丹綿樫のレビューコレクション
-
黒い森のリドルメアモノクロの中の、綺麗な…絵本のような画面の物語でした。レーニャちゃんのジト目が可愛い…! ストーリー展開やキャラクターも本当に絵本のようで可愛く、なのに不穏さは序盤からずっと醸し出されまくっていて、とにかく「白の国」にはいったいなにが待っているのか? と続きがどんどん気になるストーリー。 以下は内容を含むので畳みます。 @ネタバレ開始 原産地そのものを見ながら食べるという言葉にちょっと笑ってしまいました…こういうブラックなところも良いですね…(さすが黒い森)(?) どうして白の国にはひとりしか入れないのだろう…! 魔女さんの気紛れなのか、それとも本当にそういう境遇の人しか中へ入れないのでしょうか…。でもなんというか、涅槃のような世界なのだから、この国はあってないようなものなのかも。 ふたりが白の国を目指したことによって、いつかくる漠然とした別れへの決別が出来たのかなと思います。もしセーブのきかない世界で、自分だったらどうするだろうか? とぼんやり考えました。 とてもよく纏まっていて、素敵な物語でした。 @ネタバレ終了
-
〇〇って知ってる?「知ってる?」「知ってる~~!」(コールアンドレスポンス) 非常に好きな題材のゲームでした。\コレ!/ 作者さんと話しながらストーリーを読んでいるような気分になる~~! もっと傍に居て…(何) 作者さんと話してるんですけど、主人公(プレイヤー)の子とも話してるので、なんだか三人組でゲームやってるみたいです!笑 青春かな…? あの手この手で危機回避しようとするのが非常に面白かったです。途中から主旨が判って突っ込みを入れ始めるプレイヤーが好き…(?) オワッタ…
-
兄よ!1分でハッピーにしてくれ!概要にとてつもなく惹かれてプレイしました。絶妙なタイミングで出て来るハッピーエンドボタン! 疾走感と安心感、さす兄ですね…いえ、ボタン前までのシナリオも、これは絶望だろうという心意気を感じました!笑 それと使用されているBGMがものすごく良い味を出していましたね…。異様に禍々しく見えます… おまけも楽しかったです! お兄様、もしかしたらえげつないバッドエンドを書く才能もあるのでは…? と思うような片鱗がある…
-
graduation卒業をテーマにした短編集で、あらゆる「卒業」が読みやすい長さで著されていました。集められたお話もですが、本筋の編集さんと先生のやり取りを、非常に興味を持って読み進めることが出来ました。 節々に散りばめられた断片が、すべてのお話を読み終わったときに繋がって…切ないけど素敵なエンディングでした…机の上ェー! 以下、短編集の感想になります。 @ネタバレ開始 【憧憬の訃報】 思わず「お前のお便りか~~!」と突っ込んでしまった…! 画面が非常に可愛らしく、たかし君の台詞回しも面白い作品でした。 確かに、「憧憬の訃報」ですね。読み終わってから、思わずすぐにもう一度読み直してしまうお話でした…。画面もとっても素敵です。 【関係性を科学する】 あらあらまあまあ…なんとも可愛らしいお話ですね… 卒業なのに、不思議とさみしい感じがしない雰囲気です。きっとうまくいっていると思うから…! 【人間卒業記録係】 人間を卒業…役目を修了…! なんというパワーワード…なぜ神様はそんな権限を委任してしまったんだ… こっちへ来た彼女さんがどっちの反応をするのか、ちょっと覗いてみたい気もします。現世でつらいこと続きだったし受け入れてくれるのか、それとも… 【さよならカエルさん】 地元のアイドルグループにもこういうエピソードあったりしますよね…人前で頑張る人は大なり小なり、誰かを突き動かしてる可能性があるのかなと思います。 ふたりはこのあとに、何を目標にして生きるのかなあと思ったりも… 【卒業式のそのあとで】 弥生さんの反応がめちゃくちゃかわいい! いいですね、高校生と社会人…いやもう大学生になるのか…! 何だかずっと先の約束でも大丈夫って気になります。いいですねこういう関係。 【結局いつも通り】 まるでCMか何かのような、しっとり切ない雰囲気…オープニング映像でも気になったお話です。 こういうふうに、学校生活を格好良く振り返れる友人がいるって良いですね。青春時代に戻りたい…! 【彼方へ】 効果音とBGMがふたりの心情が表しているようだ…。門出でありつつ、また別れでもある日であるということを象徴するようなお話でした。 何かのはずみにまたふたりの接点が繋がればいいのになあ。 【好きって言って!】 断られてて草ァ! 今までのこの短編集の流れでいけんことある!? と思ったら、優香ちゃんがうわてなだけだった!(笑) 掛け合いにほっこりするし、とにかく背景がとても綺麗でした… 【過去との卒業、未来への始業】 個人的に好きなタイトルです。これまでと毛色の変わった作品で、流れてきた時間を感じさせるような一幕でした。彼女の出生が気になる…! 【春と桜】 よかった! よかった!(超絶安堵) ありがちな勘違いだけど、告白はしないと決めたのがどうしてなのか、彼女の性格をもっと知りたいと思いましたね…きっと潔いタイプなのだろうな…! 【出発の刻】 とても大きな物語の前日譚のようなストーリーですね。レディアくんのいなくなった国がちょっと心配ではありますが、きっと世界に平和をもたらしてくれるから大丈夫なのでしょう…! あ、これお父さんがラスボスになってるやつですよね!?(期待の眼差し) 【落葉の刹那】 こ…こういう画面構成のミュージックビデオありそうー! これがエモいというやつか…! 一緒に卒業することは叶わなかったのですね…何だか後悔しそうなネガティブな場面ですが、ひたすら綺麗に情景が描かれていました。読後感がいい… お話ごとにUIが違うのが非常に楽しかったです。 @ネタバレ終了
-
蒼白のマジックシールエメラルドこれはもしや、強くてニューゲームか! と思ったのも束の間、強敵の出現…! 魔王の去った世界で冒険を続ける、タンク役の物語でした。さすが大冒険の後の物語なので固有名詞が多く登場しますが、丁寧にルビが振ってあり、特に問題なく読めました。突然文中に現れたキャラクター名も、関係性を推し量れるような構成になっていて、色んな想像が出来ます。 視覚的な演出が楽しく、またリーフィちゃんとの掛け合いも非常に良かったです。特にふたりの出逢いのエピソードが好きです。おまけでほのめかされた続編のあらすじも気になりますね…。
-
サイレンと浮遊感のある不思議な世界観と画面構成でした…。お話は短いけれど、主人公の発している言葉の端々に、「こういうひとなのかもしれない」という想像が巡ります。 エンディングのあと、ふたりの関係性はきっと変わらずに、それでいてどこか変わったような、そんな新しいストーリーが続いていっていたら良いなあ。
-
シリアルキラーの名前読んでいくうちに、心の芯をぎゅっと掴まれるような深い深い物語でした。フシギな存在であるはずのジョンくんが、「こういうひとがいるのかも」と思えるようなリアリティをもって眼前にいるような気分にさせられます。そのくらい、ふたりの関係性が積み上がっていく描写が丁寧で、キャラクターを物語の中で書き尽しているような説得力を感じました… 視覚的にも意欲的な演出が多々あり、この不思議な物語にどんどん飲み込まれます。 終盤に向かうにつれて、ゆっくりと流れていた時間が加速していくようでした。魅力的な人間との関係って、いつも追い掛ける側になってしまいますよね。そんな心地でした。 この物語は一・二章に分かれていますが、ふたりの視点で見られるという二部構成です。物語がとても良いところで折り返します。もしかすると一章だけでも作品足り得るのかもしれませんが、二章が存在することで二倍にも三倍にも深みを感じます。 どの文章も一度立ち止まって飲み下したくなるような、非常に素敵な作品でした。 以下内容を含むので畳みます。 @ネタバレ開始 ジョンくん、なんて素敵な人なんでしょうね…ストリートで歌を聴くのに隣へ座ってくれたとき、この人は絶対良い人! と思ってしまいました。結果的にはなんというか、良い人とはまったく言い難いのですけれど、それでも環樹くんにとってはこれ以上ない人ですから… もしかしたら、第二章が始まったらちんぷんかんぷんな突拍子もないモノローグになっちゃうんじゃないか!? なんて心配してましたが、案外人間的な感じで安心しました…やっぱりそういう性質の、そういう性格の子なんでしょうね。彼の空想が画面が埋まり、そしてその苦しみや愉快さに私は面白味を感じてしまったり。彼の心の中というのはいつも劇場で、そして何処かに続いている扉であるような気がします。 絶対ジョンくんの気紛れだと思っていたのに、葛藤があって週一通いになっていたところなんて、「そうなんだ!」とびっくりしていました。彼がいったい何を考えていたか、そういうのが明るみになってとてつもなく前のめりになりながら二章を読みました。 シリアルキラーというものは、やっぱりこういうふとしたキッカケであったり、なんとなく日常に溶けているものなのだと思ったりもしました。トリガーがあって、それが何かと繋がって、自分なりのモチーフを持って… ここの辺りのリアリティは、あとがきを見るにやっぱりリサーチ力のなせる技なのでしょうか…! 読み終わってみると、やっぱりふたりのどちらにも、惹かれるところがあるなと感じます。それはやっぱりお互いから見た印象だからであって、もっと幸せな関係だったらと思わずに居られないのですが、このお話がこういう展開だからこそというのも… 音楽面では、エンディングテーマが個人的にとてつもなく好きです。 色々頑張って書いていますけれども、もう言いたいことは「どうしようもなくとっても好き」です…。なんと書いたら伝わるのかまったく判りませんが、ああもうこれすごいなあすごいなあと呟きながらプレイしていました…環樹くんは泣かないのに私は泣いている… 始めに名前を聞かれたのも、名前が重要なモチーフだったからなのですね。 この熱量の作品がまた見たいと思います…。 @ネタバレ終了
-
La Vie en Fleurプレイして絶対に損のない、素敵な作品でした! 次々読みたくなる導入のストーリー、クオリティの高いフルボイス、綺麗なキャラクターイラストがお話を彩っています。エフェクトもきれい…そしてエンディング曲もとっても素敵でした。 世界観固有の設定に関しても丁寧に判りやすく説明され、すぐにお話に没入出来ました。 ルートのある男性キャラがみんな…みんな好きで…最初誰からやるか、次誰をやるかの脳内会議が激しかったです… 以下内容を含むので畳みます。 @ネタバレ開始 >ディーサくん! なんて可愛い照れ顔! 努力家で一途で、リフィアちゃんの隣にいつも居て欲しいと思ってしまいますね。意外に口が悪いところもよき。 あと周りにはめちゃくちゃダダ漏れの好意がたまらん…!このこの~!って言いたくなる…! そしてずっとアロマおばさんのことを勘違いしているリフィアちゃんが面白かったです、まさか最後までこの調子とは…!! アレスさんにも何か未来があればいいな…と勝手に想いを馳せます…三男ゆえの悩みもたくさんあるのだろう… >ジェレミくん! 可愛らしい男の子…と思っていたけれど、芯がシッカリしていて礼儀もあって、何だかとっても大人っぽい男の子でした。 手を掴んだときの赤面を見て、「アアーッ!」ってなりました…可愛い… 教会へ歩を向けるジェレミくんは、脆くも有りとても強いなとも思います。怖がって隠れたりしないなんて… そしてそれと同時に、リフィアちゃんもとっても強くて優しい女の子でした。ふたりとも自分が犠牲になろうとする…相手を想っているからこそ…! ユリって、パッときくと白色を思い浮かべるけど、クロユリという言葉で白と黒を連想するような心地になりますね。ジェレミくんによく合っていると思います…。 >お兄ちゃん! 個人的に兄と妹の関係性が好きなものですから、トリにしようと思ってこの順番になりました。 こちらは基本的には一家の物語ですね。一緒に寝てるの可愛らしかー! キスヴェルトさん、こちら(リフィアちゃん)をまっすぐに見つめてくる…感情の起伏が大きいわけではないのに、その瞳の向こうにあらゆる感情が見えました。でもやっぱり笑顔が素敵だなあ。 そしてはちゃめちゃに強い。何気に戦闘力だけで言えばトップレベルなのでは…!? いつも最高にマブいアロマおばさん、このルートでは本当に癒し。お兄ちゃんも先を譲っているところがいいですね…。 >ダミアンさん! そして大トリのダミアンさん、このひとはどんな物語が始まるのかサッパリ予想がつかなかったので、楽しみでしかないし、ラストにしようと思いました。好きになるのもなられるのも本当に予想がつかなかった…! なんじゃあこの選択肢は…! すでにディーサくんの愛情の深さを知ってしまっているのがいけなかった、私にこれを選べと言うのかと大混乱してしまいました。ひぃ… ダミアンさん、飄々としているようで、深い慈しみの心を持つ素敵な人でした…。きっと誰よりも優しい…そして守るべきものが多過ぎる…! 器用だけど背負い過ぎる人なのでしょうね…。なんて格好良いのだろう… まさか弟の存在がコンプレックスになっているとは思いもしませんでした。ふたりともおつらい! もうリフィアちゃん頼むから二人分に分裂してくれと思ってしまいました… バッドエンドがリフィアちゃんのお歌なところも、何だか心をギュッとなる…! 「その他」のお話も良かったです、カチャッ…っていうSEの度になんだか笑ってしまいました… なんだか十年後も見たくなるというか、アフターストーリーのその後まで知りたくなる素敵な作品でした。 @ネタバレ終了
-
リベリオン・ヒーローズ設定やストーリー、ビジュアル、UIに至るまでハイクオリティな作品でした! 目ぱちもスチルもウインドウの色合い等々も可愛くかっこよく…! 巷で何かと話題になっている「ヒーローごっこ」に参加しているふたりの、熱い青春の物語でした。葛藤もあり、事件もあり、尊さもあり… 以下内容を含むので畳みます。 @ネタバレ開始 ストーリーを読んでいる中で、選択肢がヤマトくんに関わるものばかりだったので、「ここここれはまさか恋愛も楽しめるというのか…!」と膝から崩れ落ちんばかりに作品の豪華さを感じていました。 半べそ状態のほのかちゃんのお顔が可愛いですね…あんなに凛々しく強いほのかちゃんにも苦手なものがあるんだ… どんどん仲良くなるふたりをあらあらまあまあで見ていくのが本当に楽しく…! どっちもぎゃわいいよお…小屋とバス停に来たときもう床をごろんごろん転がりたいような気持ちになっておりました。後日談を見ながらえひぃえひぃ言ってた(大興奮) ED後もあんな感じでチャットアプリで話してるのかなみたいな妄想が膨らむ…そうかこの気持ちが尊いということか…(ふたりとも誤字が可愛いです!) それに兄ちゃんもとっても素敵なキャラクターですね! なんて頼りがいのある! ふたりで撮った写真が可愛すぎます。 コンフィグもなかなか充実していましたね! 既読色の設定や名前変更が途中で出来るというのも、なかなか見ない仕様だなと思ってびっくりしました。 @ネタバレ終了
-
白き部屋にて君と飛ぶ僕っ娘好きの私にダイレクトアタックの彼女ちゃんでした…。嬉しいやい!←最高に可愛い ふたりの掛け合いが非常に可愛らしく、あとお兄ちゃんもすごく良い人そう(そして一癖ありそう)で、各エンディング後の世界も覗いてみたいなあと思いました。 @ネタバレ開始 その可愛さに意識が行きがちですが、急転直下のエンドもなかなか尾を引きますね。 エンド名は関係性だと思うのですが、Bの「同い年」はきっとこれからも、という意味があるのかなと感じました。個人的にはこのエンドBがとてつもなく好きです。 @ネタバレ終了