか、会っていいのだろうか、という不安が滲み出ていました。 それがだんだんと緊張が解けてきて、自然に話している二人に心が温かくなりました。 「ハロー」のやり取り、すごく好きです。 互いに違うけれど目に見えない辛さがある繊細な人だから、相手を思いやって言葉をかけられると感じました。 「そういう考え方もあっていい」って言うのは簡単だけど、否定や自分の意見より先にそれがすっと出てくる高峰先輩が素敵です。 なかなか自分のことを話してくれない高峰先輩に、寂しい気持ちになった時、卓也君がそっと背中を押してくれるシーンもすごく好きでした。 些細なことで喧嘩をしてしまっても、すぐ謝れるかどうかが大事なんだと思います。 そうして少しずつ箔斗君が変わっていく姿、この年頃の子の成長速度の速さを見た気がしました。何かきっかけがあると目の前が開けて、ぐっと前に進めるときってあるよな、と。 高峰先輩の「誰も知らないところに行きたい」この気持ちがすごくよくわかります。 それで何かが変わるわけではないけど、知っている人がいないところの方が心が休まる気がするとき、無性に現実から離れたいとき、ありますよね。 高峰先輩に花火の夜告白した後の卓也君との会話もすごくじんとしました。 彼は本当に大人びていて、気遣いができて、周りに人が多いのはそこもあるんじゃないかと思います。 親友ってこういう人を言うんでしょうね。二人にはずっと仲良くしていてほしいです。 高峰先輩がどうして箔斗君の前から姿を消そうと思ったのか、その理由が本当に切なかったです。 自分と一緒でなければ、もっと普通に楽しめることがある、それを知っていたから、優しい彼女はいなくなることを選んでしまった。 けれども本当は誰かに自分の世界を認めてほしかった、理解してもらいたかった、そんな思いがあふれた「私の声が聞こえますか」にじんとしました。 高峰先輩も大学へ進んで、自分の声を聞いてもらえるようになり、その明るくなった姿にうるうるしました。本当に良かった。 これからの二人がゆっくり前に進んでいく姿が目に浮かびます。 自分のことで申し訳ないですが私は人より耳が悪い方です。 なので普通に会話していても聞き返してしまうことが多く、耳がいい人がうらやましいと思っていたんですよね。 この作品を読んで、高峰先輩のように聞こえが良すぎることで苦しんでいる人がいることを初めて知りました。 真逆の境遇ですが、人と違うことで当たり前が当たり前にできないこと、些細な言葉に悲しい気持ちになること、とても共感できました。 そしてきっと誰もが人と少し違う部分があって、時に悩みながらも生きているんだなと思いました。この作品に出会えて本当に良かったです。 @ネタバレ終了 青春の中に優しさが溶け合った物語、2周目でしたがやはり涙が出ました。 色んな人に読んでほしいお話です。本当に素敵な作品をありがとうございます!

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