加藤 匠のレビューコレクション
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彼女は時のねじを逆向きに回した時間を逆行しているという女性に出会い、 困惑しながらも話を聞いていくストーリー。 テンポ良い文章で、読み進めやすい短編ノベルでした。 文字サイズ変わったり、ルビがおかしかったり、 テキストの仕掛けも良かったですね。 「唖然」のルビは無限の可能性がありますね…! 主人公が言うとおり、やや都合が良すぎる設定と感じましたが、 そのへんはオチで納得できました。 「逆行して生きている」という概念自体が不思議で、 実際それはどういうことになるんだろうと、 主人公と同じく、頭の中で色々な想像をしたゲームでした。
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道玄坂女子中学2年A組オカルトカルテット怪奇ファイル01行方不明者の行方はどこ? 渋谷で都市伝説に迫る、女の子4人組のお話です。 途中からゾクッとする展開にも…。 4人とも良いキャラしてましたし、何より可愛かった。 キャラの立ち絵はぬるぬる動き、フルボイス! テキストは自動で進む割り切った設計! というわけでアニメを見てる気分になりました。すごい。 冒頭から服装の違和感などがありまして、 これは立ち絵やツールの開発事情かなと察してた部分があったのですが、 これにもちゃんと意味があって、感激…! 「ファイル02」とか続編があってもおかしくないと思うものでしたし、 続編が作れるポテンシャルのあるキャラ達だなぁと感じました。 あとショートアニメ(プレイ動画?)作品として展開できそうだよなぁと、 ツールの使い方にも可能性を感じました。
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終わり少女10分ほどでサクッと遊べる短編でした。 どこか不安になるBGMとマッチしてて、雰囲気が良かったです。 個人的にはメインの話とは少しズレますが、 人形売りのおじさんの話が印象的でした。 自分で時間かけて作ったものを売ってるはずなのに、 いざとなると、へりくだってしまう感じね…胸に刺さります。 全然、見向きもされてないと思いきや、 一人でも欲しいと言ってくれる人が現れれば救われるよなーと、 作る側の地獄と天国を垣間見た気がしました。
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失われたIを求めて「記憶移植」がテーマのSF短編です。 20分もあれば真相までサクッと辿りつけます。 ゲーム紹介のタグに「すこし不思議」と入れているあたり、 作者さんとは仲良くなれる気がしました。 音による没入感がとても高いゲームで、 推奨通りヘッドフォンはしたいところです。 開始数分でグッと世界に引き込まれたのはすごいなと思いました。 移植される記憶の話を聞いているくだりとかはもう興味津々、 読んでてすごい面白かったです。 ちょっと物足りないかな?と思うと、 しっかりと真相が明らかになるネタがあったり、 文字入力させる場面が出てきたり、 ミスれない選択肢の使い方も良かったし、 短編ながらも色々な手でプレイヤを楽しませてくれる、 満足度の高いゲームでした。 あとヒロインはシルエットでも、可愛いと思えるのが不思議…。
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あの空の向こうにスクリーンショットの画像だと恋愛モノと思いそうですが、 サスペンス寄りのゲームでした。 1プレイ10分ほどでサクッと楽しめます。 冒頭の人物紹介から妙な違和感があり、 後半は「えっ?」と思っちゃうような、 どこかヒヤリとさせてくれる展開に。 感情を揺さぶってくる要素がいくつかあって、 そのあたりがとても良かったです。 作中にいくつか選択肢がありますが、 それらも揺さぶってくる要素の1つですね。 どちらを選ぶか割と迷っちゃう。 どっちの結果も見てみたくなる。 結果的に全エンド遊ばせてもらいました。 全てスッキリ明らかになるわけではないですが、 遊んだ人の想像/解釈の余地があるという点では、これも好みでした。 事故が起きた2012年も土曜だし、 毎回、めまいを起こすのも土曜なんだよなぁとか、 勝手に深読みしてみたり…。 ※もしかしたらスペルミスかも? Case2と3の「anyting」は「anything」の間違いかもです
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PIERROT THE MAD意味がわかりそう。よくわからない。 でもわかった気になりたい。 難解なものを理解する。そんな自分に酔いたい。 文に脈絡がない?Skyrimの書物みたい? 関係ない。格好良い。シンプルにカッコイイ。(E)。 低重音のBGMが良い。良き。 無音から開始。1ページ送った後から流れる。これ最高。 見様見真似。短文を紡ぎたくなる。 だからコメントもそうなってる。 ありがとう。センス良いゲーム。
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タマキハル~零章 プロト~「ちょっ!そこで終わるんかーい!」と、思わず深夜にツッコミました。 こちらはプロローグ編ということで、物語は完結しませんが、 すごく続きが気になるところで終わります。 うまいところで終わらせてきたなぁ…と思いました。 これ、プロローグ編を最後までやった人は、 続きが出たらもう必然的に遊んじゃうと思います。 どうなっていくのかホント気になる…。 この作品では途中から「事件」が起き始めたり、 生きてるかどうか存在のちょっと怪しい人が出てきたりもします。 個人的に、ただ男女がキャッキャウフフするものはあまり得意ではないので、 そういった少し特殊な要素も散りばめられているのが良かったです。 登場人物の中では胡桃ちゃんと沖崎さんが印象的でした。 あと学校でのイベントについては、 「そんなのあったあった!」と懐かしい気持ちになりました。 新しいクラスに誰がいるか、好きな子はいるかどうかを見て、一喜一憂したり…。 教室の座席は窓際の一番後ろが良いとかで騒いだり…。 めんどくさい委員会決めがあったり、 自らラクそうな委員会に入って、逆にサボろうとしたり…。 ちゃんと学校を学校らしく再現しようとしていて、 感情移入しやすい舞台としてイイカンジに思いました。 日時が進んだら体育祭、文化祭とかも期待しちゃいますね。 今回のプロローグだけでも1時間以上は遊んでいたと思いますが、 主な日常会話はテンポ良く読めるのも良かったです。 作者さんいわく誤字脱字が多いそうで、確かにいくつかありましたが、 内容が読み取れないようなものはなく、 遊んでいて気にするほどではなかったです(笑 ※ちょっと気になったバグ報告 GoogleChromeのブラウザ起動で確認しています。 タイトル画面の「設定」を押した後にCONFIG画面になりますが、 「BACK」で戻るとなぜかゲームデータのロード画面になります。 それをさらに「BACK」で戻ると、 一瞬CONFIG画面が表示され、タイトル画面になりますが、 どうもCONFIG画面のボタンが表示はされていませんが、判定は残っているらしく、 マウスカーソルを動かすと、見えないボタンが押せてしまいます。 押した場合「ラベル:'auto_speed_change'は存在しません」などのエラーが表示されます。 ゲーム進行に支障はないように見えますが、挙動としてはかなり怪しそうです。 ゲーム開始直後にやらかす可能性が高く、 これでゲームの印象がマイナスになっちゃうのがもったいないので、 ぜひ修正いただけると!
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おじいちゃん、お見舞いに来たよ「Congratulation!」…じゃないよ!と思わず声をあげました。 とてもテンポ良く、ハラハラさせてくれる超短編ゲームです。 真顔で迫ってくる孫も、看護師さんも良いキャラしてます。 どうすれば助かる選択になるのかがイマイチわかりませんでしたが、 1プレイ1分程度で遊びやすいので、リトライしやすくて良いですね。 特にセリフやBGMがワンパターンじゃないので、 リトライも楽しくできる仕掛けになってるのがGoodでした。 気になった人はまず遊んでみるのをオススメします、 ホントにこの感想読むのと同じぐらいの時間で遊べちゃいます。 人によってはかなり強烈な印象(トラウマ?)を残しそうなゲームです。
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みつばちらびっとのなんやら音楽ユニット「328Rabit」のゲーム。 プロモーションゲームというのかな、 内容としては音楽やボイスを聴くのがメインです。 とにかく曲を聴いてくれ!という割り切った内容が潔くて好き。 曲のスキップとかもできず、 プレーヤーとしてはやや不自由ですが、 そもそもスキップするな!という意思が感じられる(笑 「みつばちちゃん」というキャラが曲の紹介とかをしてくれますが、 黒歴史をほじくり返しちゃうようなものもあって、 そのあたりも読んでて面白いですね。 曲としては「笑顔ステップ」が好きでした。 高音と低音の相性が良くて聴きやすく、かなりイイカンジなのに、 デュエット(野郎の声)はこれで最後なのね…。
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いどだどゲーム風ノベルゲームいつ、どこで、だれが、どうした、を組み合わせて、 色んな物語が読めるよ!というゲームです。 狭いトイレで女の子に殺されたり、 学校でヤンキーみたいな男に告白されたり、超展開にビビリました。 そもそも小学校の頃に「いどだどゲーム」なんてやったっけ? という個人的なカルチャーショックもありました…。 内容について気になったのは、 「いどだど」は選択肢で選べなくても良いのでは?と思いました。 選択できるがゆえに、その規則性にすぐ気付いてしまうので、 上記のような突拍子もない展開がすぐに生まれなくなるのは、 ちょっと残念に感じました。 個人的には「いどだど」が勝手にランダムで選ばれてしまう方が、 遊ぶ側も予想がつかなくて、そのカオスっぷりが楽しいのではないかと思いました。 それなら選択ボタンを用意する必要もないので、 「いどだど」の数を拡張しやすいという開発側のメリットもありそう。 ただ、お気に入りの組み合わせを探すのが このゲームのイチオシポイントっぽいので、それであれば、 選択ボタンを番号にしてわかりにくくする必要もないのでは?とも思ったり。 組み合わせを探すのを楽しむのか、超展開を楽しむのか、 どちらを推してるんだろう…というのはちょっと気になりました。