SHIAのレビューコレクション
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戯曲『十五夜』約3分ほどの小さな舞台のお話、堪能させていただきました。 いつもながら見せ方が素晴らしく、劇場で見るように魅入りながらの読了でした。 @ネタバレ開始 アップで映る吸血鬼の女の子の表情がとても印象的で、噛まれた少年がこの後どのような道を歩んでいくのか…彼自身が舞台に上がり、また別の俳優を生み出すのか、彼の今後がとても気になりました。 がぶり!の演出や街灯をスポットライトに見立てていたところが本当に素敵で、まさに舞台を見ているようでした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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「駄目人間。2―落選編―」賞を取ることに対しての色々と複雑な思いが堪能できる作品でした。 受賞したいと願う方にブスッ!と刺さる内容だと思いました。 @ネタバレ開始 創造神エンドが個人的には一番明るくて好きです(創作系の方はもちろんみんなそうですね…)。 途中で病院に行くエンドでは心当たりの映像が殺伐としすぎていて「これはダメー!」と、環境の変化による心境の変化、焦燥感などで狭まってしまった視野を少し別の視点で拡張するというのは大切だなと感じました。 個人的には受賞できなくても、創り上げたこと自体が既に超偉業だよと思います。 もちろん、「どうしても賞が欲しいぃいーーー!」という方にとっては死活問題なのかもしれませんが…。 このゲームの中の主人公さんが受賞できる日が来るといいなと思います。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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火炎の舞姫初鰹→視聴率最高→本作へと一気に流れてまいりました。 タイトルからはシリアスな印象を受けますが、はたして…スタートに当たるボタンの言葉も意味深で、プレイ前から期待が膨らみました。 @ネタバレ開始 作者様の作品は、毎年一作品ほど静かに心に入ってくる作品があるイメージですが、本作がそうだったのかなと感じました。 発端は子どもの頃のことながら、その瞬間から火に呪われたように兄妹ともに火傷の痕から逃れられず、最後は使用人たちの裏切りで骨となってしまった二人に哀切を感じました。 二人とも、こんな人生は望んでいなかっただろうと思いますし、どれほど惨めで悲しい思いをたくさん重ねてきただろうとも思い、直接的に描かれていない余白を想像して思い馳せました。 炎に呪われたような兄妹に対して使用人たちがあの末路を迎えたことだけは、本作の中で本当にわずかではありますが「よかった」と思える部分でした。全体的に悲しい物語の中でも、必罰が働いたことに胸を撫で下ろし…。 もし来世というものがあるのなら、二人には幸せになってほしいなと思い、読了となりました。 @ネタバレ終了 カオス、カオス、しんみり…と今年も三作、大変楽しく遊ばせていただきました。 混沌としたものからしっとりとしたお話まで、作者様の文章力と表現力にはいつも脱帽しております。 次回作も楽しみにしています! ありがとうございました!
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視聴率最高初鰹をプレイした後でそのまま大変スピーディーに流れるようにDLして本作をプレイです。 そう、かわいらしい園児たちのイラストに「これは心癒される物語に違いない」などとは1mmも思わず、次なる作者様の世界に足を踏み入れました。 @ネタバレ開始 美しい景色が目に染みる…画面下側の文章の凄まじさに、先ほどまで映っていたかわいい園児たちのイメージは砕け散りました(合掌) 確かに教育的…! 日本の遅れた性教育が目覚ましい進化を一気に数百年単位でしてしまった感満載ではありますが、人間のある種の真理というか可能性に満ちた真実(もう何言っているか分からない)を子どもたちの前に明らかにした歴史的な最終回でした…全員ヘッドハンティングされてよかったです。 あの日の子どもたちが、これからの日本を作っていくと信じて…!(どういうまとめ方なの) @ネタバレ終了 視聴率最高の瞬間、拝見させていただきました! 大人でも衝撃的なので、子どもたちは…な素敵な物語、ありがとうございました!
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初鰹ゲーム紹介からもタイトルからもタグからも魚のにおいがしてくるにもかかわらず、物語のすべてが謎に包まれている本作、いざDLして突撃させていただきました。 作者様のお家芸ともいえる「プレイしてみるまでこの世界は見えない」仕様、もはや楽しみでさえあります。 @ネタバレ開始 プール開きの若者たちのホルモンたっぷりの水で煮込んだあたりで、腹がよじれました(瀕死) 議論に戻ったり停止したり…この人たち、何について話し合っているんだっけ?と一瞬ブラックホールというこれまた穴…色々な意味で穴の世界に意識を飛ばしながら、個人的には衝撃の結末を迎えた最後まで読破しました。 このお話でここまで真剣に議論できるあなたたち、すごいよ!と感心までしてしまう次第でしたが、筆頭与力の執念と言いますか五感をフルに用いた卓越した技術力(オブラートに丁寧にくるんでおります)がまさに至高。すごすぎました。 8bit系の音楽が相まって、場のカオス感が増強されていました。 最後の終わり方ァ!と言いたくなる与力ハッピーエンドで、オチが! オチが! 穴オチが!と正体不明の声が出てしまいました。 否、ハッピーエンドだから問題…ない! 最後に一言。 「もどしてしまいそうだ」、タイトルに戻った瞬間にすべてを理解しました…。 @ネタバレ終了 今回も蓋を開けてみるまでは分からない素敵な物語をありがとうございました! 今回もたくさん笑わせていただきました!
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ヘデラの花が枯れるまで昨年のフェスで初めて作者様の作品に触れてから、新作をとても楽しみにしていました。 明暗分かれるタイトル画面に誘われ、今年も堪能させていただきました。 @ネタバレ開始 2日目のひび割れた壁を見た瞬間から「こ れ は …!」と思っていたのですが、知らず知らずのうちに成長する木々や花々のように徐々に根を伸ばして侵食してくる現実にドキドキしながら読み進めました。 事態が明らかに良くない方向へ進んでいくので、もしやひまりさんとさゆりさんは…と覚悟はしていました。 そして、最後の台詞などがない一連のエンディングの流れで思わず合掌…でも生前の御二人の言葉の通り、主人公であり夫であり父である人の心の支えになり、二人の存在があってこそ多くの人を救ったのだろうと思うと、ほんわりとあたたかな気持ちで終えられました。 途中の研究室の真ん中にあったモノと、それが増えていく様は「ぎゃあー!」と声をあげたくなるゾゾゾとするホラー映像に近く怖くもありましたが、そのゾゾゾ効果があったためか最後のとても綺麗などんでん返しがまた本当にあたたかく感じられました。 (あの目玉っぽいナニカは、なんですかなんですかなんですかー!と連呼しながら増殖していく様を眺めていました……。) おまけを拝見したとき、きっと今度こそ途中で途切れることなくひまりさんとさゆりさんに両側から手を取られて笑いあえる夢を心行くまで見られるんじゃないかな…と、夢の中でだけでもまた御二人と幸せな時間を過ごしてほしいなと思いました。 基本的には静かな世界の中で、ここぞという時に鳴る効果音や音楽、一枚絵を豪華ふんだんに使用された演出、すべてが素晴らしかったです。 特に御二人に何があったかなど真相が明かされていくときの演出の丁寧さは、鳥肌が立つほど素敵でした。 ドラマや映画を見ているときの没入感に近いものがあり、完全に主人公に同調して頭が真っ白になっていたと思います。 @ネタバレ終了 大変気が早いのですが、次回作もとても楽しみにしています。 素敵な作品をありがとうございました!
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悪魔の棲むアプリ悪魔が棲むアプリをダウンロードしてしまった!からの大逆転劇、堪能させていただきました! 絶望しきった私の目に映るそれ……そう、誰もが知るあれだ! (あれが気になった方は今すぐプレイだ!) @ネタバレ開始 悪(魔)のバン祭り! 全ルートとても楽しかったです! 「令和の悪魔祓いは物理! 暴力! アルティメットドメスティーーーッッック!! ハレルヤ!!」と叫びたくなるボコボコぶりからトラックアタックまで、悪魔さんをボコボコにして今日もまた幸せになれました。 占いの時は「お前もか!」と思いましたが「カッコイイぜ姉御!」と言いたくなる背中に爆風を背負う主人公さんに、大いに笑わせていただきました(一度倒すと恐れるものなしで無敵っぷりを発揮していく主人公さん、強い…! 素敵!)。 最初から最後までストレスフリーに全画面切り替え含めてサクサク進むので、物語の世界に入り込めました。 主人公さんの顔が連続アップになったりと演出もお見事で、すごくおもしろかったです! @ネタバレ終了 作者様のゲームはセンスに溢れていて、いつもとても面白いですが、今作もサクッと短時間で遊べて笑える素敵な作品でした。 次回作も楽しみにしています。 ありがとうございました!
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ティラノフェス2024オープニング
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せんせはアタシのxxxまだまだ幼い少女とせんせの…もしやイケナイ関係? それともここから不穏な展開に?と開始当初は思っていた本作、蓋を開けてみたらと~~ってもハートフルでした! @ネタバレ開始 卯月さんのかわいさときたら、本音モードの破壊力が凄まじかったです! 初周は「ふむふむ」…という感じで序盤から中盤までは真面目に話を追いかけていましたが、2周目は事情を把握していた&本音モードでニヨニヨが止まりませんでした。 初周の警察に通報~~!のときは「ですよねー」な構図になってしまっていましたが、その後の卯月さんの本音がドドドッと溢れ流れて自爆してしまうところ、本音モードの内心ドキドキしまくりながら頑張る姿はいじらしくて可愛すぎました。 セクシーにできてるよね?とその御歳でセクシーさを全力で頑張るところが、画面の前で見ていて微笑ましすぎてニヨニヨしてしまいます…! とてもかわいいアナログ調のグラフィックに極上のかわいいシナリオが合わさって、2周目をプレイ中はずっとかわいい連呼でした…どうしたって応援したくなってしまう~! これからプレイする方も、ぜひ2周目をプレイして私と同じように悶えてほしいです…! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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黒紅色の夕焼け親の心子知らずとはよく言ったものだと思いますが、人の心の中までは分からないからこそ、話し合いだったり思っていることを言葉にすることがいかに大切なのか、教訓のようなお話でした。 @ネタバレ開始 最後の最後、死の間際に神の采配かご家族と再会できてよかったです。 無理ができない体でお百度参りをしたかいがあったと言いますか…ろくでもない駄目な人生だったと総括することなく、実はその時々で自分と関わろうとしてくれていた人がいたのだと、愛してくれていた人がいたのだと、終わりのときでも気づけたのは救いでした。 そして、物語中ちょっとやきもきしてしまった「ああ、そこでそう思い込んでしまうの…!」「ああ、そこで相手を遮っちゃうの!?」などと感じたすれ違い発生シーンは、きっと現実でも多くの人が日々すれ違いを起こしてしまうポイントだと思い、自分も気をつけようと思いました。 特に葵さんと三人で~の人生最大の猪突猛進アウトコースの出来事は「それたぶん誕プレ買いに行ったとかだよ! あー、出ていくなー!」と画面の前で「二人が帰ってくるまで待っててー!」と主人公の脚にしがみついて引き留めたい衝動にかられました…。 それだけに、人生の最後で清算できたのは本当によかったです。 幸せを結ぶという名の通り、愛といのちのバトンが茜さんに託された終わりに心がジーンとしました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!