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お風呂かこのレビューコレクション

  • 贖罪と命
    贖罪と命
    なにも知らない人間には、異常と捉えられるのでしょう。そうなるに至った経緯を知ってもなお、異常と捉える人間もいるでしょう。 主人公の抱えている心の傷は、私にとって近いものではないですが、かといって遠いと断言できるわけでもない。 唯一の救いとしては、考えるという行為ができることでしょうか。罪の意識を自分の中に持つことができている点でのみ、よかったと思います。それすらも抱けない存在は、本当にただただ、気づくことのない絶望に囚われ続けるだけで終わるでしょうから。

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  • Sleepy Snow Song
    Sleepy Snow Song
    冬の雰囲気をうまく表現している作品だと思いました。静かな世界は寒くさみしいけれど、そこにいるものたちには、やさしさも温かさも含まれていました。 目を向けなければ、ただそこにあるだけのものである存在たちも、いろいろなことに思案を巡らせているのかな、と思いました。そう考えると、私たちの身の回りには、退屈を感じさせることのないくらい、いろいろなものであふれていますね。 そういうものに目を向けて、ふとこの物語を思い出した瞬間には、きっと温かい笑顔がともると思います。 大切な人や大切なものを思い出させてくれる、温かい物語でした。

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  • St.ChocolateDay
    St.ChocolateDay
    甘々なバレンタインのお話、と思ってプレイしていたのでバッドエンドの展開には驚きました。バッドエンドはつらかったですが、ハッピーエンドの方はとても幸せな甘いバレンタインチョコのようで、微笑ましく読むことができました。キャラクターが皆それぞれかわいらしいところもよかったです。 私はおまけシナリオに出てくるキャラが一番好きです。やはりどうしても、甘酸っぱさはありますよね。それに対して、前向きにとらえる姿勢がとても良いなと思いました。

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  • まる、さんかく、ばつ
    まる、さんかく、ばつ
    まる、さんかく、ばつはその意味通り試験の結果でしょうか。あるいは綾子さんの変遷か、それともまる、さんかく、ばつに先輩、小依さん、綾子さんが当てはまるのか。そもそも処分とは…?綾子さんのお兄さんは…?処分された人はどうなるのか…?ただその場にいられなくなるだけなのか…?そして、この高等学校の卒業は普遍的な卒業と意味合いは同じなのか…? 私はこのお話をちゃんと理解できているのか自信がありません。その上で私の感じたことを書かせていただきます。 最後のシーンの、未来がある限り決して幸せな時間は続くことはないだろうという言葉が、登場人物を取り巻く閉塞感や先への諦めを象徴していると感じました。ですがこれに関しても、単に年月を経て同じ時間を共有することが終わることを示しているだけなのか。この言葉にどこまでの意味が含まれているのか、私には分かりませんでした。しかし、小依さんの処分されたくないという心の現れを、すなおに見ることができた特待生の先輩だからこそ、最後のシーンにつながったことは確かだと思います。 穴を埋め合う関係は、なければないで案外どうにかできてしまうものですが、それがあると本当に心強いですよね。生活に色がつくようで、それを支えにするだけで生きていける気になれます。 ほどよくたんぱくに綴られる心理が、この作品にとても合っていると思いました。 よい物語でした。

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  • おるばり! 7K
    おるばり! 7K
    とてもおもしろかったです。ストーリーは他のみなさんも書かれている通り王道です。すなおに物語に没入して、安心して読むことができます。丁寧に描かれた、個性豊かなキャラクター達が織りなす愉快なドラマが、この作品の大きな魅力だと思います。キャラクターが生き生きとしていて、読み進めるのが本当に楽しかったです。 また、主人公の庵くんに、自分と重なるところがあまりにも多かったため、並々ならぬ共感を覚えました。大切な人だからこそ、その人の笑顔を優先したり、応援したりするところが健気で素敵でした。本気の恋はやはりよいものですね……! 最後に、私は王道大好きです!!!

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  • 死ぬよりもつらいこと
    死ぬよりもつらいこと
    ノベルゲーム制作に関することが多く書かれているので、特に制作者の方はたくさん共感できる部分があると思います。事の大小はどうあれ、誰しもが後悔をしている。そして、喧嘩別れはつらいですね。 この作品のテーマを浦田さんは「自殺による喪失からの回復」としています。決して明るいものではありません。しかし私は、この「死ぬよりもつらいこと」をあたたかいお話であると感じました。 自殺というものが身近なものなのだと思いました。原因さえあれば、自殺はできてしまう。残される人たちは、皆一様に「自殺をした」という事実と悲しみを背負わなければいけない。自殺は衝動的なものが多いと聞いたことがあります。死のうと思っても、なかなか死ねるものではない。しかし、ふとした瞬間に案外あっさりと死んでしまう、死ねてしまう。それが、たとえ今までの積み重ねからしてみれば、ほんの小さなことだったとしても。小さな支えが決壊してしまったり、少しの失敗でも、ほんの些細な出来事でも、死んでしまえるそうです。 人には許容限界があります。耐え切れる物事には限界があります。私は今までの人生で、一度だけ自殺衝動に駆られたことがあります。そのときは今まで支えてくれた友人を思って、踏みとどまりました。笑っていられる場所をくれたみんなが、少しでも悲しむのなら、死にたくないと思えました。 残された人は必ず悲しみます。残す人も悲しみはあります。しかし、どんな状況でも一人ではないと、そんな当たり前のことが、追い込まれたときには気付けなくなる。盲目的になっている自分でも支えてくれる人が必ずいるのだと、たとえその人にもう会うことはできなくても、支えになってくれる人が確かにいると改めて思えました。 ありがとうございました。

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  • サリエンシー
    サリエンシー
    引き込まれる作品でした。 サリエンシーが終わって地上に戻ってきたときの状態は月ステーションにいた長さが影響するのでしょうか。7年前、上弦2週間、1年くらい。出会ってはいけない。こうして情報を並べて考察しながら読み進めると興味深い話になっており、私はサリエンシーの意味を知らなかったので調べるところから始めたのですが、気づけば三周していました。アイラブユーのくだりは某文豪の逸話ですかね。 どこか無機質な雰囲気ですが、喫茶店のシーンや追加された一枚絵もかわいらしいです。そのかわいらしさのなかにあるものに引き込まれました。

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  • せめて、笑ってくれたなら。
    せめて、笑ってくれたなら。
    立ち止まって考えながらゆっくりと味わうような物語でした。しかしそんな静かな中にも、確かな熱意と想いがある。ひたむきに考えこまれていることがよくわかる作品です。 死生観は私にとってもとても大きいものです。私自身としては、自分で選んだ道であれば死を否定することはできないと考えています。そしてそれはこの作品の登場人物たちも同じでした。選んだ死を責めることは決してない。ただ他の道を示せなかったり、自分がその道を教えてしまったという後悔として死を受け止める。そういう温かい心の持ち主だからこそ葛藤し、悼み、真剣に向き合おうとするのだと思います。 そうして紡がれる せめて、笑ってくれたなら。 この言葉に込められた想いは各人によって差異はあれど、それでも目指すところは同じという想いが一つになるものだと思いました。またこの物語にふれた私自身の想いを汲み取ってくれる言葉でもあると思いました。 演出面については良いとしかいえません。しっかりと物語に没入できる用意がされています。私は四日かけて読み終えたので、続けて読んでいませんが、日を改めて起動してもBGMが流れるとすぐに物語に浸ることができました。 すばらしい作品をありがとうございました。

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  • 赤から青へ
    赤から青へ
    お相手のかたは遠距離恋愛だからこそ、その決断ができたのだと思います。それが別れることにつながってしまいますが、自分で決断したであろうことなので否定することはできないと思います。 考えさせられる内容でした。

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  • 最後に見たものは、
    最後に見たものは、
    主人公が前向きな良い作品でした。 見たいものも、見たくなったものも含めて見られて主人公は満足できたように思います。

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