ななづこのレビューコレクション
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嘘の手紙記憶の中を探索する体験が面白い作品でした! 一通の手紙に隠された嘘を探すお話です。真エンドまで読了しました。 10年前の山中に何があったのか、主人公の記憶をなぞるように探索していきます。 登場人物の台詞から情報を得て、少しずつ何があったのかが見えてくるのが面白かったです。 最初は多くの謎が隠されていて、真相が気になる・探りたいと感じながら隅々まで探索しました。 特に「曖昧な記憶の中」という世界観の表現が素晴らしかったです! 白を基調とした不安定な画面や、顔が描かれていない人たちなど、実際にその世界を歩いているような没入感がありました。 @ネタバレ開始 ヒントモードのおかげで、スムーズにクリアすることができました! 何が嘘なのかを考える3つのエンドと、たどり着く真実という構成がとてもよかったです。 読了後は、マルチエンドながら一本の道を辿っていたのだと感じられました。 @ネタバレ終了 とても暖かい気持ちになれるお話でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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うなずく、うべなう細部まで作り込まれていて、とても満足感のある短編作品でした! 蘇ったあとを生きるふたりと、中途半端に蘇ってしまった主人公のお話です。 考え方の違うふたりの話が印象的でした。 没入感のある演出が素晴らしかったです! うなずく・瞬きをするなどの動的な表現や、画面上部に映るお札が、主人公の視界そのものを映しているようでした。 @ネタバレ開始 「頷く」も「頷かない」も、受け取る側によって肯定と否定のどちらにもなり得るんだなと感じました。 付記でエンドの達成条件が確認できたり、ちょっとした補足情報が見られるのが嬉しかったです! @ネタバレ終了 「生きてる」の定義って何なんだろうとつい考えてしまう作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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片恋スターマインとても面白かったです…! 2時間半ほどで全エンディングを読了しました。あっという間の時間でした! 主人公・桃耶ちゃんが抱える恋心を中心に展開されるお話です。 どちらのルートも、一筋縄では行かない困難が立ちはだかり、自分や相手の心と向き合いながらそれを乗り越えようとする物語でした。 簡潔な文章の中に繊細な心理が巧みに描かれていて、3人それぞれに感情移入しながら一気に読み進めることができました。 置かれている状況やお互いの心が複雑で「どうやって乗り越えるんだろう」とハラハラしながら読みました! どちらのルートでも、桃耶ちゃんが自分の気持ちと真剣に向き合い、悩み、乗り越えようとしているところがビシビシと伝わってきて、すごく応援したい気持ちになりました。 @ネタバレ開始 本作をプレイする前に過去作もプレイさせていただいたので、翔くんが抱えている気持ちを知っているだけに、序盤から既に胸が締め付けられる思いでした… 翔くんルートは前半と後半で「片想い」の関係が変わるのが、本当に見事な構成でした。 幼馴染みという関係性が好きなのですが、幼馴染みだからこその苦悩が丁寧に描かれていて、とてもよかったです…! 紫季先輩ルートは、片想いをする桃耶ちゃんの葛藤や、等身大の恋心がすごく魅力的でした。 どんな形でもいいから傍にいたいと、今を必死に繋ぎ止め、次を求める姿が健気で… 紫季先輩のルートは特に、どうハッピーエンドに転ぶのか最後までわからず、とてもハラハラしました。 しかし納得できる形でエンディングを迎えられて、本当によかったです…! 理解しやすい文章・魅力的な心理描写・ドラマチックな展開など、内容そのものも面白いのですが、演出もとてもよかったです。 花火などの環境音、カメラワークの演出、スチルのカットなど、情景が鮮明に浮かぶような見せ方がすごく魅力的でした。 @ネタバレ終了 とても心にグッとくる作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!
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しようよ七海君!まさにラブコメディ! タイトルの通り、押せ押せな主人公が優等生の七海君にそういう意味で迫るお話です。 2人の掛け合いに勢いがあって、戦闘ボイスが更に拍車をかけていてとても面白かったです! 掌編ながら、冒頭の掴み・物語の経緯・エピローグなどそれぞれがしっかりと描かれていて、読了後は満足感がありました。 過去作とは全く作風は違いますが、読み手をいい意味で裏切る・意外性を持っているところが、過去作に共通して面白い点だなと感じました! 笑って楽しい・じんわり温かくなれる、そんな素敵な作品です。末永くお幸せに! ありがとうございました!
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Sea glass(シーグラス)とてもおしゃれで、引き込まれる作品でした。 一本の映像から「見る人」と「見られる人」の視点が描かれたお話です。 青で統一された清涼感のある画面と、時折背景で流れるムービーがおしゃれで、画面デザインで作品の世界観が表現されているのがすごかったです! 実際に主人公と映像を見ているかのような没入感があり、瑞々しくて清涼感のある美しい映像なのだろうということが伝わってきました。 また、一週目と二週目で「青」の感じ方に変化が起こるのがとても印象的でした。 @ネタバレ開始 最初は爽やかで清々しく感じられていた青が、二週目では寂しく冷たい色に感じられました。 誰かの素敵なところを知って、素敵な人だと思っても、それが本質とは限らないのかなと思います。 それを忘れてしまうと、ただ理想を押し付けるばかりになってしまう…そんなリアルなお話でした。 一週目の主人公と、二週目の彼女が持つ「シーグラス」に対する認識の違いが、この作品を象徴しているようでした。 @ネタバレ終了 彼女が描いた絵、私も見てみたくなりました。 素敵なゲームをありがとうございました!
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1MINUTE IRREVERSIBLE(ワンミニッツ・イリバーシブル)作品が持つ独特の雰囲気に魅せられる作品でした。 「まもの」と子供が迎える、運命のお話です。 最低限の情報しか与えられない中で、「描かれていない部分」の存在を確かに感じられました。 様々なことを思い、生きてきた者の最後のワンシーンが切り取られたような印象です。 短い時間の中でも、音楽・SE・暗転のタイミングなど、全てが計算されて作品の雰囲気が作り上げられているようで、凄かったです。 @ネタバレ開始 決まっている運命を嘆くのではなく、そこに至るまでをどう捉え、何を選択するか。 そんな問いかけがされているような気がしました。 運命を受け入れながらも、少ない選択肢の中でよりよい道を選ぼうとする2人が、とても印象深く心に残っています。 「まもの」のこと、子供のこと。語られることは少ないものの、2人は確かに「家族」だったのだろうなと感じました。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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森の不思議と小さな出会い3人の少年少女の、かわいらしい出会いのお話です。 淡い色合いのグラフィックが柔らかくて、絵本や童話のような世界観でした。 お話も優しく、ちょっぴりハラハラするけど温かい作風が素敵でした! 明るい女の子に振り回されるクールな男の子、とても好きです。かわいい… 素敵な作品をありがとうございました!
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オカルト学園七不思議異世界の学園に迷い込んだ主人公が、元の世界に戻るために七不思議を調査するお話。 1時間ほどで、8つのエンディングを見ることができました! 友達想いな大牙くんも、物腰が丁寧に見えて大牙くんにはちょっと雑な光晴くんも、素敵なキャラクターでした。 バッドエンドのスチルがどちらも印象的だったので、ちゃんとエンド回収してよかったです! ありがとうございました!
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毒味メイドと嫌味シェフ両片想いの2人のやりとりが可愛くて、終始笑顔になれる作品でした! お互いに喧嘩をすることがコミュニケーションの一環になっていて、このままではいけないと心ではわかっていても一歩踏み出せない… そんな甘酸っぱい2人がとても可愛かったです! そして、2人の背中を押してくれる陛下のキャラの強さ…!セリフがクセになるものばかりで、とても面白かったです! 2人が幸せになれるように導いてくれる、愉快で素敵な陛下でした。 イヴァンさんとサシェちゃんも、応援したくなる素敵なキャラクターでした! クリア後のおまけも充実していて、とても満足感のある作品でした。 グラフィックの美麗さはもちろん、世界観に合った見やすいUIなど、細かい部分まで作り込まれていて素晴らしかったです! 素敵なゲームをありがとうございました!
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もんだいがある▼個性的なキャラクターとの会話劇が、コミカルで楽しい作品でした! エンディング4つとおまけ6つ、すべてコンプリートしました。 短い中にもキャラクターの生い立ちや考え方がしっかりとあり、4人とも魅力的で楽しかったです! @ネタバレ開始 須藤くんの印象が最初とクリア後で変わるのも素敵でした。 須藤くんの行動、主人公のためを思っていることが伝わってくるのが好き… おまけもすべて見た後で本編を最初から見て「思い募らせてたんだなぁ」としみじみ思いました。 「クレープ屋さん」って言うのかわいいね… @ネタバレ終了 楽しい作品をありがとうございました!