富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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SweetSweetSuicide唯一無二の魅力を放つ甘くメルヘンなイラストに惹かれてプレイしました。が、タイトルで連呼?しているように甘いだけではなく、ストーリー展開は非常にビターな味わいでした。とはいえそのギャップこそが大きな魅力を生んでいると感じられました。イラストにビビッときた方は是非!
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因果律 Inside The Memory完全なるクローズドサークルな状況で巻き起こるサスペンス&ミステリー展開が楽しめました。ストーリーは序盤から緊迫の展開が続きますし、過去の因縁も大きく絡んできます。 フルボイス&立ち絵が動きまくり、探索パートあり、謎解きあり、推理あり、決断シーンありととてもゴージャスな作りでした。エンドは全6つで、非常に振れ幅が大きいと感じました。分岐条件は丁寧な解説サイトがあるので、へっぽこ探偵でも安心です。ありがたい。 私は前作プレイ済ですが、本作1つで「前作の続きから」と「ストーリーの冒頭から」とどちらでも遊べるので、本作から遊んで全く問題ないです!
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宇宙をゆく僕と猫とても面白かったです!ディストピアSFは大好きなジャンルなのですが「ほのぼのとは?」と思いながらプレイしましたが、確かにこれは間違いなく「ほのぼのディストピアSFノベル」でした! ほのぼのの立役者は間違いなくネコちゃん。そもそもの主人公の性格と生活環境からして、ネコちゃんなしでは生きていけないくらい貢献度の高い癒しの存在です。一方、ディストピア部分の設定はかなりリアリティがありました。正義や効率性やAIが行くところまで行きついたらこうなるよなぁという納得感が相当に感じられました。マザーやシスターはその設定だけでなくネーミングセンスも素晴らしいな、と。 ゲーム全体のストーリーは主人公の成長物語としてもディストピアSFとしても非常に面白かったです。シナリオには意外性と納得感が同居していて、心から楽しめました。トゥルールートの展開も好きですが、ノーマルエンドのルートの驚きと言ったら!その後のタイトル画面の演出を含めてこれが非常に痺れました。
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Es-エス-「きりっとおめめの美少女委員長と放課後おはなしするだけのゲーム」とのことですが、その裏であんなことやこんなことが起きている、というとても凝ったお話です。放課後の雑談とその後の下校シーンだけでほぼストーリー進行がなされている構成や演出が光ると感じました。また、ストーリーにリアリティを与える委員長のキャラデザ・グラフィックが素晴らしいです。ミステリアスな存在感が凄いです。 分岐EDを自力で回収するのはかなり厳しそうだと感じたため、攻略情報の存在が非常にありがたかったです。やはり彼女の存在感は格別で、どのEDを迎えるにしても人生そのものに大きな影響を与えるんだなぁ、と。クリア後に見られるおまけの情報もお気に入りです。様々な事実を裏付ける情報群のおかげで読後感がより味わい深いものになりました。
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Ĉi tio estas…-人間改良計画-インパクト絶大かつ洗練されたゲームシステムが非常に魅力的なゲームでした。面白かったです! 「ハンコを押すだけの簡単なお仕事」と「ディストピア系新人間選択」の単語がなかなかつながらなかったのですが、この点はプレイすれば一目瞭然です。なんてショッキングながら魅力的な世界観なんだ!と思いました。お仕事時の資料群のセンスが抜群過ぎて、視覚的に感情をぶっ刺されました。 ED分岐については特殊かつ法則を見つけるのが難しそうだったので、作者さんの攻略サイトを参考にさせて頂きました。あるとないとじゃ大違いなのでとてもありがたかったです。オリジナリティに溢れるゲームですので、とてもオススメです!
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なぎともーふぃんぐ!あらすじの通りかなり追い詰められた状況でゲームが始まります。あらすじの段階で「最期を看取ろう」と書かれているのが辛いです。。行動選択の結果は完全に医師の言いつけ通りなので、結末に対しての全責任はプレーヤーにのしかかります。辛い。なお、全4EDあってそのうち1つがトゥルーエンドなのですが、いずれも正史のような印象深い味わいがあります。とはいえやはりあったかもしれない他のED群に比べるとトゥルーエンドが一番業が深いです。 究極の選択を突き付けられる、とても印象的な作品でした。
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運命の人の運命を運命的に変えたい!バッジ狙いで何の気なしに起動してOPムービーを見てびっくらこきました。なんじゃこのクオリティは!ということで冒頭から本作の世界観に引き込まれました。 ファンタジー要素が多分に含まれるお話となっており、それにピッタリなゴージャスなキラキラ系演出が印象的でした。イベントスチルはかなり多めに用意されており、要所要所でストーリーを盛り上げてくれます。ストーリーについては多分こういう話だろうなぁという展開を大きく裏切られたラストがとても印象的でした。クリア後はあとがきやキャラ紹介のほかにおまけストーリーもあり、得した気分になりました。
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dependence当然のようにまずBADエンドに直行しました。いやもうBAD過ぎてBAD過ぎて相当ショッキングでした。2周目に理解してHAPPYに到達できたのですが、ラスト直前のグラフィックのHAPPY表現が素晴らしかったです。もうこれは心からのHAPPY具合が視覚的にも伝わってくる素晴らしいグラフィックでした。こんなものを見せられたら理屈抜きでこの結末は尊重しなければならないよなぁ、と。 グラフィックはとても可愛らしいのですが、だからこそ意外性や歪みが浮き彫りになる感覚にゾクゾクしました。シナリオも深いテーマが中心に据えられていて考えさせられるものがありました。コハル君は主人公に向かって初めから一貫して自分の気持ちを伝えていたよなぁ、と。令和のこのご時世、大事なテーマなので常に柔軟でいなければ!と再認識できました。
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放課後、図書室で君を見る男子校出身者からするとかなり「爆発しろ度」が高い青春ラブストーリーでした。何この応援したくなっちゃう系の青春まっただなかな男女!くー!文句のつけようがないです。特にユキノちゃん。 2024年現在でもまだまだ自分も子どもたちも紙の本が現役バリバリですが、将来的には電子化は更に進むよなぁということで舞台設定もかなり興味深かったです。
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5秒でイジメは避けられる!!!「俺の名前は串刺元気太郎」ってなんじゃそのフルネームは!昔の少年漫画のように登場するキャラクターの個性をビンビンに感じました。名は体の現し方が奇〇組レベル!子どもでも安心して見られるタイプのバカゲーだと思いました。各キャラのグラフィックも親しみやすくて好感度が高い雰囲気です。 ゲームシステムはオーソドックスな選択肢ミス=即BADのADVなのですが、ゲームのあらすじとの相性が抜群だと感じました。TIPSが実装されているのが印象的で、思わず飛ばしてもバックログから参照できるのがメチャクチャ新設設計だと感じました。クリア後のあとがきや裏話も充実していて、そちらの内容もとても興味深く楽しめました。