富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
-
最近の日常的不可思議 Monday LoopBGM、グラフィック、テキスト、全てのセンスが高い!(語彙!)ここでしか味わえない独特の世界観が完全に形成されていました。過去作はプレイしていなくても楽しめると思います。本作を先にプレイして気に入ったら過去作を遊ぶのもオツかもしれません。 まず作者さんこだわりのBGMですが、1周回って巷でブームともいわれるlo-fiですがこちら今回過去一で素晴らしいと感じました。いわゆるChillout系の曲でほぼ(全部?)統一されているため、日常がループしていて翌日に進めない状況とキャラクターたちのテンションとも非常にマッチしていて素晴らしかったです。なんだかプレイ中はアルファ波がまったり出まくっていたような気がします。 グラフィック表現も秀逸で画面エフェクトが曲調にピッタリ過ぎて驚きました。用意されているグラフィック点数も恐ろしいことになっており、サムネのように状況に応じて常に表示される画像が変わります。しかも画像は動いてます!BGMに凄く期待していたのですが、グラフィックも甲乙つけがたい素晴らしさでした。 テキストもこれまで通りのセンスの良いもの同士の心地よい会話が楽しめます。私は守備範囲外で3分の1も分かりませんでしたが、特に映画通の方は主人公が映画マニアなのでクスリとできるシーンが多いと思います。ループする日常の中で生活する3人の関係性とその変化も楽しめますし、想像に委ねられる部分もあるエンディングも良かったです。 瑛と理素も好きですが、美女二人に終始いじられながらも結構タフなミズミ君のキャラクターも地味に好きです。 あまりにセンスが高いゲームに触れると無粋な感想が躊躇われてしまう例のアレの感情が沸き起こって感想を投稿するのに時間がかかってしまいました。
-
絶対ギャグになる世界メチャクチャテンポ良く、初めから終わりまで濃密で楽しい時間が過ごせる素晴らしいゲームでした! いや、もうホント超短編作品なのに(だから?)注ぎ込まれた労力が半端ないです。あるある炸裂のOPから次から次へと表示される1枚絵の数々に驚愕です。躊躇いもなく次から次へと瞬間表示のようなスチルの数々は圧巻でした。 ボケツッコミなのかダブルボケなのか王道なのかシュールなのかも良く分からないカオスなギャグワールドが繰り広げられておりました。看板に偽りなく、確かに全てがギャグになる世界でした。興奮と感動に包まれました。 時折挟まれるアイキャッチが地味にかなりいい仕事していたように思います。
-
かご ~KAGO~どこでこんな設定思い付いたの!?という一作。 かごの誘惑に負けた後の展開が軒並み物凄く好きです。1枚絵とBGMとテキストの塩梅が堪らないです。ゲーム全編を通じて随分と笑わせてもらいました。EDもSo coolでした! @ネタバレ開始 プレイしているうちになんだかかごに入って頭を空っぽにしてみたくなりました。頭から真っ逆さまに入るやつを試してみようかと思っています。 @ネタバレ終了
-
占い師レイ様の助言一日一回運勢を占ってくれる占い師レイ様! 初めて会いに行ったときは普通の関係性だったのですが、気付けばもうお互いメロメロの甘々カップルに大変身しております。非常にアバンチュールです。基本的には3~5時台にしか会っていないので、朝からイチャイチャするやん!と思っていつも顔を覆った手の平の隙間から見ています。 激レアバッジが欲しくてフェス後は毎日欠かさず会いに行っているのでレイ様への愛着が自然ととても湧いています。バッキバキの腹筋が堪らない!激レアバッジをもらえるまではまだまだ長い道のりですので、もうしばらくはレイ様との日々が続きそうです。
-
幸福の王子と小さなツバメ有名な童話をモチーフにしたゲームでした。原作と同様に自分を顧みないほど心優しい王子とツバメの物語でした。 ほど良く選択肢が設けられていて様々な展開を楽しめましたし、最後に見られるEDでは心が温まりました。タイトル画面で分かる通りイラストがとても温かみがあって綺麗です。
-
Healing Place幼なじみの2人の関係性が丁寧な描写で描かれており、2人の真っすぐな感情が印象的でした。 女の子の方の考え方、とても分かる気がしました。 @ネタバレ開始 付き合い始めてももしかしたら同じようなことを思ってしまわないかと少し心配しました。 @ネタバレ終了 「くそー!リア充爆発しろー!」と何度も脳裏をよぎりつつ、地団太を踏みながら楽しくプレイさせて頂きました。ごちそうさまです!!
-
水辺のカマキリ起動時からおっ!となる演出で期待が高まりました。 冒頭の設定からして物凄くそそられました。人間関係が濃密な田舎で少し良いところの家に生まれた主人公が亡くなった妹の死の真相を見つけたり見つけなかったりというストーリー。 探索ゲームが始まった時は探索要素あるの!となりました。NORMALでプレイしたので必要な箇所が明示されていて助かりました。探索モードの後は個別の対話も少し凝ったシステムになっていて楽しめました。 演出面では2か所おおっ!となりました。 @ネタバレ開始 1つはノエル氏との対話シーンで、あのシーンは感情がだいぶ揺さぶられました。というかビビりました。もう1つはラストの巻き戻り演出です。これは凄く好物なので、綺麗に実装されていたなと思いました。 @ネタバレ終了 ラストまでプレイすると登場人物の思惑や感情がくっきりと浮かび上がってきてなんとも言えない感情が残ります。亡くなった妹の気持ちを思うと胸が締め付けられますね。。。
-
テスト返しプレイ前はカエル先生のグラフィックから全くストーリーが想像できませんでしたが、とても構成がしっかりしている短編作品で、最後はとても感動しました。 初プレイではうっかりするすると進めて最後まで行き着いてしまいましたが望ましい結末にたどり着けず、紹介文を参考に様々なEDを見に行ったところカエル先生のリアクションの面白いこと。こりゃダメだろ!という選択肢を選ぶ度に適切に突っ込んでくれる先生が楽しいです。 終盤で明らかになる真相と演出も非常に素晴らしかったです!
-
レインズレンジとても面白かったです! 序盤から徐々に状況が、世界が明らかになっていくタイプのゲームなので細かい話は全てネタバレ回避のため割愛しますが、演出やゲームシステムに凝っていて読後感も良かったです。 まず開始直後、主人公とレインのやり取りを見ながら、なぜだか変わったお惣菜パンを売っているパン屋に行って変なパンを買いたい衝動にかられました。しばらくプレイしていると、パンのくだりに一段落した頃から徐々にこの世界、そして自分の正体についての真実が明らかになってきます。 個人的に大好きな @ネタバレ開始 ディストピアSFモノでしたし、荒廃した世界の中で徐々に終末に向かいながらも自由を満喫する主人公とレインの関係性が非常に良かったです!最後のスチルなんてもう素晴らしい1枚でした。 @ネタバレ終了 感想の始めにも書いた通りゲームシステムや演出もとても良かったですし、グラフィックは六夏さんが担当しており、さすがのクオリティでした。 どうでも良い話ですが、 @ネタバレ開始 振り返ると冒頭のパンのくだりはレインがAIだということを強調する=早いタイミングで認識させるのには適した演出だと思いましたが、プレイ中は先に本を読むべきであることに気付かず、これはどう見てもリンゴパンだ!アップルパンだ!違うの?じゃあアポーパンだ!などと無駄な時間を過ごしてしまいました。いい思い出です。 @ネタバレ終了
-
ウソと宝と姪、探偵!?非常にプレイヤーへの配慮を感じる、とても丁寧に作られた一作です。面白かったです。 まず初めにシステム面、フォント、文字サイズなど、極めて視認性や操作性が良いです。文字表示の配慮に関しては作者さんの右に出る者はいないと思います。外乱要因をなくし、ちゃんと文章に集中してほしいという気持ちの現れだと感じました。 ベースは謎解きゲーで、ゲーム中にいくつかの謎を解いていくことになります。この謎、私はノーヒントで全て解けましたが(ドヤ顔)、セーブして確かめたところほどよいヒントあり、解けなくても進むこともできと、非常にユーザーフレンドリーな作りとなっていました。 ちょっと甘すぎるようにも感じましたが、その理由もプレイしていて納得がいきました。謎解きがメインのようでいて、メインはストーリーそのものだ!といった具合です。様々な目の前の謎解きを進めていきながらもきちんと依頼人やその周囲の状況にも目を配り、真相を暴くだけでなく関係者をより良い方向に持っていく、最高の叔父さんだ! あとがきも興味深く読ませて頂きました。私は敢えて待つ派です!