淡蒼9のレビューコレクション
-
母標かなり前に一度プレイさせていただいていましたが、感想を投稿する前に改めて遊ばせていただきました。 ホラー要素控えめとありましたが、2週目でもかなり怖かったです。何ならタイトル画面が既に怖い! 概要に社会派とあるように、日本の社会制度やネットリテラシー、性教育の不足など様々な問題提起が短い中にギュッと詰め込まれた作品でした。 クリア後には怖さよりも何とも言えないもの哀しさを感じるのも、そういった一面によるものが大きいのかと思います。 ただ、ホラーとしてもしっかり怖かったです。(二回目) @ネタバレ開始 産婦人科領域においては、中絶問題だけでなく子宮頸がんワクチンの接種率や高齢出産の増加など、他にも抱えている問題は多いと思います。 私が大学で講義を受けた産婦人科の先生方なども、皆さんどうにかしたいという思いを持って働いているのが伝わってきたのを覚えています。 実際、作中の黒峰さんのような環境に置かれている方というのは実在すると思うので、このお話がフィクションの中だけのものになるといいな、と思いました。 (ビビりマンとしては、こんな恐ろしい幽霊が実在されるのも困りますしね……) とりあえず、ネットの情報を鵜呑みにするの、ダメ。ゼッタイ!! @ネタバレ終了
-
交響曲第十番「融合」自分は交響曲もよくわかってないような人間なので、この作品の持つ優れた芸術性だとか文学的な何かだとかについて、それらしいことを語ることはできないのですが、それでもプレイ後にこの壮大なテーマについて思いを馳せる程度には十分に余韻を感じられました。 (とか言いつつプレイ後真っ先にやったのは遺伝形式についての考察でした) @ネタバレ開始 雨の描写でなるほどな~となり、さらに英語の歌でなるほどな~となり……そうなってくると冒頭のアインザッツもなんだか深い感じがしてきます。 してきただけでちゃんとした定義を知らなかったので、改めてググってみますと『長い休止ののち再度演奏を始めること」なんて書いてるサイトもありました。なるほど、深いなあ。 そしてまさかのread me。この余韻の後にモンティ・ホール問題で再度ググる羽目になるとは思ってもおらず。なんて勉強になるんだ……! @ネタバレ終了 感動できて知識も豊かになれるとても素晴らしい作品でした。
-
終生列車サムネに引き付けられてプレイしました。 開始早々終生ちゃんのかわいさにノックアウト。 やめてくれ終生ちゃん、その衣装は俺に効く。 特にスカートからすらりとのびたおみ足が素晴らしいです。ありがたや~。 なんか終生ちゃんのことしか話してませんが、4編のお話もしっかりとホラーしていて大変満足できました。 UIも細かいところまで凝っていてとってもオシャレ! @ネタバレ開始 個人的には3話目、この世界のクソったれ!が一番印象に残りました。 お話自体もですが、最後の一枚絵が最高にかっこいいです。 これだけでなんか映画のポスターとかに使えそうなクオリティじゃないでしょうか? エンディングは意外にエンド2が好きです。というか自分ならこの選択をするかな~と。ずっと孤独だった終生ちゃんにはこれから二人仲良く笑顔でいてほしいですね。 @ネタバレ終了 そんなわけで終生ちゃんのファンアートを描かせていただきました。 ヘタレなのでおみ足は描けませんでした。無念。 次回作も楽しみにお待ちしております!
-
混同仮面滅茶苦茶笑いながらプレイさせてもらいました! @ネタバレ開始 己の欲求に正直すぎるヒーロー混同仮面も、見境なく女の子にアレをブチ込みまくる青年も、口を開けば最初から最後まで下ネタのオンパレード。 日常会話に上手いこと下ネタを紛れ込ませる手口は、某美少女ゲームを彷彿とさせるものがありました。 そのセンスにはただただ感服するばかりで、自分もこれくらい上手いこと言えるようになりたいです。 ミニゲームもストレスにならない程度の適度な難しさで最後まで楽しめました。(青年は10回くらいお見舞いに行きましたが) バッジの獲得方法もこういうのもあるのか!と感心させられました。 効果音のタイミングがしっかりリンクしててとても気持ちよかったです。 @ネタバレ終了 内容はおふざけ99%(と1%の哲学)ですが、手描きのオープニングアニメーションだったり細部でしっかりニチアサの雰囲気を再現していたりと、手間暇かかっていることが随所から感じられるつくりでした。特にアニメはすごい!! まだまだ書きたいことは沢山あるのですが、そろそろ塾の時間なので中断します。面白かったです!
-
魔法少女にうってつけの日魔法少女みつあしと仲間たちが迫りくる敵に立ち向かっていくお話……と書くとなんだか真面目そうな話に思えますが、実際は頭からポピーが生えてるしお互い戦う理由もわかってないしあんこは不憫だし。 独特のテンポと世界観と回転力が癖になる作品です。 なんとも力の抜ける素晴らしいイラストももちろんですが、妙に耳に残るどこか懐かしいBGMや、周回ごとに微妙に変わってたりするテキストなど、丁寧に作られているのが随所で感じられました。 最後の集合イラストとかちょっと感動してしまいましたしね。なんでだろう? そして何よりも、敵サイドのウートレイマさんがすごく良かったです。 悪役なのにかわいくて頑張り屋で面倒見が良くて、おまけにスタイルも良い。完璧です。すき。 そんなわけで(?)、ファンアートとして作中でも大活躍したあの超重要キャラの面々を描かせていただきました。 IQ720は伊達じゃないぜ!
-
ヤドカリ皆様触れられていますが、シンプルかつ興味を惹かれるタイトルのつけ方が秀逸な作品です。 地の文というか、綾斗君の語りが軽妙で個人的に凄い好みでした。 読んでいるだけで楽しい文章というのはなかなか出会えないので、読み進めるのが楽しかったです。 個性的で魅力的なヒロイン達や簡潔でわかりやすい状況説明、絶妙なタイミングで挟まれる演出。 そして何より学園ラブコメから徐々に不穏な雰囲気になっていくと同時に浮かんでくる“ヤドカリ”という謎の存在……。 この辺りのバランスがとても上手でぐっと物語に引き込まれました。 @ネタバレ開始 変なところで勘がいいのか性格がひねくれているのか、もしやヤドカリの正体は伊澤くんじゃでは?というのは思いついたのですが、 そうなった場合の羽鳥さんやえみちゃんの言動の意味がわからず、犯人ではないんだろうなとは思いつつも、じゃあ何?というのがわからず。 考えてもわかりそうもなかったので、結局は思考を放棄してただ彼らの結末を見守る感じになっていました笑 結果的に予感は当たってましたが、もう一人のヤドカリというのは思いもつきませんでした。 なるほど、過去の回想はそういう事だったのか! それにしても、両手に花のクラスメイトの陰でひっそりと退場していった伊澤君が不憫すぎて……。 君のことは忘れないよ、伊澤君。 @ネタバレ終了 短い中にもいろんな要素が盛りだくさんの、素晴らしい作品でした。 ありがとうございました!!
-
パーソナル・スペースとっても綺麗で、とっても残酷なお話でした。 宇宙の持つ美しさとロマン、過酷さや無慈悲さがしっかりと物語に落とし込まれていたと思いました。 構成についても、時系列をバラバラにしているにもかかわらず、場面の移り変わりをシンプルにしていたり、途中で整理してくれたりといった配慮のおかげか、あまり混乱することなく読み進めることができました。 凝っていながら洗練されたグラフィックやシロエ達のイラストも美しいです。 @ネタバレ開始 シナリオについて、私が感じたことは1文目でほぼ言ってしまっているんですが、安直にハッピーエンドにしていないところが、宇宙という空間のリアルという感じがしました。 シロエやラズリ、クロハたちの生涯は幸せなことばかりではなく、特にシロエ達はむしろ過酷な境遇といっても良いものだったはずなのに、本人たちなりに満足して終わりを迎えられたように思います。 しかし、それを第三者目線で見ている私からすれば、それは本当に幸せといって良いのだろうかと、つい考えてしまってどうしようもなく悲しくなってしまいました。 一方で、そんな状況で精一杯輝いた彼女たちだからこそ、きっと綺麗な星になって線で結ばれることができて、そして宇宙はそんな星たちが無数に集まってできているのだと思うと、こんなにロマンがあることはないとも思うのです。 クリア後は、そんな相反する気持ちがぐるぐるして、胸がいっぱいになってしまいました。 ……なんだかカッコつけた様なことを書いてしまいましたが、SFの醍醐味を十二分に味わえる素晴らしい作品でした。 前年グランプリというプレッシャーは並大抵のものではなかったかと思いますが、その中でこんなにも素晴らしい作品を作り上げたこと、本当にすごい事だと思います。尊敬です! @ネタバレ終了 感動のひと時をありがとうございました!!
-
タイトル無し私がいろいろ書いてもこの洗練された感じを表現できなさそうなので、簡潔に行こうと思います。 これはすごい!!! 終始何かを訴えかけられている感じ、というのでしょうか。 私が今まで触れたことのないタイプの作品であることは間違いないと思います。 色々考えさせられる貴重な体験でした。ありがとうございました!!
-
ミラーリングサマー最近寒くて仕方ないので、夏の雰囲気に引き寄せられるようにプレイしたのですが(笑)、予想を超えた重厚なお話でした。 物語序盤からちりばめられる違和感の数々を怒涛のように解決していくラストは圧巻の一言です。 どこをとっても切り捨てられないほどの無駄のない美しいシナリオだと思いました。 @ネタバレ開始 夏という爽快感のある季節とは裏腹に、扱っているテーマが重く、そのギャップに驚かされました。 しかしそれでいて鬱々となりすぎないのは、個性豊かなキャラクターの軽快なやり取りによるところが大きいのかと思います(特に美蘭ちゃん良い子!) それにしてもやはり本作の最大の特徴はその伏線の量とそれらの完璧な回収だと思います。 叙述トリックを交えながら何重にも秘密を張り巡らせていることで真実を巧妙に隠していますが、これらが相乗効果を生むことで推側が格段に難しかったです。 個人的に似たテーマに触れることが多かったためか、夏通の職業や朋樹の性同一性障害辺りはもしかしてと思っていたのですが、それありきで考えてしまうことで逆に他の秘密に目が向かなくなってしまいました。 すべてが判明した後でわかる、全てがかっちりとはまる感覚は何物にも代えられません。 特に朋樹と七榎のミラーリングの構図はとても美しかったです。 @ネタバレ終了 最初から最後まで目が離せないドキドキのひと時をありがとうございました!
-
ヘブンズ・ロワイヤル -Frozen Butterfly-前作が素晴らしかったのでこちらもワクワクしながらプレイさせていただきました。 結果的に、期待を裏切らない「らしさ」は残しつつも、ナルガとルーシーの関係という新たな要素も加わってとても満足度の高い作品でした! @ネタバレ開始 前作であらかた天使は倒してしまっていたのでどうなるのかなと思っていたのですが、負けじ劣らず癖の強い「彼」が出てきて一安心(?)。 ナルガの戦略もより冴えわたり、この男ならやってくれるという安心感が凄かったです。 そのナルガも、壮絶な過去の全貌が明らかになるにつれて感情移入もしやすくなり、より好感の持てるキャラになったと思います。 まあ、序盤であっさり前世の因縁の相手を葬ってしまうあたり流石だなって感じではあるんですが。 ルーシーは前作と比べてだいぶ乙女感が増して可愛くなったなあという印象でした。素晴らしい。 気がかりだったカルラの件もちゃんと和解できて本当に良かったです。 それにしてもバルカくん聖人過ぎません?危ない扉が開きそうになったので頑張って閉じました。 @ネタバレ終了 今回で目先の問題はほぼケリがついた気がしますが、設定的にまだ話を広げられそうな気もしているので、さらなる続編もこっそり期待しています。 ありがとうございました!!