hrmstのレビューコレクション
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ヤドカリ皆様触れられていますが、シンプルかつ興味を惹かれるタイトルのつけ方が秀逸な作品です。
地の文というか、綾斗君の語りが軽妙で個人的に凄い好みでした。
読んでいるだけで楽しい文章というのはなかなか出会えないので、読み進めるのが楽しかったです。
個性的で魅力的なヒロイン達や簡潔でわかりやすい状況説明、絶妙なタイミングで挟まれる演出。
そして何より学園ラブコメから徐々に不穏な雰囲気になっていくと同時に浮かんでくる“ヤドカリ”という謎の存在……。
この辺りのバランスがとても上手でぐっと物語に引き込まれました。
@ネタバレ開始
変なところで勘がいいのか性格がひねくれているのか、もしやヤドカリの正体は伊澤くんじゃでは?というのは思いついたのですが、
そうなった場合の羽鳥さんやえみちゃんの言動の意味がわからず、犯人ではないんだろうなとは思いつつも、じゃあ何?というのがわからず。
考えてもわかりそうもなかったので、結局は思考を放棄してただ彼らの結末を見守る感じになっていました笑
結果的に予感は当たってましたが、もう一人のヤドカリというのは思いもつきませんでした。
なるほど、過去の回想はそういう事だったのか!
それにしても、両手に花のクラスメイトの陰でひっそりと退場していった伊澤君が不憫すぎて……。
君のことは忘れないよ、伊澤君。
@ネタバレ終了
短い中にもいろんな要素が盛りだくさんの、素晴らしい作品でした。
ありがとうございました!!
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パーソナル・スペースとっても綺麗で、とっても残酷なお話でした。
宇宙の持つ美しさとロマン、過酷さや無慈悲さがしっかりと物語に落とし込まれていたと思いました。
構成についても、時系列をバラバラにしているにもかかわらず、場面の移り変わりをシンプルにしていたり、途中で整理してくれたりといった配慮のおかげか、あまり混乱することなく読み進めることができました。
凝っていながら洗練されたグラフィックやシロエ達のイラストも美しいです。
@ネタバレ開始
シナリオについて、私が感じたことは1文目でほぼ言ってしまっているんですが、安直にハッピーエンドにしていないところが、宇宙という空間のリアルという感じがしました。
シロエやラズリ、クロハたちの生涯は幸せなことばかりではなく、特にシロエ達はむしろ過酷な境遇といっても良いものだったはずなのに、本人たちなりに満足して終わりを迎えられたように思います。
しかし、それを第三者目線で見ている私からすれば、それは本当に幸せといって良いのだろうかと、つい考えてしまってどうしようもなく悲しくなってしまいました。
一方で、そんな状況で精一杯輝いた彼女たちだからこそ、きっと綺麗な星になって線で結ばれることができて、そして宇宙はそんな星たちが無数に集まってできているのだと思うと、こんなにロマンがあることはないとも思うのです。
クリア後は、そんな相反する気持ちがぐるぐるして、胸がいっぱいになってしまいました。
……なんだかカッコつけた様なことを書いてしまいましたが、SFの醍醐味を十二分に味わえる素晴らしい作品でした。
前年グランプリというプレッシャーは並大抵のものではなかったかと思いますが、その中でこんなにも素晴らしい作品を作り上げたこと、本当にすごい事だと思います。尊敬です!
@ネタバレ終了
感動のひと時をありがとうございました!!
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タイトル無し私がいろいろ書いてもこの洗練された感じを表現できなさそうなので、簡潔に行こうと思います。
これはすごい!!!
終始何かを訴えかけられている感じ、というのでしょうか。
私が今まで触れたことのないタイプの作品であることは間違いないと思います。
色々考えさせられる貴重な体験でした。ありがとうございました!! -
ミラーリングサマー最近寒くて仕方ないので、夏の雰囲気に引き寄せられるようにプレイしたのですが(笑)、予想を超えた重厚なお話でした。
物語序盤からちりばめられる違和感の数々を怒涛のように解決していくラストは圧巻の一言です。
どこをとっても切り捨てられないほどの無駄のない美しいシナリオだと思いました。
@ネタバレ開始
夏という爽快感のある季節とは裏腹に、扱っているテーマが重く、そのギャップに驚かされました。
しかしそれでいて鬱々となりすぎないのは、個性豊かなキャラクターの軽快なやり取りによるところが大きいのかと思います(特に美蘭ちゃん良い子!)
それにしてもやはり本作の最大の特徴はその伏線の量とそれらの完璧な回収だと思います。
叙述トリックを交えながら何重にも秘密を張り巡らせていることで真実を巧妙に隠していますが、これらが相乗効果を生むことで推側が格段に難しかったです。
個人的に似たテーマに触れることが多かったためか、夏通の職業や朋樹の性同一性障害辺りはもしかしてと思っていたのですが、それありきで考えてしまうことで逆に他の秘密に目が向かなくなってしまいました。
すべてが判明した後でわかる、全てがかっちりとはまる感覚は何物にも代えられません。
特に朋樹と七榎のミラーリングの構図はとても美しかったです。
@ネタバレ終了
最初から最後まで目が離せないドキドキのひと時をありがとうございました! -
ヘブンズ・ロワイヤル -Frozen Butterfly-前作が素晴らしかったのでこちらもワクワクしながらプレイさせていただきました。
結果的に、期待を裏切らない「らしさ」は残しつつも、ナルガとルーシーの関係という新たな要素も加わってとても満足度の高い作品でした!
@ネタバレ開始
前作であらかた天使は倒してしまっていたのでどうなるのかなと思っていたのですが、負けじ劣らず癖の強い「彼」が出てきて一安心(?)。
ナルガの戦略もより冴えわたり、この男ならやってくれるという安心感が凄かったです。
そのナルガも、壮絶な過去の全貌が明らかになるにつれて感情移入もしやすくなり、より好感の持てるキャラになったと思います。
まあ、序盤であっさり前世の因縁の相手を葬ってしまうあたり流石だなって感じではあるんですが。
ルーシーは前作と比べてだいぶ乙女感が増して可愛くなったなあという印象でした。素晴らしい。
気がかりだったカルラの件もちゃんと和解できて本当に良かったです。
それにしてもバルカくん聖人過ぎません?危ない扉が開きそうになったので頑張って閉じました。
@ネタバレ終了
今回で目先の問題はほぼケリがついた気がしますが、設定的にまだ話を広げられそうな気もしているので、さらなる続編もこっそり期待しています。
ありがとうございました!!
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ヘブンズ・ロワイヤルずっとやろうやろうと思っていながらなかなかできていなかったのですが、、続編が出たこともありようやくプレイいたしました。
ボリュームたっぷりのシナリオはもちろんグラフィックも大変素晴らしかったです!
@ネタバレ開始
プレイして驚いたのはその殺伐さでした。
タイトルにロワイヤルとあるので当たり前と言えば当たり前なのですが(笑)、登場キャラのイラストが美麗なこともあり、なんとなくもう少しマイルドなものを勝手に想像していたので、容赦なく参加者が退場していってビックリしてしまいました。
ただそれは決して悪い意味ではなく、ストーリーが進むにつれて新たな強敵をどうやって倒すのだろう?とワクワクしながら読み進められました!
また、その敵である天使たちもどこか憎めないキャラばかりで、ナルガとルーシーの二人には頑張ってほしいけれど、天使達もやられてほしくないという板挟みに苦しむことになってしまったり……。
個人的にはメタトロンが妙に気になります。性格はアレなのにサンダルフォンを案じる気持ちは本当なところとかに、同じ兄として何か琴線に触れるものがあったのかもしれません……。
@ネタバレ終了
全てにおいて高水準な渾身の作品だと思いました。ありがとうございました! -
現代都市怪奇録楽しくプレイさせていただきました!
ホラーの短編集って、なんだかワクワクしますよね。
学校、電車、病院などの定番をきっちり抑えつつ、イマドキな要素を盛り込んだお話など、まさに「現代」の怪談という感じでした。
どの話も適度に手に汗握る感じがとても良かったです。(本当に怖すぎるとそれどころじゃなくなるので笑)
ありがとうございました!
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鈴の隠音とてもクオリティの高いホラーでした。
得体のしれない恐怖に付きまとわれる、じっとりとした感覚を存分に味わうことができました。
普通の人よりはグロ耐性というか、エグい描写も平気なつもりではあったんですが、それでも随所で「うっ」となった部分もありまして、
そういう意味では、このレベルの話は中々無いので刺激的でした!
EDもかなりの名曲で、物語の終わりを見届けた達成感もひとしおです。
素晴らしい作品をありがとうございました!
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ファントムゾーン クリプトファシア個性つよつよの登場人物たちが印象的な作品です。
オカルト×近未来というのはあまり触れてこなかったので新鮮でした。
凝った演出や、プレイヤーに対する能動的なつくりがそんな世界観への没入感を高めてくれます。
始めは双子が得体のしれないものに感じてしまうのですが、進めていくうちに彼らの人間的な部分がわかって来て、終わるころにはすっかり好きになってしまいました。ピンチに直面しても微妙に冷静なところが良いです。
しかもなんだかこの双子には私の絵心をくすぐる何かがあるようで、欲望を抑えきれず描いてしまいました。
たぶんファントムゾーンのせいだと思います。(?)
面白い作品をありがとうございました!
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空の果てからこんにちはめちゃめちゃ面白かったです!!
最初から最後まで、一気にプレイしてしまいました!
セカイ系とかSF系のギャルゲとか好きな人にはぶっ刺さるんじゃないでしょうか。
少なくとも私にはぶっ刺さりました。
本作の特徴はやはりその大胆な発想だと思います。
立ち絵から世界設定に至るまで、いやはやよく思いつくものだなあと感心してしまいました。
オープニングのムービーも高い完成度で、つかみもばっちり!
色々語るのでたたみます。
@ネタバレ開始
まず開幕、主人公の名前がド直球でひと笑い。
これに限らず、随所で見られるメタ発現やら下ネタやらも毎回笑わせてもらいました。
バッジ獲得画面でぶっちゃけてるのを見るのも何気に楽しみでした!
他の登場人物も、皆可愛くてにっこり。
特にリコちゃんはツボです。愛情表現が直球な幼馴染、いいよね……。
物語が進んでいくと徐々にそのよく練られた設定が明らかになっていきます。
個人的に他人様の作品に他作品を持ち出すことはあまりしたくないのですが、RPG好きの私は、「向かい合った世界からやってきた一人の女の子」という導入で思わずテイルズオブエターニアを思い出しました。あれは逆さまにはならないですけど。
それはまあさておき、軽快な掛け合いによって話は進んでいくわけですが、各ルートで少しずつ世界の秘密が明らかになっていきます。
物理法則の話なども絡めてその説明がされていきますが、こういったところで変に突っ込みどころを探すのは私は野暮だと思ってるので、なるほど~とか思いながらプレイしていました。ファンタジーですしね。
ちなみにファンタジーといえば、、端岬のイラストなんですが、BGMとも合わさることで最高にファンタジーって感じがして大好きです。
色々話がとっ散らかってしまいましたが、何より一番は「反転」してからのラストで、あれでもう全部やられました。
うまく言葉にできないんですが、trueというか、ああいうの大好きなんです。
直前badの辛い展開からあの流れはアツすぎました。
再会した後の話もとても気になります。バッチリ仕込んでたヒロサキ君は……えっと……内妻ってのもアリだと思うよ。←
@ネタバレ終了
書きたいことを支離滅裂と書いてしまいましたが、総じて高クオリティで、やってよかったと自信をもって言える作品でした。
ありがとうございました!!!