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三琴のレビューコレクション

  • 宇宙をゆく僕と猫
    宇宙をゆく僕と猫
    冒頭で作品に恋に落ちました… あまりにも可愛い…可愛いです…!一瞬で心奪われます。 白いお腹のもふもふを撫でて、あの肉球に踏まれたくなります。 @ネタバレ開始 ストーリーはまさにほのぼのディストピアSFノベルでした…!僕とネコちゃんの絆と愛情を描いた優しい物語であり、選民思想や情報統制が根付いた不穏な世界のお話でもあり、異色の組み合わせがそれぞれ惹き立て合ってとても面白かったです! はじめの日常シーンがとにかく癒やしで、ネコちゃんの行動や習性のひとつひとつの丁寧な描写に、「わかりすぎる~!」と大喝采しながら読み進めていました。喉をならす音がやけにリアルだな~と思っていたら、まさかのスペシャルサンクスを見て、なるほど!とほっこり納得です。こだわりが素晴らしすぎます…!/// 一方、事件発生後はハラハラとした展開が続き、とくに「処分」を迫られる場面にはショックが大きかったです。感覚拡張を切った後の主人公の動揺と虚ろな表情にも、プレイしながら一緒に「あぁ……」と沈んだ気持ちになりました。Nomal Endの幕引きも印象部深く、「知らない」ことで成り立つ彼の日常を思うとなんとも言い難い気持ちになりました…。無機質な現実の上に優しい幻影を重ねて、平穏に幸せに生きていくんだなと…。Endタイトルが秀逸でした…! 親の存在が無いに等しい僕の生い立ちを知り、だからこそネコちゃんを唯一の家族として想っているの部分もあるのかと想像していたので、TrueEndを無事迎えられたときは、とても胸熱で感動的でした。二人がこれからも一緒に暮らせる未来で良かった…!司令塔のAIマザーが、最後に人情味を覗かせたのも、ただ無機質なだけでなはい世界を感じてよかったです。手放しでHappyとはいかないまでも、それ以上に温かさがある結末で、僕とネコちゃんの幸せな未来を願って、この温かい余韻を大事にしたいなと思います…! タイトル画面の変化するネコちゃんの仕掛けと、Trueを迎えた後の二人のイラストもとっても素敵でした! @ネタバレ終了 癒やしと素敵な時間をありがとうございました!

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  • ニニニパン
    ニニニパン
    シナリオが画期的で本当に素晴らしかったです…! 周回すればするほど面白くてお話にのめり込みました。 村人達の話に耳を傾け、徐々にその関係性を解き、最終的に現実社会を模したとも言える村の鳥瞰図が浮かび上がるまでの一連の構成が秀逸でした。 @ネタバレ開始 誰の言い分も一考の価値ありと言うように、例えば、ドドラさんの一貫した行動規範とルナリちゃんの先進的な挑戦はどちらも尊重されてほしいと思うのに、彼女らの価値観は全く擦り合わず、人と折り合いをつけることの難しさを痛感させるものでした。他の村人達にも、さもありなんな対立や衝突が見えて、現実社会のままならない様相を、見事にゲームに落としこんで浮き彫りにさせるシナリオ力に感嘆するばかりです…! おまけ後には、村人全員の身の上を知った上でどうするか、采配を振るうことが求められ、また頭を抱えました…。本編中は、村の状態を「そんなもの」「なるようにしかならない」と風刺的に眺めていた部分もあったので、その諦念を刺されたようで手痛かったです。考えるほど袋小路でしたが、ニニの神様的な立ち位置を代わることで、自分の判断基準を見つめるような体験をさせてもらいました…! BGMが流れるのがタイトルとEND部分のみで、他は無音を貫くのも印象的に感じました。曲調によって、作中の場面状況をある程度プレイヤーに方向付けする(不穏・コミカル・ほのぼのetc..)ことができると思いますが、きっとこの作品では、誰のどの発言をどう受け止めるか、善悪良し悪しをどう判断するか、すべてを自由な解釈と価値観に委ねているのかなと、想像します。(解釈違いでしたらすみません…) 世界観はダークトーンですが、ピコピコしたレトロゲームの雰囲気もあり、ビジュアルがとても魅力的でした。「も!」しか喋らない、も。が可愛かったです…!! @ネタバレ終了 細部まで拘りを感じる素敵な作品でお薦めです! プレイさせて頂きありがとうございました。

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  • Dear Journey:Happy Birth Day
    Dear Journey:Happy Birth Day
    とてもクオリティが高く素敵な作品でした!すべてが可愛い…! ほのぼの×ディストピアSFの異色コラボレーションに忽ち虜になります。 アニメーションのように動くグラフィックや、レトロマシン風のUI(凹凸を感じるデザインで凄い!)など、世界観を構築する様々のクオリティが高く、プレイ開始後すぐにのめり込みとても楽しませていただきました! @ネタバレ開始 物語とテキストからは荒廃した世界の仄暗さを感じるのに、慎ましく温かい二人のやり取りと視覚的なポップさがそれを上書きし、プレイ後には幸せな気持ちを残す作品だと感じました。  進めるにつれ、”Dear Journey”のタイトルが意味するものや別離をカウントダウンする描写に、二人が一緒にいられる時間の際限を感じ切なくなっていたのですが、Extra episodeを見て、ああやっぱりこの作品は温かい…とすごく幸せな気持ちになりました…!現実を悲観的に見据えるよりも、多少楽観的とも言えるくらい前向きなカナイちゃんのひたむきさが印象的で、なんというか見習いたい思いです…!大事なことだなあ、、としみじみ思います。 不思議な羊(?)や食虫植物など、世界観の奥行きを感じてとても好きです。多くは語られない旅人の存在など、もっとこの世界を詳しく知りたい!と余韻を残す作品でした。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品を遊ばせていただきありがとうございます!

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  • はるのうみにしずむ
    はるのうみにしずむ
    素敵な物語でした。凪ちゃんの置かれた環境や春海くんのバックグラウンドは特異かつ二人の出会いも複雑ですが、彼らの間で交わされる言葉や育まれる想いはどこまでも純然と真っ直ぐで、普遍的なメッセージを心に残す作品です…! @ネタバレ開始 過去と未来それぞれに背負ったものが重い二人で、望んだ結末を辿ったとは言い難いかもしれませんが、混じり気のない純愛を描いた温かい物語だと思いました。春海くんに対し直球で正直に愛を求めた凪ちゃんと、凪ちゃんの意思を最後まで尊重し献身的に支えた春海くんに、真っ向から強く感情を揺さぶられます。 作中の、『無駄になるかもしれない努力をして凪ちゃんを一人にするより、「そのとき」が来ても少しでも寂しくないように思い出をたくさんつくってあげたかった。』という春海くんの言葉が凄く好きです。凪ちゃんが春海くんのことを「思慮深く、感情的になりすぎない」人だといっていましたが、相手の不安に寄り添うばかりが優しさではなく、残された時間に出来得る限りの方法で愛情を注ぐことが彼の選択だったのだと思うと、前向きで悲嘆を見せない春海くんは本当に強く優しい人だなと思います。 春の海に沈んだ凪ちゃんの最期はとても静かで美しく、春海くんへの言葉も希望を残すものでしたが、そうなれたのは、凪ちゃんが春海くんからの愛情を十分に受け取り、自分が彼の中に残したものを信じきれたからこそではないかなと感じました。一方で、「儀式」という言葉とあの行動が凪ちゃんにとってどういう意味を持つのかを思うと、本当は消えてしまいたくないという生への執着も感じ取れ、幸せと悲しさがぐちゃぐちゃと混ざった感情にもなりました。 二人を想うとこの結末を上手く言葉にすることは難しいですが、作品の最後、「凪ちゃんに出会わなかったら~」からの春海くんの言葉には一片の悔いもなく、そこに普遍的で力強いメッセージを確かに受け取ったように思います。 @ネタバレ終了 この作品に出会えて本当によかったです。 素晴らしい作品をありがとうございました。

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  • 八ツ神のかみかくし
    八ツ神のかみかくし
    とてつもなく面白かったです…!! 全てが丁寧に作り込まれた大作でした。 "神隠し" "物の怪" "土着信仰"などの和風世界観で、 人と神や物の怪との異種交流を描いた 温かくも切ない物語です。 美麗なグラフィックはじめ洗練された卓抜なクオリティで、 起動した瞬間に伝わる作品の魅力にうわぁぁ…!と胸が踊ります。 ジャンルが好みの方はもちろん、是非多くの方にお薦めしたいです。 物語の本筋を追う本編と、キャラクターを掘り下げる番外編の二段構成、 かつ章区切りで途中再開もしやすい親切仕様なのも嬉しかったです。 (あまりに面白すぎてぶっ通しで遊んでしまいましたが…!!) @ネタバレ開始 (▽長文恐れ入ります…お時間あるときに読んでくだされば幸いです…!) もともと、神話伝承や異種交流をテーマにした話は大好きなのですが、本作はそれらを土台にオリジナルの物語をとても丁寧に描かれていて、とくに七ツ神の”御利益”を、彼らそれぞれの”悩み”に転換させる発想が斬新で面白かったです。 神様たちも個性を内に秘めたような繊細で等身大なところが魅力的で、読み進める内に段々と染み出すように彼らの人となりや生い立ち、抱えた悩みなどが見え、終盤にいくほどに愛しさが募っていきました。メインキャラだけでなく夏美さんや商店街の人たち、傍仕えの皆の温かく見守ってくれる存在も素敵で、一人一人ここでは書ききれないですが、本当に皆個性豊かで魅力に溢れていて大好きです。心に刻みたい印象的なセリフも多く噛み締めて読んでいました…!キャラクターは黒鷹くんと禄華ちゃん、セリフは美布ちゃん夏美さんがとくに好きです…あ、でも癒しの恵太くんくんも推しで……やっぱりみんな好き…!!そして一番好きなのは不動の冬くんです! 呼ヶ野の人々と敷之山の神達の、器を捧げ厄災から土地を守るという共生関係の元では、七森の彼らは神といえど"人を攫う鬼"や"物の怪"と等しい存在でもあり、冬くんとは本来相容れないはずだったと思います。 それでも、特殊な体質によって七森の彼らとの繋がりが生まれ、さらにお互いにとって「特別」な存在となるまでの過程が、ときに学園生活の中でコミカルに、ときに過去を織り交ぜシリアスに描かれていて、とても惹き込まれました。仲が深まるだけでなく、枷となっていた神の力と折り合いを付け、逃れられない運命を少しでも自分の意思で選び変えていこうと成長していく姿も印象的でした。最後の一日を誰か一人とだけ過ごせるのも儚くて凄く良かったです……!(全周回しましたが、キャラそれぞれの会話が見れて嬉しかったです…;;) 冬くんとの交流は彼らに大きな意味があったと思いますが、中でも黒鷹くんの想いの強さは特別なもので、最後の選択と桜ENDは本当に切なかったです。一方、帰郷ENDではそれ以上に執着的なものも感じ、もしかすると過去(稲日と世真)からの繋がりもあるのかなと思ったりしました。七ツ神の選んだ器やこの先の行く末も気になります。……色々知りたい真相や今後がありますが、全てを語らず、解釈の余地を残して滲ませるような描き方も堪らなく好きです…。 実は本作の制作進捗をXのポストで拝見したことがあり、ずっと気になっていたのですが、プレイ後振り返って本当に素敵な作品を遊ばせて頂いたな…と胸がいっぱいになっています…!忘れがたい物語で大好きな作品になりました。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品を本当にありがとうございました! 陰ながら、晴様の今後の制作活動も応援しております。

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  • Dear Virgin. - ディア・ヴァージン -
    Dear Virgin. - ディア・ヴァージン -
    とても心に残る作品でした。 グラフィック、演出、文体、楽曲、声優様の演技等全てが素晴らしかったです。 気怠げで暴力的な、媚びとあざけりを綯い交ぜにしたような声で聞く一言一言のセリフが堪りませんでした。人魚姫の話など幻想的な世界観に惹き込んでから、リアルな声音の一言でスッと正気に落とされる感覚にクラクラします。目を引く演出もさることながら、途中で主人公が瞬きしていることに気が付き、没入感の一翼を担う繊細な演出にも感嘆しました。お洒落なBGMを聽きながら烟った煙を眺めていると、本当にトリップするような感覚です…。 @ネタバレ開始 冒頭こそ激しめですが、その行為にも意味があり、歪な共依存と切り捨てられないもどかしくも切ない関係の二人でした。フィクションという線引があってこそで、もちろん肯定するものではないですが、上澄みだけで人間関係の良し悪しを判断したくはないなと改めて感じます。何とも言葉にできないのですが、とても心に残る作品で貴重なゲーム体験をさせていただきました。 さらにCastCommentを拝聴したらRe:nくんの雰囲気そのものでテンションが上がったのと、シークレットの社長さんと巡さんの掛け合いも面白くて後を引き、何もかも最後まで贅沢でした。 (感想を送るのが恐縮なほど圧倒的センスの作品で、バッチを抱え回れ右しようかとも思ったのですが、フェスに後押しされコメント欄お邪魔しました。そして皆さんが仰っている『泡沫神社』が物凄く気になります…!) @ネタバレ終了 素敵な時間をありがとうございました!

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  • mellow fellow【リメイク】
    mellow fellow【リメイク】
    各方面の萌えが詰まったアソートメント作品でした…! エンド毎に違ったテイストの美味しさがあり一作の満足度が凄いです。 @ネタバレ開始  友情〜百合の中間くらいの絶妙な関係で揺れる女の子の組み合わせが凄く好きなのですが、mellow fellowの二人はまさにそれで、がさつ女子×しっかり者美人という最高カップリングを前に、プレイ中はただただやり取りをニヤニヤと眺めていました…! とくに幼馴染エンドが素晴らしすぎて、ありがとうございます!(合掌)と萌えのピークを迎えていたのですが、そこからさらにどんでん返しと萌えのおかわりが待っていたとはびっくりです…。光ちゃんのスイッチが入る場面はテンションマックスでしたが、あの瞬間も突然ではなく、あ。これは…とじわじわ察する感じなのが最高で、一コマ一コマ読み進めるのが最高に楽しかったです…! おまけまで拝見し、光さん視点の回想で透子ちゃんへの愛情の長さ深さを知ってからはますます二人が尊くなりました…( ; ; )とくに素に戻った後、元の関係を引っ張りだしてからかってくる一人称わたしの光さんが優勝すぎて、全ての萌えを掻っ攫われました。 僕の真ん中に…の弦一郎さんも現代スパダリと思ったのですが、こちらの光さんも揺るがない一途さのスパダリ(しかも親友も兼)で最高でした…!! @ネタバレ終了 エイプリルフールな展開とても楽しませていただきました。 素敵な作品をありがとうございます!

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  • 雪葬のネージュ
    雪葬のネージュ
    物語もキャラクターも文章もイラストも何もかもが本当に素晴らしかったです。完成度に圧倒されながらお話を堪能させていただきました。寒い土地の物語は、描写や場面がしんと心に沈み込む様な気がして好きなのですが、本作がまさにそれでした。印象的な場面で登場するイラストの冬景色と、二人の関係や物語の儚さが相まって、感動に向かって気持ちを前のめりにしなくても、ただ読んでいるだけでほろりと泣いてしまうような作品でした。 @ネタバレ開始 赤に染まったアヴェルズさんと真っ白なネージュちゃんという対象的な二人が心通わせるまでの展開がとても自然で温かく、それだけにラストの選択肢と結末のやるせなさが際立っていました…。アヴェルズさんに惹かれる想いと、復讐を遂行する意思の強さが拮抗する中で、どちらの選択と結末にも納得感があり、悲しい幕引きではありますが、ふわあっと満ち足りた読後感でした。 作品のメインテーマではないかもしれないですが、自分の「仕事」に対し、誰かが望んでいるから「在る」んだというアヴェルズさんのセリフが現実的というか存在感のある言葉だなと思いました。アヴェルズさんが、自身の生い立ちや生き方に対して懺悔一色ではないところが、重層的でキャラクターの魅力だなと感じます…! しんみりした結末を先に触れてしまいましたが、何より、可愛い顔で大人のアヴェルズさんを翻弄しちゃうネージュちゃんが終始最高すぎました!対するアヴェルズさんは色々不慣れでオドオドしていて可愛いし、軍牌が上がりきっているこのカップルは推せるぞ…と二人の掛け合いをニヤニヤ見守っておりました。作中のほっこりエピソードも大好きです。 作品に浸った後に読むあとがきも大好きなので、最後まで拝読し楽しませていただきました! @ネタバレ終了 素敵な作品を遊ばせていただき本当にありがとうございます! 作者様の作品が多彩で今後色々遊んでみたいなと思います。

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  • 関守神~さくらびと~
    関守神~さくらびと~
    作品公開をずっと楽しみにしておりました! フルボイス化にイラスト追加等あまりに贅沢すぎて… さらに豪華になった関守神をプレイでき大変嬉しいです。 @ネタバレ開始 (▽長すぎたので畳みました。適宜摘んで読んでいただけたら幸いです…) さくらびとverとフルボイス最高でした…!本当に最高でした…! それぞれぴったりなキャストさんのお声により各キャラの存在感がこれまで以上に際立っており、実況者様がキャラクターに声を当てられているのもフリーゲームならではのロマンに感じてとても素敵でした。中でも一番セリフの多い夜市は、妖艶さはもちろん、声優様の演技の力で幼い頃からの悲喜憂苦がひしひしと伝わってきて、過去の二人の交流も含めて関守神への執着とその重み(説得力)が格段に増していました。さくらびとverになって、随所に登場する関守神の顔グラのとくに照れと怒の顔が可愛く、追加シーンと関守神の表情の両方から、神ではない普通の少女の一面を感じとても萌えました…! 各ENDの破壊力もまたすごかったです…!!(大拍手) @ネタバレ終了 @ネタバレ開始 (▽ネタバレ感想です) 新規シーンと追加イラストでストーリーも更に深く堪能させていただきました! 以前プレイしたときは天津祝詞や橋姫の印象から神話伝承的な世界観を色濃く感じたのですが、今回は東山桜荘子の逸話や江戸初期の史実も絡めた関守神の生い立ちが明かされ、また違った解釈で物語を楽しませていただきました。 これまでは、「本懐をお遂げください」と禍ツ神を現世に放つ関守神の行動の意味を自責と使命感に捉えていたのですが、少女の過去を知ってからは、禍ツ神たちが人間だった頃の苦しみを聞き入れた彼女が、自身の不条理な生い立ちも相まって人間への怨念や復讐心を募らせた…というようにも受け取れました。(とは言え、拝見したこぼれ話で関守神の役目は「ワキ」と書かれていたので、やはりそういった干渉はないのかな…と色々考えたりしています。) もし仮に、使命だけではなく、悲しみや怨嗟にも囚われていたとするなら、そこから救い出した夜市はもちろん、兄の生まれ変わり(?)のような存在の竜次、道を示した白兎、祝福の梅を授けた飛び梅などなど、孤独な少女の再生を見守る儚くも温かいお話に思え、とても切ない気持ちになりました。白兎さんの語りの場面もより一層印象的になっていて、八百万の神々が果たす使命など、贅沢なイラストとともに紙芝居劇のように順々に流れるのが美しかったです。神話や史実と、関守神のオリジナルの世界観が合わさって心にスーッと入ってきました…!(と、ここまで書きましたが解釈が全然違っていたらすみません…さらっと流していただけたらと…) あれ……ヤンデレ青年が少女をめちゃくちゃにする話のはずが、家族を失った孤独な少年少女の再会と救済のお話に…!(涙)以前プレイしたときも物語の面白さと完成度が凄い…と思ったのですが、今回のアップデートで、作品への解釈をより掘り下げられるような補強がされていて、また新たな関守神のお話を堪能させていただきました…!;; (私自身能楽には明るくないのですが、今後触れたり調べたりしたらまた新たな発見や視点が生まれそうでそれも楽しみです!) @ネタバレ終了 素晴らしい作品を作ってくださり本当にありがとうございます…! (再掲で恐縮ですが、白兎さんのFAを添えて…)

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  • 生きるその先に -覚醒編-
    生きるその先に -覚醒編-
    奥深いストーリーを主軸に枝分かれする各ヒロインの物語が素晴らしかったです。 「岐尾森編」のIF世界線で、共通する世界観やキャラクターをより深く知ることができました! @ネタバレ開始 岐尾森編からすでに十二分に感じていたことですが、本作も緻密なシナリオ設計と、物語への引き込み方が本当に秀逸でした。恋愛物語として、共通ルートからヒロイン3人との恋の予兆をしっかりと感じさせてくれますし、一方で、妖怪と人間の対立関係の不穏さや、各ヒロインの一筋縄では行かない影の気配も漂っていて、とにかく先が気になって読む手が止まりませんでした…!個別ルートに関しても、テーマや関係性がそれぞれことなるので毎回お話が新鮮でしたし、メインヒロインは前作共通の鬼晶ちゃんなんだろうと思いつつも、沙姫ちゃんも詩衣ちゃんもエピソードボリュームがたっぷりとあって、進める内に、"準"ヒロインではなくこの子がメインヒロインなんだ!と確信を持って、Endingまで見届けることができました。最初に感じた影の気配は、彼女たちの育った環境や孤独さゆえだったのだな、と振り返って思います・・・;;みんなが未来あるHappy Endを迎えられてよかったぁ…!けれどもう一方のEndも、Badと呼ぶにはあまりに美しく…互いの孤独に寄り添う想いの強さが込められた素敵な結末だと感じました… 攻略順は沙姫ちゃん→詩衣ちゃん→鬼晶ちゃんです。危うい沙姫ちゃんに庇護欲を掻き立てられる詩衣ちゃん…二人とも異なる魅力を持った素敵なヒロインでした!そしてやはり本作でも鬼晶ちゃんの存在感はやはり別格というか…!(3人共メインヒロインなんですが、鬼晶ちゃんはヒロイン以外の色々な役割を物語の中で担っているな…と)岐尾森編から来たので、夏生くんの幸せを最優先に身を引く鬼晶ちゃんが切なかったです;;でも切ないと同時に、無償の愛で包んでくれるかのような温かさもありました……!(;_;) そして、皆様おっしゃられていますが、葵紅ちゃんも大変すばらしいキャラクターでした!か、可愛い!可愛いしか言えません!斗也さんから夏生くんをかばって涙するシーンでは、うっかりころっと恋に落ちかけました…アブナイ!斗也さんも実智瑠ちゃんもコミカルで、登場するたびにテンションがあがりました!* それにしても今作の鬼晶ちゃん…ツンデレ度合いと可愛さがパワーアップしてましたね。赤ずきんちゃんのような私服姿も眼福でしたし、やっぱり最推しだぁ…!ところで、鬼晶ちゃんルートの最後で、夏生くんの手を引いたのは誰だったのか・・・。あれは夏生くんの中で封じ込められていた鬼の部分で、もともと鬼晶ちゃんの霊力だったから助けてくれたのかな・・?などと少し考察ていたところで、さ、最後ぉおおおお/// 幸せオーラの破壊力にやられました…!岐尾森編の切ない終わり方も好きですが、前作を経ていた分、幸せ全開の二人にホックホクになりました** @ネタバレ終了 感想長くなってしまいましたが、「覚醒編」とても楽しませていただきました! 最終章の「回生編」のプレイも楽しみです!素晴らしい作品をありがとうございました。

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