二日目のカレーのレビューコレクション
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イキリョウー南雲探偵事務所・怪異ファイルシークレットを含む全てのバッジを獲得しました。 相変わらず登場人物たちのキャラの立ちっぷりがすばらしい。 終始、退屈とは無縁なとても興味惹かれる全4話でした。 @ネタバレ開始 各種グラフィックのクオリティが非常に高く、 『除毒のタベルナ』でもそうでしたが、 料理がとても美味しそうでしたし、南雲さんが乗っているバイクや 昇さんのカードケースといった小道具的なものの描写も 見事なものだと感じました。 3話の最後に大家さんが置いていった柱時計が、事務所の壁にしっかり追加されているなど、背景も手抜かりが無く感心させられましたし、4話でそれぞれデザインが異なるIZUMOのTシャツを着ている差分を見たときは、 思わず「おお!」と声が出ました。 電話中の原口さんと千住さんのディフォルメイラストも可愛かったです。 『がんの探知犬』や『NET119緊急通報システム』の話など、 ちょっとした実例を会話の中に自然に入れたり、 第1話の夕食の後で自炊の話が入って、ほたるさんの人となりが 垣間見れたりと、会話のテンポを崩すことなくプレイヤーの興味を引く 会話が展開され、読んでいて全く退屈とは無縁でした。 〇清尾ほたるさんについて 優しく、思いやりがある一方で、原口さんの事を (南雲さんに提供するべき情報とはいえ) 「正直あんまり仕事ができる方ではないかな、と思ってます…。 と言ったり、プレイヤーの選択にもよりますが、第1話の生霊の主である 幸田さんに毅然とした態度で臨む。異動と給与の減額をきっかけに会社を辞め、 南雲探偵事務所で働く。被害拡大を防ぐため自ら幸田さんに会うことを決意するなどの、胆力と思い切りの良さを持ち合わせており、 主人公として申し分ない人物だったと思います。 〇南雲大樹さんについて 「先代が残した事務所を仕方なく守っている、名ばかり所長です。」 と言いつつも、第1話から案件に対する姿勢は真剣で、 「全員を大事にするのは無理だ。 あんたを大事にしない人を大事にするのは、 あんたを大事にしてくれる人を、大事にしてないってことだ。」 と言って、ほたるさんを諭すなど、自分が依頼者にどう接するべきかを しっかりわきまえている人物だと感じました。 また、前述の発言はすごく大事なことなのに、 つい忘れがちになってしまう真理ではないかと思います。 他にも、ほたるさんの作ったハヤシライス(パン)に咽び泣きつつも、 しっかり所長として仕事のことを進める。耳の不自由な女性にスマホを用いて コミュニケーションを取るといった機転が利く。さらには手話を学習するなど、なんやかんやすごく頼りになる、 もう一人の主人公と言って差し支えのない人物だと感じました。 最後に恋が実って本当に良かったです。 〇初野嶺さんについて 事務所だけでなく、作品そのもののムードメーカーで、私個人は彼女のいない 本作の世界観などありえないとさえ思ってしまう人物でした。 第1話のほたるさんや、第2話の吉備一矢さんの案件が解決したのは、 少々強引ではあるものの彼女の行動力のなせる業であり、 第3話ではそれがさらに遺憾なく発揮されていたように思います。 また、多くの場面で明るくハイテンションだからこそ、 真剣な言動や怯えているシーンなどが際立っていたように思いました。 〇蔵良さんについて 作中で言及されるように、非常にマイペースである一方、 興味を示した案件には真摯に向き合い、第2話の生霊の主、黒田さんを諭すなど 言うべきことや、自身の意見はしっかり口にする姿勢にとても 好感を持ちました。 また、第3話の電話ローラー作戦中に、初野さんから 「一件やってみる?」と言われ 「…ボク、ちょっとトイレ。」と言って逃げたりするあたりも、 蔵良さんならなんとなく許せてしまうと言うか、 ”らしい”と微笑ましく思ってしまいました。 (ところで、中性的な印象の蔵良さんですが、 ほたるさんが”美人”と言っているシーンがあったので 勝手に女性だと思ってるんですけど合ってます?) 依頼者や生霊の主。 ほたるさんのご両親 千手さん、榊さん、田中さん、折原さんなどの警察関係者。 青江さんに未央先生。 耳の不自由な女性とその子供。 長船神社の宮司さんにIZUMOのマネージャーの保坂さん。 南雲さんの告白を見届けた喫茶マープルの店員さんとお客さん。 そして、ラスボスとでも言うべきIZUMO。 彼らゲストキャラたちも存在感があり、 作品世界でしっかり生きている人々という感じがしました。 エピローグで依頼者や生霊の主、その関係者のその後が見られたのも プレイヤーとして嬉しかったです。 特に保坂さんはマネージャーとして再起できて、胸をなでおろす思いでした。 そして、IZUMOこと『加茂アスミ』の末路は、自業自得とはいえ 背筋に冷たいものが走る思いがしました。 各話の展開も趣向が凝らされており、 先の展開が非常に気になるとても面白いものでした。 第3話などは、もしかしたら生霊の主である昇さんが、 すでに亡くなっているのでは終盤までハラハラしましたし、 第4話の「IZUMOに挑戦!」のコーナーで各人の能力、 さらには南雲さんの手話まで活かした展開は、 お見事というほかありませんでした。 そのほか、ED曲の「リシアンサス」も素敵な曲でしたし、 【カラオケ屋敷 先宿西口店】に入店した際に流れてきた歌も 凄く楽しかったです。 コログ、由花子さん、コナン君、右京さん、そして、 全集中!ミルクティーの呼吸!などの小ネタにもクスリとさせられました。 @ネタバレ終了 パートボイスの数々も、日常シーンから緊迫した場面まで、 作中のシーン全てを見事に彩ってくれていたと思います。 作者様お二人の演技も見事にキャラにマッチしていました。 素敵な作品を本当にありがとうございました! -
B面ジョレイガールズイギリスでは2022年に2003年以来の最高水準の売り上げを叩き出した カセットテープ。 ですが、私の生活環境では目にすることがなくなり、 懐かしさを感じてプレイしてみました。 @ネタバレ開始 裏返されたカセットテープの不穏さに身構えていたら、 直後に栗コーダーカルテットを彷彿とさせる音楽で物語が始まって 思わず吹き出しました。 また、『裏側の世界』だからB面というC子のセンス、 「おっしゃるストリート」などの言動と。 そんなC子と一緒に『絶対に腹を壊すホットケーキ』を作る A子とのやり取りは、悪霊退治をしている最中であるにもかかわらず、 とても楽しいもので、シリアスとコメディの緩急が心地よいものでした。 ×0やマイナスの数字も発生する戦闘もテンポがよく、 押し間違えに対する緊張感もあってとても楽しかったです。 なぜか前が見えるお面や制服も含めて、A子、C子、D太、 そして悪霊のデザインも見応えがありました。 道中の会話。悪霊に対する名付け。B面に行くことになった経緯。 救出された直後のD太の言動など。 エンディングまでのプレイ時間は短いながらも、登場人物全員 これでもかというほどキャラが立っていました。 D太の家に「呪いの絵馬」を投函したのは何者なのか。 その目的は。と言った謎も残っていますし、もし、続編があるなら D太やC子の兄の活躍も観られたらうれしく思います。 「これはただの遺品。中身は…叔父さんが大好きだった、音楽だよ」 で始まるエンドロールは見事な締め括りだったと感じました。 @ネタバレ終了 とても楽しい作品を、本当にありがとうございました。 -
カタコンベの子供たちに告ぐ一切のヒントに頼らず全てのエンディングを迎えることができました。 これまでの作者様の作品たち同様、非常に満足感が高い一作でした。 @ネタバレ開始 とにかくEND1の展開は衝撃的でした。 てっきりカタコンベを出ると、大人になったロベリアが事の真相を語る エピローグが始まってエンドロールからのちょっとした後日談。 なんて展開を予想していたら、まさかの一面焼け野原。 私の想像力など全く及びもしない展開で心底驚きました。 そこから、ロベリアがカタコンベに入れられた真相が語られる展開は 本当に目が離せない、息を呑む、といった感じで読み進めていました。 また、その中でオロロン草やロベリアが着ていた聖職者の服が活かされる展開は 見事というほかありませんでした。 ミニゲームや謎解きの難易度も少し頭を悩ませつつ、 すべて自力でクリアできたので個人的にちょうど良かったと思います。 特に終盤の封印の鎖を切るギミックは、よくこんな絶妙な難易度の謎解きを 考え付くものだと感心しきりでした。 使用されているBGMやエンディングテーマ曲の選曲も 作品にとても合ったものだと思いました。 エンディングテーマ曲と共に映し出されるスチルは 見ていて目頭が熱くなるものがありましたし、 アイパッチを着用し、おきゃわなおべべを着ているアルメリア。 普通に会話ができるようになったジニア。 なんだかんだ面倒見のいいカラス。 そして、長い戦いを続け本当の脱出をやり遂げ、彼らのもとを訪れた 大人になったロベリアの様子は見ていて本当に嬉しく 感慨深いものがありました。 おまけもとても充実していて読み応え、見ごたえがありました。 その後の彼らの様子に安堵する一方、ジュリアンとベリスの遺骨が 妙に高身長だったのは大人に見せかける加工がされていたからだったことを 知り、『絶望の儀』に関わった人間たちの所業に改めて背筋に冷たいものが走る思いがしました。(しかも二人ともまだ6歳だったなんて…。) @ネタバレ終了 キャラクター、世界観、、各種グラフィック、使用BGMなど 全てが非常に高レベルな作品だと思います。 特にストーリーは私の予想をこれでもかというほど大きく裏切り、 且つ期待にはこれでもかというほど大きく答えてくれるものでした。 ホラーとして、ヒューマンドラマとして、大満足の一作です。 素敵な作品を本当にありがとうございました! -
怪異ジャッジ・ナイトメア今作の怪異たち8体もナイトメアのタイトルにふさわしい、 デザイン、言動、特性、元人間だった場合のバックボーンが 非常に興味深いもので、調査がとても楽しかったです。 @ネタバレ開始 前述の通り今作の怪異たちも非常に興味深い怪異ばかりでしたが、 特に印象に残ったのはピンクッションでした。 ピンクッションのリボンがボロボロになっている顔を隠しているだけでなく、 笑顔の口元を強調するためというデザインには唸らされました。 というのも私の視線は自然とピンクッションの口元に向いていたからです。 言動とその笑顔で思わず身を委ねたくなってしまいました。 怪異化してもリホさんの誠実な人間性と感受性、そして彼女の悩みが見事に 形になっていたように感じました。 また、ランプシェードと対峙した際にハマメの身体からキノコが生えた時は、 危機的状況にもかかわらずその絵面の面白さに笑ってしまいました。 (その後のゲームオーバーでキノコの宿主になってしまったハマメの姿には 逆に背筋に冷たいものが走るような気持ちになりましたが…) 睡眠欲を抜き取られ、どんなに疲れていても眠れなくなってしまうコフィンは 恐ろしい怪異でしたが、私もヤスオさんと同じような経験を何度もしているので 身につまされるような気持ちになりました。 怪異変貌者のその後についてはマサキくんが一番気になりました。 なんとか家族間での話し合いで、マサキくんの母親が彼の自主性を 尊重してくれるようになってくれることを願ってやみません。 他には、怪異のデザインで言うと、ベールと雲で葛藤しているかのように 表現しているムーライトには私の語彙力では凄い以外の言葉が 出てきませんでした。 あと余談ですが、ラボラトリーに小動物にされたハマメは、 ひどい目に遭ってしまった彼には悪いですが凄く可愛かったです。 @ネタバレ終了 時折みられるハマメの頭の中に流れ込む幻覚のムービーも見応えがありました。 また、過去作からそうなのですが、元に戻った怪異変貌者たちに出される 飲み物がそれぞれ違うのも凝っていて本当にすごいと感心させられました。 素敵で楽しい作品を、本当にありがとうございました! -
バッドエンドの世界 -親子-まず、タイトル画面にこれまで見られなかった『キャラ一覧』があり、 プレイ前に見てその登場人物の多さに並々ならぬものを感じました。 @ネタバレ開始 奴隷制度廃止を軸とした改革を唱えるクアーズ王。 理解者は家族の他はチャイルナとマザーを始めとする施設関係者など ごく僅かであろう状況で苦心する彼の姿は見ていて辛いものでしたが、 そこに現れる彼の妻リグヴェル。 彼女の豪快な言動にはクアーズだけでなくプレイヤーの私も 救われたような気持ちになりました。 ニーベルンは純真無垢でそれ故に浅慮と言われても仕方のない 行動を取ってしまい今回の悲劇を生みましたが、 彼女の存在はまさに癒しでありとても尊いものでした。 これはプレイヤーである私が事件の被害者でないからこその発言であることは 重々承知しており、彼女を非難する声があるのも当然だと思っています。 そんな私の気持ちをエンドロール後のアクアメールが 見事に代弁してくれました。 その後の思い出の場所巡りから、ニーベルンが歌を教わった先生が チャイルナであることが分かり、彼女の歌を聴きながらアクアメールが号泣し、 そんな彼女をメフィーテルが抱きしめる。そして、両親とニーベルンに 思いを語るエピローグ。 また、第1章でリグヴェルが言及していた『トゲ』が ゲールハルトであるとわかり、 彼が亡骸となった二人に礼を言う???は本当に素晴らしいものでした。 お気に入りのハーフが殺された事を理由に今回の侵攻に及んだ ヌヴィーナですが、第4章での回想や???での様子を見ていると、 魔物にも他者を慈しむ心が無いわけではないように思えるので、 スカイワールドでの改革が進んでいれば和解や共存は無理でも 結界がなくてもある程度の住み分けぐらいは出来たのではと考えてしまいます。 しかし、今回の一件でそれも不可能になったように思えますし、 スカイワールドは問題が山積していますが、アクアメール達なら 大丈夫だと思える素敵な結末を見せていただきました。 タートルくんを始めとした脇を固めるキャラクターたちも、 背筋が凍るような絶望感すら感じた魔物(魔族)たちも 見事にキャラが立っていたと思います。 第4章からエンドロール直前までは、まさに手に汗握る思いで読み進めた、 シリーズ最終章にふさわしい物語でした。 それこそエピローグ後のタイトル画面は涙無くしては見られません。 わたしも最期に「楽しい人生だった」と思いたいものです。 @ネタバレ終了 素敵な作品を本当にありがとうございました! -
ダスキーグレイ二人の日常が淡々と描かれる中で、いつの間にか物語に没頭していました。 @ネタバレ開始 なぜ従妹の春陽が聡介やその両親と一緒に暮らすようになったのか。 聡介の両親と話す「大人の声」の主は誰なのか。 春陽が「朝が来るのが嫌で眠れずにいる」ようになった過程。 聡介が離婚に至り、必要とされることで自分を保っているように見えてしまうまでに なってしまった詳細。などなど…。 明確にすべてが描写されないからこそ想像力が刺激され、 プレイ中はセーブ機能があることを忘れて読み進め、タイトル画面に戻って 「あ、セーブできたんだ」と思い出す。周回の度にこれを繰り返す。 それほどまでに作品に引き込まれていました。 @ネタバレ終了 私の語彙力では上手く言い表せない、趣がある物語でした。 素敵な作品を本当にありがとうございました。 -
カメラを教育してください気軽に遊べて短い作品ながらも登場人物たちはキャラが立っていて とても楽しかったです。 @ネタバレ開始 カメラの撮ったものの方が正しかったとは! かる~い気持ちで遊んでいたのでこのオチは想像していませんでした。 食堂のオバチャン…「みんなの守護神」じゃないよ! カツカレーのカツ、食べて大丈夫なお肉だよね!? あと、主人公が「ここにはいないあなた」だったとは…。 いわゆる第四の壁を破ったということでしょうか? カツカレーってホントに食べたんですかね!? @ネタバレ終了 おまけも含めてとても楽しかったです。 素敵な作品をありがとうございました。 -
ほほえみサンフラワープレイ時間は短いながらも、とても印象深い物語でした。 @ネタバレ開始 和也が今を懸命に生きようと決意するEND1。 ほほえさんとの出会いが彼に自己嫌悪に落ちりそうになりながらも 前に進む勇気を持つ過程が丁寧に描かれていたように思いました。 そして、ほほえさんのもとに留まることを決めたEND2。 END1の後に見たからこそ余計にタイトル画面やEND2のスチルのような ほほえさんの笑顔を現実の世界で見たい、 ご都合主義でも何でもいいから、現実の2人がひまわり畑で 一緒にいる姿が見たいと思わずにはいられませんでした。 それこそ、和也が「ほほえさんの治療」を将来の夢として持ち、 難病治療の研究をしている人物と偶然出会い、 医学の知識が無いなりに自分にできることをしてその人物と ほほえさんの治療のために奔走するなんて展開を妄想してしまいました。 @ネタバレ終了 あとがきの「当時の絵柄ほほえさん」すごく可愛かったです。 素敵な作品をありがとうございました。 -
バッドエンドの世界 -姉-生きるためには役割が必要なのか。 他者から認められる必要があるのか。 そうした価値がなければ生きる資格がないのか。 非常に難しい題材に真正面から向き合った素晴らしい作品でした。 @ネタバレ開始 Trueエンド「生きる」 IFエンド「それでも私は生きている」 両方とも迎えました。 私自身は自分でも呆れるぐらいに単純なので、それこそ 「生きる理由なんて”死にたくない”で十分」と思っているぐらいなのですが、 勿論そうは思えない、割り切れないと言う人たちも大勢いるわけで、 そんな人たちを見事に描いた作品だと思います。 かつて「薬を作ることでしか生きる価値がない」と言っていたジェシネル。 そんな彼女の生きる理由となったのに、今作でも影を落とすハーフに対する 差別問題もあって、今は”立派な”村長という立場に縋るようになってしまったミルール。 そんな二人の過去と現在の物語は読みごたえがあり先の展開が気になるとともに 後述の登場人物たちのことも併せて色々な事を考えさせられるものでした。 そんな二人の父についても、ジェシネルに対する接し方や 人体実験を行っていたと思われるその所業に正当性は見出せませんが、 妻の一件などの境遇とジェシネルを失った際の慟哭、エンドロールで彼と思しき人物が投獄されている姿を観ていると(自業自得とはいえ) 同情できる面があり、何とかならなかったのかと思わずにはいられません。 ミルールにすべてを押し付ける形となった村人たちに、 魔物に村を襲われた移民たち。 特に村人たちは自分勝手なようですが、迫る冬に逼迫する食糧問題など、 彼らにも生きるだけで精一杯という彼らなりの事情があり、 一方的に悪いわけではないという描写もなされていて、 特定の誰かが悪いわけではないというある種のもどかしさも 本作の味だったように思いました。 (ただ、自分の息子を出来損ない呼ばわりしていたワルデくんのお父さんには Trueエンドを見た後でももやもやしてしまうあたり私も心が狭いですね…) そんな中でTrueエンドでのワルデくんの言葉は私にも大きく効きました。 彼こそ真の心の強さを持った人間だと思います。 二つのエンドはどちらも余韻が素晴らしいものでしたし、 エンディング曲の『Silvester』を始め、 使用されているBGMも各シーンに合った良い曲ばかりでした。 また、相変わらずグラフィックは立ち絵、スチル共に美麗の一言でした。 @ネタバレ終了 掛け値なしに素晴らしい物語でした。 素敵な作品を本当にありがとうございました! -
除毒のタベルナ「ドライアイスセンセーション!!!!」 このシーンで一気に作品に引き込まれました。 立ち絵にカットイン、各種スチルに背景、毒抜きの解説図、 そして料理といったグラフィックが非常にクオリティが高く コロコロと表情が変わるキャラクターたちは 見ていて本当に楽しかったですし、 全ての料理が本当においしそうでした。 ボイスも各キャラクターに合っていて、 同じく作品世界にピッタリなBGMとともに 物語を彩ってくれていました。 @ネタバレ開始 メイン、ゲストを問わずキャラクターがデザイン、言動共に 非常に魅力的でしたが、中でも個人的にジャンの存在感は 群を抜いていたように思いました。 生物ライターとして豊富、且つ正確な毒に対する知識を持つだけでなく、 ルチアという名前を聞いてすぐにラテン語の光に由来する名前だから キラキラネームだなどと言ったり、シャグマアミガサタケの 食用キノコとしての北欧での事情を知っているなど、 前世では生物ライターとして世界中を飛び回り、 訪れた国や地域の歴史、文化、風習、言語など様々なことに 造詣が深かったのではないかと想像が膨らみました。 なので、生物ライターとしての無茶な行動が原因で命を落としたことが ほぼ確実視されているにもかかわらず、プレイヤーとしては 「ジャンがいればなんとかなるだろ」 と思えるほどの頼もしさがありました。 あと、ヒガンバナみたいなやつ(アノヨバナ)と モンステラみたいなやつ(モンストル)を 用意したときの気の抜けたような「じゃーん」というボイスには 思わず吹き出してしまいました。 そして、本人の意思とは裏腹に『毒料理専門家』としての腕を メキメキと上げていくステラ。 ジャンに鋭いツッコミを繰り出しつつ、見事な料理を作り上げ、 魔王を料理で説得し、「最高のおもてなし」エンドでは魔物と人類を繋ぐ 架け橋となった彼女も本当に魅力的な主人公でした。 なので「世界を救いし者」エンドでのステラ、ジャン、アビッソの姿は 見ていて本当につらいものがありました。 ゲストキャラたちも、とてもキャラが立っていたと思います。 尾ヒレをつけまくったタベルナの噂を流したイザッコ。 月に3回パーティが全滅しても、経済的事情と食感が気に入っている という理由で、『ノウミソタケ』をどうにかして食べたいと言うルチア。 魔王によって家畜が消滅したため、周囲から食用肉を見るような 目で見られる機会が増えたらしいオビディオ。 ジャンに「……この国滅びそうだな」と言われるレベルで 為政者として問題があるセレスティノ王。 そして、自身の所業で生態系を壊しかけ、配下を苦しめ、 イモばかりの食生活にうんざりする羽目になった魔王アビッソ。 みんな本当にいいキャラクターでしたし、 先に「世界を救いし者」エンドを見ていたこともあって 「最高のおもてなし」エンドのスチルで ルチアとアビッソが同じテーブルで食事をしている光景は 見ていて心から嬉しく思いました。 @ネタバレ終了 本作をプレイしなければシャグマアミガサタケなんて 一生知ることがなかったと思います。 素敵な作品を本当にありがとうございました! それにしても人類の食への探求心は凄いと思う一方、 ステラと同じツッコミを入れずにはいられません。 「無茶すんな人類!!!」
