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エヌエヌのレビューコレクション

  • 午前2時に捨てるもの
    午前2時に捨てるもの
    タイトル画像の構図がいいなと思ってプレイしました。 深夜のマンションのゴミ捨てで近隣住民と出会う、という絶妙な距離感から始まる物語。 寝静まった深夜の独特の雰囲気が素敵です。 @ネタバレ開始 ゴミは自分自身を如実に表すもので、自分そのもの。 それが不要になったとき自分から切り離して捨てる、という哲学のような話がとても印象的でした。 ゴミ出しをする日常から、深く展開される話が魅力的でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 定時退社させていただきます!
    定時退社させていただきます!
    残業をさせてくる上司を撃退して定時退社するゲーム。 正しい単語の組み合わせが選べるか、というもので、時間制なのが緊張感があって良かったです。 微妙に間違えそうな選択肢もあり、言葉の面白さも感じました。 @ネタバレ開始 ラストは、あえて複数選択肢を設けず、それしかないことをびしっと言い切ったという爽快感がありました。 スチル絵まで辿り着けて良かったし、ビールがあるのがリアルでいいなぁと思いました。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました!

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  • 『プラリ』
    『プラリ』
    衝撃的なタイトル画像が気になってプレイしました。 扱うのが難しい題材ですが、丁寧な描写にじっくりと読みました。 @ネタバレ開始 文章のトーン、イラスト、BGMがうまく溶け合って、悲しい回想の雰囲気を出していました。 「都合の良い勘違いかもしれないと考えて、自分を守った」などの文章がとてもうまいです。 手紙も泣かせるもので「それなら、造花でも持ってきなよ」に、一方通行となってしまった手紙における、二人のやり取りを感じます。 さらにヤモリの会話まであって意外な形でタイトル回収となり、読みごたえがたっぷりでした。 @ネタバレ終了 すごい作品をありがとうございました。

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  • 望郷・喪失・くじの行先
    望郷・喪失・くじの行先
    鏡に覆われた奇妙な部屋で目覚めると、顔と両腕を失っていた・・・。 先に進んでいくものの、そこはデストラップだらけ。 @ネタバレ開始 正規ルートを発見して進んでいくゲームというよりは、すべてのバッドエンド、死に方をしっかり確認するゲームであり、それは儀式のようにすら思えてきます。 扉がたくさんある部屋で、おそらくは正面が正規ルートであろうという中、すべての部屋を確認して回り、死に方を見ていく。 あらゆる死に方を網羅しようという勢いがすごいです。 個人的には、蝶のように標本にされるエンドが最も好きです。その死は、少なくとも展示に値するほど美しいものであったと思わせるものがありました。 また、ステージで握りつぶされるエンドも印象的です。薄れていく意識の中で聞いた拍手の音が忘れられないものです。「体が致命的に破壊された事を本能的に理解した」という客観的に記述した一文はとてもインパクトがありました。 ストーリーも、とても練られていて、顔にかかるモザイクの意味、不思議なタイトルが示すこと、前に進んでいると思いきや戻ってきていたという残酷な事実に驚かされました。 「失ってもいいものが多い」者は「探索に有利」というセリフは切なく、けれど勇気を与えられるものでした。 エンドは悲しいものでしたが、「くじを作る」エピソードには救われる気がしました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 女中の話 The Maid's Story
    女中の話 The Maid's Story
    圧倒的な世界観がすごかったです。 古めかしい文章表現・言い回しにもとても惹かれました。 @ネタバレ開始 水中に潜るシーンや、顔のアップのシーンなど、まるで映画を見ているようでした。 そして何よりも歌の存在感がすごく、まさにミュージカル。 英語の表記も独特の雰囲気でした。「嗚呼」の短い言葉には、深い意味があると感じさせられました。 マシュマロや金平糖になぞらえた残酷描写は強烈でした。 視点が見事に変化するストーリー展開も良かったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • おるすばんできるかな?
    おるすばんできるかな?
    可愛い犬の子が一人でお留守番。 ほんわかしたイラストが素敵な雰囲気、と思ってプレイを始めると、ときどき不穏なワードが・・・。 @ネタバレ開始 ロボット? 出所? と疑問を覚えつつ、お留守番。 もぐもぐ食べる姿や電話が喋るのがとても可愛いです。 無事にお留守番できて良かったです。 失敗ルートはどうなるのかハラハラしましたが、まさかのマシンガンの展開で、最後はほっこりできました。 @ネタバレ終了 すごい作品をありがとうございました!

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  • 掌
    温かみのあるイラストがとても素敵な作品です。 公園でおばあさんが手を振っているが、それに反応する人はいない・・・というミステリアスな状態で季節は進む。 季節に応じて画面の色が変化していくのがとても綺麗でした。 @ネタバレ開始 そして、なるほど!と状況が分かる。 季節が回り、桜の散る中、二人会えて良かったと感じました。 二人でもう一度季節を巡って、タイトル回収。 トップページの掌がそっと触れられる演出が良かったです。 さらにそれぞれの視点からもう一度季節を巡るのは素敵でした。 「湿気で少し重たくなった猫を抱いているだろうか」というのが、長年寄り添ったことが感じられる文章で好きです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 可惜夜のくろすぐり
    可惜夜のくろすぐり
    このシリーズ大好きなので、新作嬉しいです。 舞台が館というのはやっぱり王道でいいなと思いました。 外に出れない閉鎖感、扉を開けると何があるか分からない不安、部屋に残された生活感など雰囲気が素敵です。 @ネタバレ開始 ゲーム中にヒントがあったり、部屋の配置が左右に分かれていて迷わず回れたり、とてもプレイしやすかったです。 (一部攻略ページにも助けられました。IDのところが自力では分からず、なるほど!でした) そして脅かし要素も、苦手な僕でもできるほどよいレベルでした。 謎解きはサーカス関係の用語で統一しているのがとても綺麗で、最後の最後の言葉までピースがぴったりはまる感じでした。 船や神社などの過去シリーズの話も出てきて、ずっとシリーズをプレイさせていただいている者としては、とても感慨深いです。 まさかの10年後になり、素晴らしい顔のスチル絵。 シリーズ最終話というのが寂しいですが、シリーズ完結お疲れ様です。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました!

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  • 一緒に死体を埋めて
    一緒に死体を埋めて
    タイトルに惹かれてプレイしました。 水の中にいるような不思議な雰囲気がとても素敵です。 濃いブルーのトーンで統一された画面が綺麗。 @ネタバレ開始 エンド3つとも回収しましたが、予想外の展開がとても面白かったです。 携帯電話が鳴っている場所は衝撃的でした。 作品の雰囲気、二人の友情、そして一緒に死体を埋めに行くテーマ、それらが溶け合って、忘れがたい作品でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • バス停の彼女
    バス停の彼女
    バス停で遭遇する異変の物語。 バス停って独特の雰囲気があって好きです。 淡いトーンのイラストと、文章のセンスが光っています。 @ネタバレ開始 「楽しいことは特にない。けれど悪いことも別にない。恐らく、幸せ。」や「先週だけ歯車がズレていて、今はすっかり直ったかのように」など、すごくいいなぁと思う文章表現でした。 バッドエンドの「悪いことはしていないけれど」の「けれど」も深く考えさせられるものでした。 どんな夢を見たのか覚えてないけれど嫌な夢、というのも共感できる表現でした。 GODDエンドではまさかの展開。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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