Mirin(Hase im Haus)のレビューコレクション
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椿堂ノ火半時間程で読み終わりましたが、これほど重厚な半時間をくださった作者様に感謝したいなと。立ち絵がなく背景だけでシンプルに語られるノベルですが、むしろそれが効果的で良かったと思います。 @ネタバレ開始 最初のお祭りのノスタルジックな情景に、お父さんとの思い出の温かさがじんわり伝わってきました。日本のお祭り独特の儚い美しさが印象的で、花火が打ちあがるシーンは臨場感もあり、お話の中にすーっと引き込まれていきました。 病院を訪ねるシーンではなんとなくドキドキしてしまい、描写もとてもリアルだったのでその場に立ち会ってリアルなドラマを見ているような気分に。 二人でせっかく再び訪れたお祭りは昔の状況とはまるきり変わってしまって11年という空白の月日の長さが感じられました。 可愛い女の子のお面をなぜか取ろうとするお父さん。主人公とお父さんとの確執の理由が判明してそういうことだったのかと腑に落ちました。そして「寛」という字へ込められた思いの深さに胸が苦しくなりました。親が子を愛する気持ちの深さがラストシーンの何気ない会話に表れていて、音楽も追い打ちをかけてきて・・・泣きました。これは・・・これは切ない。 @ネタバレ終了 シナリオの構成が素晴らしく、丁寧な情景描写もあって非常に説得力のある上質なお話でした。テーマもテーマなだけに色々考えさせられ・・・。自分も人に寛容でありたいなと思いました。この作品に出会えて本当に良かったなと思います。 ありがとうございました。
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その恋、暫定につき、可愛い女の子達の華やかなイラストに魅かれてプレイいたしました。 グラフィックのクオリティが高く、システムからUIまで隙のない完成度!そして登場人物みんなフルボイスという豪華仕様でびっくりしました。PVもキャッチーで、商業作品のよう。オリジナルソングが素敵すぎる。ここまでやってフリーとは。 前作をプレイしていなかったのでどんなお話か全く分からずに飛び込んだのですが、それでも十分楽しめました。 @ネタバレ開始 普通の現代学園ものなのかなと思ったら、なんとファンタジー要素ありなんですね。面白かった。 三人の女の子たちの恋愛事情を追っていくと、予想だにしないドラマチック展開でどきどきしながら読み進めました。三人のお話では薬院さんのお話が一番良かったかなと。柳川君との過去を知って、そりゃあんな風に守ってくれたら好きになっちゃうよねと切なくなり・・・。最後に振られちゃっても「ちゃんと自分の気持ちを伝えられて偉かったよ。」と抱きしめたくなってしまう薬院さん。 攻略キャラ以外のキャラもいい味を出していて、特に好きだったのがパルタルさんでした。めちゃくちゃキャラ濃いけど、こういう能天気なキャラ大好きなんですよね。それにしてもどれだけ肩強いの、パルタルさん。 あと謎めいたアルカイックスマイルを浮かべる大野城会長が策士っぽくて好きです。人知れず色々苦労しているんだろうなぁと肩たたき券を進呈したいと思いました。 @ネタバレ終了 全方向にハイクオリティな素晴らしい作品でした。ありがとうございました!
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少女の時空皆既日食可愛らしいイラストと、すっきりして洗練されたUIデザインに魅かれてプレイしました。ゲームとしての完成度がとても高い作品です。演出も細かいところまでこだわりを感じられ、カットインや変わる日付などちょっとしたところまで素敵。BGMなども良く合っていて、プレイしながら作者様のセンスの良さにほれぼれしていました。 @ネタバレ開始 主人公の陽介君のところへ突如現るメリーさん。メリーさんのキャラがとにかく素敵です。ほわほわした髪の毛(帽子)に沢山のリボンがかわいい。かわいいけど、話すと謎の貫禄。笑 ほのぼのとしたお話なのかなと読み進めていくと、ところどころ胸がきゅっとなる切ないお話でした。 陽介君、名前は明るいのに心に結構重たいものを抱えていて、読んでいてメリーさんがところどころ勇気づけてくれるシーンに「うちにも来てくれないだろうか、メリーさん・・・」とメリーさんに始終癒されました。陽介君のゆづきちゃんと暦君とのやり取りも見ていていじらしく、「こういう友達っていいな。青春だな・・・」としみじみ。陽介君の繊細な心の機微も無理なく描かれていて、簡単に片づけられない心のわだかまりがあるからこそ、ラストへの下りにじーんとしました。 ラストでメリーさんが宇宙に帰っていくシーンでは胸がいっぱいになり・・・。またメリーさんに会いたいなと画面の向こうでなぜか自分も手を振っていました。フーセンガムいっぱい持って待ってるから、メリーさん! @ネタバレ終了 どのスチルも素敵で、クリア後にギャラリーでまたじっくりと鑑賞させていただきました。 素敵な作品をありがとうございました!
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DANCING×DANCINGえっ!これがノベルゲーム?!という新鮮な驚きでプレイさせていただきました。記憶力が試されるダンスゲームですが、ものすごく手こずるということもなくストレスフリーでプレイすることが出来ました。 UIのデザインが凝っていてもうそこから素敵なのですが、キャラクター達もとっても個性的でかわいい!!そしてものすごい人数!!! ダンスバトルということで、それぞれが色々な踊りを披露してくれるんですが、この量のイラストはすごいです。このキャラはどんな風に踊るのかな~とワクワクしながらどんどん開放していきました。 曲もノリノリなダンスチューンで、色々選べるのが楽しいです。 作者様の遊び心が感じられる素敵なゲームでした。 ありがとうございました!!
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死と月は寄りそって眠る人間の生きる意味について考えさせられる、とても濃厚なお話でした。分岐もなかったので一時間程で読了しましたが、余韻が凄い。ミステリアスなアニマの樹やテネブレの村の持つ過去、奴隷制など色んな背景があり、読後に色々と考えさせられました。 @ネタバレ開始 モルスの最初の印象が残酷で随分と割り切って生きているイメージがあったのですが、読み進めていくうちに彼の考え方には彼なりの筋があるのだなと。 ルナが連れてこられた時には、どんな答えが返ってくるんだろうとハラハラドキドキしていました。でもルナとの生活が始まってルナのぶっ飛んだ行動が続くのには、それはそれでハラハラしました。笑 剣ってそんな使い方するんですね!知らなかった!ルナもルナだけど、モルスもモルス。ほっこりしました。 そしてルナを暴漢から助け出すシーン!!おっさん、かっこいいじゃないか!!! モルスの記憶障害のところまで読み進めるころには切なくなり・・・。モルスがアニマの木に取り込まれるところでぶわーっと悲しくてやりきれない気持ちに。 これで終わりかなと思ったら、ここからがむしろ本当のエンドだった!!!ルナよ・・・それでもモルスと一緒にいたいのか!!!滝涙 エンディングのアニマの樹の演出は壮大な抒情詩が流れていくようで。素晴らしかった、の一言です。 @ネタバレ終了 クリア後のおまけもじっくりと堪能いたしました。世界観にどっぷり浸かることができて、良い作品に出会えたなと。素敵な作品を世に出してくださり、ありがとうございました!
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雨音と自動人形 結(むすび)細部にまで作者様のこだわりが感じられるとても素敵な作品でした! まずはイラストとPVが素晴らしい!!商業作品のレベルじゃないかと思われる出来栄えです。スチルが効果的に挟まれるので、ワンシーン毎に美しいなぁと惚れ惚れと拝見していました。ボイス付きの豪華な作品なのですが、声優さん達もとてもキャラクターの雰囲気に合っていて、丁寧に演じられていました。 @ネタバレ開始 作品は全体的にしっとりとしていて雨のシーンが長く続くのですが、じっとりとした感じはあまり感じられず、美月ちゃんとの会話ではほっこりしました。最初の雪村さんと彩さんの会話がギスギスしているので、美月ちゃんが会話に入ってきてくれてすごく安心感が。 しかし、突然雪村さんのがちの怪談が始まった時、超が付くほどホラーが苦手な自分は次になかなかクリックできず、画面にいる美月ちゃんを注視してやっとこさ進められました。それでもめちゃくちゃ怖かった!読み進められてよかった!!涙 作品の所々で挟まれる演出も素敵だったのですが、特に記憶を封じるシーンがすごくドラマチックでした。 博士と彩さんの過去のお話を読みながら、アンドロイドの彩さんが涙するシーンにじーんとし・・・。二人の関係が段々としっかりとした絆に変わったと思ったら、博士と離れ離れになってしまって切なかったです。 雪村さんから博士が出てきたシーンには感動しつつも複雑な心境に。ここでの彩さんが人間より人間臭さが感じられて良かったです。 稼働停止していく雪村さんの見た景色の中で微笑む彩さんには心打たれました。締めのエンドロールやクリア後のイラストも美しかったです。 @ネタバレ終了 世界観が独特なので、用語解説などあったら読んでみたいなぁとも。アンドロイドや疫病、記憶玉等色々魅力的な要素が散りばめられているので、もっと詳細を知りたいと思いました。 とても丁寧に作られた素晴らしい作品でした。ありがとうございました!
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混同仮面こういうゲームを待っていた!!という感じの、ギャグ全開下ネタ全開そしてなぜか爽快感も満載のゲームでした! まず、イントロの謎のクオリティ・・・!混同仮面が敵をフルボッコにしていくシーンがかっこよすぎて、イントロを何度も見返して楽しませていただきました。これだけでもうプレイして良かったと思えるので、ぜひ色んな方に見てほしいです。 そして冒頭から色々とシュールすぎる展開が次から次へと続くのですが、最初の五分だけでもう腹筋が大変なことになるくらい爆笑していました。正義の味方・・・なんだろうけど!なんだろうけど!!!色々酷い!!!笑 そして途中に挟まれるミニゲームがまた楽しい!失敗してもいちいちオチがあって笑えます。演出が細かく、周回プレイにも親切で、ストレスなくプレイすることが出来ました。 最後まで見事な飛ばしっぷりのシナリオにはもうあっぱれで。気が付いたらあっという間にクリアしていました。 クリア後のオマケやUIもサービスいっぱいといいますか。ここまでフリーダムな作品に出会えてとても幸せでした。 沢山楽しませていただき、ありがとうございました!!!
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迷子のアレスくん美少年をとんでもない熱量で愛でるすごいゲームでした!笑 最初アレス君かわいいなぁとのほほーんとプレイしていたのですが、お姉さんのテンションがいちいち荒ぶるので会話が頭に入ってこない!笑 疲れたお姉さんがアレス君にいっぱい癒されていて幸せそうだったのが良かったです。でも途中「このままではお姉さんが吐血し続けて死んでしまう!」と妙な心配を。 アレス君の周りの人達もなかなかに過保護で、美少年のパワー恐ろしいと心底思いました。 そしてシリアスなお話はものすごい温度差でびっくりしました。ここからアレス君がどんな風に成長していくのか気になります。壮大な物語を背景に感じさせて、とても良い余韻がありました。 素敵な作品をありがとうございました!
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白い日傘とアンデッドインパクトのあるキャラデザに魅かれてプレイいたしました。 不思議と繰り返される7月14日の謎がホネ子ちゃんとの出会いで段々と解き明かされていき、続きが気になってあっという間に全てのルートをクリアしていました。笑いあり、多少のホラーあり(自分はホラー苦手ですが大丈夫でした)、感動ありと、魅力いっぱいの作品です。 主人公の流太くんがホネ子ちゃんとループから抜け出す為に色々なことにチャレンジするシーンにとても癒されます。何よりホネ子ちゃんが親しみやすく、可愛い!!最初はお札付けていても十分美少女だなと思っていたのですが、ラストシーンでもうこれでもかと天使なスチルが続いて、心が浄化されました。 @ネタバレ開始 流太君がホネ子ちゃんのことを思い出せない理由を知った時に、わーっ!!!と切なくなりました。そういうことだったのですね・・・。 バッドエンドも切ない・・・!最初に悲しいバッドエンド二つを乗り越え、グッドエンドへの期待大で臨んだのですが、もう期待を超える素晴らしい終わり方で。 ひまわり畑のシーンが美しく、更にはウェディングドレス!!!(吐血) スチルの雰囲気が素晴らしく、胸いっぱいになりながら読み終えたらタイトル画面が変わっていてまた感動しました。どのシーンも素敵で、ギャラリーでじっくりとスチルを鑑賞しておりました。 @ネタバレ終了 読後感の良い素敵な作品でした。ありがとうございました!
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夢見た少女のニルヴァーナとても読み応えのある非常にクオリティの高い長編作品でした! グラフィックは隙がない完成度、声優さん達の演技も素晴らしいフルボイス、雰囲気によく合ったBGM、そしてほどよい緩急でテンポよく進むシナリオ、どれを取ってもハイレベルな作品です。 女の子たちはみんな粒ぞろいの美少女!(ラッキースケベ有)どの子もかなり個性的で魅力いっぱいなので、読んでいる途中でどの子にも愛着が湧いてしまい、最後にはもうみんなまとめて好きになってしまいました。 ストーリーの展開も飽きさせることなく、パズルのピースが段々とはまるように謎が明らかになっていくのは素晴らしかったです。 @ネタバレ開始 それぞれにかなりヘビーな過去を抱えている少女たちなのですが、一人一人の葛藤に心を打たれました。どの子もなかなか心を開いてくれないのですが、真実が明らかになる度に切なくなり・・・。在志君と同調して、「この美少女達は、俺が守る!」と謎の使命感を感じました。主人公の在志君もとても良いキャラで。最初は料理の出来ないこっちが見ていて心配になるお兄さんだったのが、少女たちと関りあっていくことで段々と頼もしく成長していくところが良かったと思います。あと、時折いい感じでギャグネタを披露してくれるところが好きです。 みんなで仲良く話しているところには癒されましたが、あずきちゃんとの朝のやり取りが一番好きかな。あずきちゃんがぷりぷりしているのかわいいです。キャラとして一番お気に入りになったのは美羽ちゃんでした。のほほーんとしているけど、面倒見がよくていい子だなと。その分、呑在鬼に呑まれた後に学校でうずくまっている姿が痛ましくて切なかった・・・。素顔描いちゃうとネタバレになってしまうので、FAは夢見ちゃんを描かせていただきました。 ラストシーンがやはり感動的で、夢見ちゃんが幸せになって欲しいなと心から思いました。クリア後に変わったタイトル画面にまたぐっときました。 @ネタバレ終了 これだけ凝ったシナリオを書くのにはかなり気力が要っただろうと思います。作者様がきっと大変な熱量と愛情を注いで制作された作品だろうと感じました。 この作品が沢山の人達に届けばいいなと思います。