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川澄シンヤのレビューコレクション

  • 自称お助けキャラの末路
    自称お助けキャラの末路
    「親友とヒロインをくっつけて、永眠しよう!」 この文言だけで、闇が深いゲームだと一目瞭然。タイトル画面で泣いている元気のイラストにも心惹かれるものがありました。 そして序盤からもう飛ばす飛ばす。元気は歪んだ願望を持っているし、周囲の人間も普通じゃない。けれど、人間(作中には人外も多く登場しますが)誰しも欲望を持っていて、それを隠したまま「私は普通です。無害です」みたいな澄ました顔して生きている。そんな社会の縮図を垣間見た気がしました。 サブストーリーは読まなくても進行出来ますが、各キャラの関係性や人間性を知ることができるので、読むことを強くお勧めします。 複雑に絡み合う人間模様や読めば読むほど「闇」を感じるストーリーも素敵でしたが、中でも膨大なグラフィック量に圧倒されました。ストーリーの不穏さやキャラの心情をグラフィックで巧みに表現されており、目を見張るものがありました。 @ネタバレ開始 真エンドなんですが、ハッピーエンドのはずなのにどこか安心できない不穏さを感じるというか…「本当にこれで元気は幸せなのか?」ということを考えてしまいました。 ちなみに私が好きなキャラはナツミです。口の悪さだったり、人を全力で恨んで憎んでこねくり回して楽しんでいるところがツボでした。そして、本当は自分が愛されていることにも気付いていない点もかわいそうで好きです(!?) @ネタバレ終了 とまぁ、いろいろ書きましたが、このゲームを通して感じ取ったものを文章として表現することは大変難しいです。 何が言いたいかというと、実際にプレイした方が早いということ! さあ、みんなも遊んで闇に堕ちよう!!!

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  • 怪奇!開けてはいけない扉卍
    怪奇!開けてはいけない扉卍
    前々から気になっていたものの、ホラーが苦手なためプレイすることをためらっていました。ですが、ゲームとしての面白さ(楽しさ)が抜きんでており、遊んでみて良かったと思える作品でした! なんといっても、めぐちと千羽のかけあいが楽しかったです! 怖いシーンでも全然ビビらない二人がいてくれたので、ホラー要素も薄れ、だいぶ遊びやすくなっていました。効果音と漫符を利用したコミカルな演出もとても良かったです。特にコロコロ表情を変える千羽ちゃんがめちゃかわでした! この子…いい性格してるぜ。 マルチエンディング、時間制限のある探索、推理要素など、ゲーム性も高くて遊びごたえも十分でした。(まるで緊迫感のない)めぐち視点で説明されている「探索メモ」を読むのも、作中の楽しみの一つでした。あとはエンディングを迎えた時の画像が、ユーモアのセンス抜群で好きでした。 ユーザーフレンドリーな作りと見やすいスタイリッシュなUI、ゲーム内で攻略を見られる点やENDリストが完備されていることなど、随所にストレスを感じさせない配慮がされていて好感が持てました。推理ゲーム特有の「探索してヒントを集め、謎を解いていく」という過程がとても丁寧に作られているため、気持ち良く謎解き出来ました。変数管理とかめちゃくちゃ大変そう…。 あと、難易度を選択できる点もありがたかったです。おかげで楽しく最後まで遊べました!(「END1」と「隠し探索場所」以外は自力で回収しました) @ネタバレ開始 「END1」は、二人の今後を予感させるような明るい内容で良かったです。いつか続編で二人に会える日が来たらいいな…。 @ネタバレ終了 程よい難易度と適度なホラー感で、多くの方にお勧めできる良作でした。ありがとうございました!

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  • おまモテ!!おかわりフリー版
    おまモテ!!おかわりフリー版
    前作も破壊力抜群でしたが、本作はさらに糖度が増していますので、覚悟を決めてからプレイすることをおすすめします。私は覚悟が足りなかったようで、見事に打ちのめされました…。 ゲーム開始直後に前作の振り返りがあるという親切設計! 漫画チックな演出もとても良かったです。 ハイクオリティなグラフィックは言わずもがなですが、live2Dをうまく取り入れた立ち絵とスチルが、臨場感を高めていて素晴らしかったです。本作を完成させるまでにかなりの労力がかかっていることが容易に察せられ、この作品にかける作者さんの熱意や想いが伝わってきました。 ゲームの内容ですが、「もう助けて~(泣」となるくらいには「はるる」と「なっちん」がいちゃいちゃします。 しかし、それだけでは終わらないのが本作。付き合ってからの葛藤や不安がリアルに描かれていて「わかる!!!」と心の中で何度も共感しながらプレイしていました。 @ネタバレ開始 サイドストーリーで、二人以外のキャラ(ハヤオや安仁屋さん)にスポットが当たっていたのも、満足度ましましで良かったです。こうして人って成長していくんだなぁ…(しみじみ) 個人的に一番好きなシーンは、お見舞いに来たなっちんがはるるに抱えていた不安を吐露し、二人が想いを伝えあう(確認しあう)場面です。暖かなスチルも相まって、心が浄化されました…。ありがとうございます。 @ネタバレ終了 はるるとなっちんの関係性が本当に素敵なので、全力で応援したいと心から思える作品でした。ありがとうございました。 P.S. すっごくいい奴なので、ハヤオには幸せになってほしいです。あと、なっちんのお兄さんが超タイプでした…(小声)。

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  • +fence
    +fence
    「ショタと同居!?うらやまけしからん!」と思いながらプレイしました。 @ネタバレ開始 最初はわくわくしながら読み進めていたのですが、少年がぶち当たる「どうしても超えられない年齢の壁」をまざまざと感じてしまい、とても切なくなりました。 年が離れているというだけで意識してもらえない。自分がもっと早く生まれていれば「異性」として見てもらえたのだろうか。という少年の気持ちが手に取るようにわかりました。 27歳ということもあり、将来のことを考え始めた時に青年からの突然のプロポーズ。こんなの答えは決まってるじゃんか…。 そして、幼さゆえに青年からも「男」として見てもらえないこと。また、心身ともにひ弱だと気づいてしまった少年の悲しさを想像するだけでつらくなりました。 エンドロールでは「こういった可能性があったかもしれない」という理想に触れ少し救われたのと同時に、どうやっても「理想でしかない現実」をさらに突きつけられている気がして複雑な気持ちになってしまいました…。 @ネタバレ終了 いろいろと考えさせられる良い作品でした。ありがとうございました。

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  • その恋、終焉につき。
    その恋、終焉につき。
    シリーズを重ねるごとにキャラクターにどんどん愛着がわく、素晴らしい作品でした。 感謝を込めて、個人的にお気に入りの二人を。 ありがとうございました。

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  • Last Song-ラスト ソング-
    Last Song-ラスト ソング-
    とても心惹かれる設定と素敵なタイトル画面を見て、プレイしました。 すんなりと情景が思い浮かぶようなスラスラと読める文章に、きれいで魅力的な立ち絵、…そして特筆すべきはボイスの素晴らしさでしょうか。 情感のこもった演技力はさもありなん、聞いていて同一人物が演じているとは思えない演じ分けに驚きました。 特に作者さんの男性ボイスの素晴らしさと言ったらもう…。 メイドのシャルと作曲家のユリアス、二人の関係性が儚くも美しく、開始早々物語に強く引き込まれました。 そして気付けば、シャルと同じく「ユリアスには死んでほしくない」と強く願う自分がいました。 @ネタバレ開始 序盤から気になっていたユリアスの死の理由、途中で明かされる真実に面食らいました。 そしてヤクモの素敵すぎるビジュアルとボイス!ちょっと和風なお洋服も最高です…! 死についての真実を知ってから、「読み進めるのが怖い。けれど続きが気になる」という複雑な気持ちでプレイしました。 明かされるユリアスの願い。ユリアスとシャル、それぞれの想いが理解できるからこそ、強い悲しみと感動の感情に襲われました。 最後の演奏会の一枚絵が表示されるシーンがとてもとても美しく、「この時が永遠に続けばいいのに」と願わずにはいられませんでした。 クリア後のタイトル画面…、どれだけ悲しませるんですか!もうやめてください!(号泣) @ネタバレ終了 「ただひたすらに、儚く悲しく美しい」、そんなお話でした。 ありがとうございました。

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  • 酒は飲まねど呑まれている
    酒は飲まねど呑まれている
    「面白い」という前評判を聞いていたことと、とても興味惹かれるあらすじを読み、プレイしました。 ドット絵&アニメーションをはじめとした、一目でわかる作り込んだグラフィック…作者さんのセンスの良さとこだわりを強く感じました。 先輩に飲ませるお酒の種類が豊富で選ぶだけでも楽しかったですし、酔いが回ってくるのとともに先輩が饒舌になるところが妙に現実味があってよかったです。 酔った状態で、うつらうつらしている先輩のアニメーションがかわいくて、つい強いお酒を飲ませたくなってしまいました。 あと、先輩と後輩の(いい意味で)だらっとした、ありふれた会話も好きでした。TIPSの読みごたえも充分で、満足度が高かったです。 @ネタバレ開始 会話のところどころに不穏なワードが含まれていたので「?」と思いながら読み進め、最後…してやられました。 二周目に入ってからは先輩にひたすらお酒を飲ませ、会話することになります。 しかし作業感は一切なく、常に新しい話が聞ける&先輩の酔いをリセットできるのでストレスはありませんでした。 おそらく二周目以降に解放される話の中で回想に移るものがいくつかあり、断片的にではありますが先輩と後輩のエピソードが垣間見られるのが、二人の思い出を追体験しているようで結構好きでした。 回想時の会話を読み返せる機能があれば、考察の余地が増えてなおよかったのかな、と思います。 「end2」を見た感想ですが…、たまに会話がかみ合わなかったことや、「たくさんの後輩」というED名から推察するに「あぁ、そういうことなのだろうな」という何とも言えない気持ちにさせられました。 受け取る人によって感じ方が変わるかと思いますので、みなさんの感想が知りたくなる作品ですね。 @ネタバレ終了 グラフィックの見せ方など、演出面でも大変勉強になる作品でした。 ありがとうございました。

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  • エフェメラは軌跡を描く
    エフェメラは軌跡を描く
    万引き未遂をした少女が青年に捕らえられ、あれよあれよという間に宇宙ステーションに連れていかれる…。 かなり短いプレイ時間の中に様々な出来事が発生する導入ですが、まったくついていけない(置いてきぼりになる)ということはなく、むしろ強い興味をそそられました。これは作者さんの力量によるものでしょうか…。 また複雑な説明をするシーンでは、画像を使用されていたので、わかりづらかったり混乱することもありませんでした。 作者さんがイラストを日々練習され、お上手になっていく様子は目にしていましたが、今回ゲームをプレイして、上達されているのが手に取るようにわかりました。本当に素晴らしいです…! 一枚絵がとっても素敵で、表示されるたびにメッセージウインドウを消して見入ってしまいました…。 シェイドさん、見目麗しいのはもちろん、基本的に丁寧な口調なのですが、一人称が「俺」なのが個人的にツボでした。 あと、嬉しそうな顔でギュードンを食べるチガヤちゃんのかわいさと言ったらもう…。こちらまで笑顔になりました。 レイスくんの(良くも悪くも)場をかき乱すキャラクターも、作中のスパイスになっていて良かったです。 @ネタバレ開始 日々を過ごしていく中で、少しずつシェイドさんに惹かれていくチガヤちゃんの揺れ動く気持ちが手に取るようにわかり、いつの間にか心の中で彼女の恋を応援している自分がいました。 「最終的に二人が結ばれる」というような終わり方ではありませんでしたが、これからの二人の未来を想起させるような明るい結末で、私好みのいいエンディングでした…。 @ネタバレ終了 これからもどんどん成長し、パワーアップされるであろう作者さんの作品を楽しみにしています。 ありがとうございました。

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  • Operation‡Nova
    Operation‡Nova
    進捗を見守っていた作品ということもあり、わくわくしながらプレイしました。 作者さんのゲームに登場する女の子は、的確に私の好みを突いてくるのですが、今回も例にもれず、二人とも個性的でかわいかったです!! アイナは終始ハイテンションの明るい子で、ちょくちょく挟んでくるパロディネタがおもしろくて、つい声に出して笑ってしまいました。 それとノアは、見た目も性格も私好みの女の子だったので、プレイしながら「ヤッベメッチャカワイイ」となりました! 今回もオリジナルのBGMが作品にマッチしていて良かったです。 特に、散策時のBGMがかっこよくて最高でした!作者さんがお気に入りなのも納得です! ところどころに漂う不穏な雰囲気、ちょっと訳ありげなアイナの反応…。 ノアの正体に感づいていたこともあり、「絶対に何かある!」と思いながら読み進めていましたが、一周目がとても興味惹かれる終わり方だったので二周目がとても楽しみになりました。 @ネタバレ開始 そして二周目。ノアの正体、世界の真実、それらを知るたびに引き込まれていく自分がいました。 「True End」に入ってからは作者さんの真骨頂というかなんというか…。一度タイトル画面を表示してからの再開だったり、演出のすべてが本当に巧みで鳥肌ものでした。 最後に見られるアイナの一枚絵、めちゃかわで眼福でした!ED曲も好きです…(告白) @ネタバレ終了 序盤の明るい雰囲気も、それが崩れて段々と不穏になるのも、終盤の感動のラストも、どれも素晴らしい作品でした! ありがとうございました。

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  • はじめましてボクのカノジョ
    はじめましてボクのカノジョ
    選択肢によって変化するシナリオ、エンディングで最後まで楽しくプレイしました。それほどプレイ時間も長くないので、手軽に遊べます。 美麗なイラスト、すっと入り込んでくる心地よいシナリオ、序盤から不穏な空気が漂う物語で、真相を知りたいという一心で読み進めました。 最初の所感としては「カノジョがストーカーで主人公に付きまとっているのだな」というものでしたが(おそらくほとんどの人がそう思うはず)、それをいい意味で裏切ってくれました。…真相は一つだけだと思いきや、エンディングによってカノジョとの関係性や会話まで変化するところが好印象でした。 見るエンディングによってゲームタイトルやタイトル画面に抱く印象が変わるのも面白かったです。タイトル画面のイラストは、恐怖に震えておびえているようにも見えるし、主人公の境遇を哀れんで泣いているようにも見える。そういう細かい作り込み、雰囲気作りがうまいなと思いました。 @ネタバレ開始 一番好きなエンディングはEND6です。読後感も爽やかで、切ないながらも温かい気持ちになりました。 ですが、実は主人公が犯罪者だったという真相のEND2も面白いものでした。特に「思い出せない」選択肢を選んだあとの演出にはぞわっとさせられました。 END4の終わり方も明るく前を向けるような内容で良かったです(要するにみんな好き)。 @ネタバレ終了 構成や演出など細かい部分まで作りこまれた作品でした。ありがとうございました。

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