ルリエのレビューコレクション
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パーソナル・スペースバラバラになった個人の記憶をバラバラの時系列で見ていくsfラブストーリーです。sfで独自の言葉があり、時系列がバラバラなので途中で混乱することもあるかもしれませんが、そこを作者様の力量でわかりやすいように工夫されています。途中で挟まれる主人公やラズリちゃんの説明がプレイヤーに親切です。その為、ああアレがこうなってああなったんだ!という点と点を線で繋ぎ合わせることができた時の喜びを存分に楽しめました。 @ネタバレ開始 Sfだしタイトルにも入ってるしということで当然宇宙が舞台です。地球以外の星にいる知的生命体! そこで発達した高度な科学技術! やがて起こる地球との戦争!と中々規模が大きい話ですが、本作で中心となるのはあくまで個人と個人の繋がりの話。広大な世界観で繰り広げられるクロハとシロエ、そしてその周りの人々のお話はとても感動的でした。 終盤の絵が特に印象に残っています。全体的にこれは悲しいお話かもしれませんが、私はあの2人が再会できたことを信じて悲しいお話で終わったとは思わないことにしました。 @ネタバレ終了 そしてラズリちゃんが好きです。あの見た目と喋り方のギャップが良き……
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ありすすいーぱーティラノスクリプトはノベルゲームを作るソフトだが、なんとマインスイーパーも作れるという恐ろしい事実に気づかせてくれた作品です。しかもフルボイスでUIの凝りようが凄い。マインスイーパーが好きなので、完全攻略バッチ目指して頑張りました。でも失敗しても良い物が見れます。ありすちゃんかわいい。 正直退院後で松葉杖生活なんだからそんなに急がなくても連絡入れれば相手は許してくれるよ…… 無理しないでありすちゃん……と思っていたのですが、人間は非合理的な生き物で世の中には説明がつかないことが沢山あるのです。時間を守りたいありすちゃんを手助けする為に我々はひたすら爆弾処理に励めばよろしいのです。 可愛らしく面白い作品でした。ありがとうございました。
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Eat-Tsuke!大変面白かったです。 ウェブサイト系のホラーって面白いものが多いよねみたいな軽い気持ちでプレイを始めたのですが、いつの間にか本作の世界にのめり込んでいました。とても引き込まれる文章で、あっという間の1時間でした。 最初の文章がこのノベコレというサイトに掲載されている状況にマッチしていて、虚構と現実の境が融解しているような不思議なリンク感があるのが好きです。某掲示板独特の空気感だったり、現実世界のあれこれだったり。 日記の写真の背景による雰囲気作りもとても素敵です。 @ネタバレ開始 謎の日記を読んだことで始まる怪奇現象!お前も道連れじゃあ!!からの2週目で画面がああなってびっくりしてしまいました。そこから始まる内容は怖いというよりはやるせない。プレイ後に重くのしかかる感触がしました。あの時ああしていればもっと違う結末にいけたのかなって。この2週目の内容を踏まえて1周目を思い返してみるとまた別の感情が湧いてきますね。きっと現実でも似たようなことは起こっているのだろうということが怖かったです。 3週目の演出も好きです。 @ネタバレ終了 2週目が終わると同じデータではもう二度とこのゲームは遊べないのでしょうか?
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蝶塚 -昆虫標本慕情-主人公が蟲好きの草輔先生のお話を聞く和風なゲームです。お話選択で蟲の名称がクリックすると学名に切り替わるところや、ゲーム開始の演出や、漢字表記や言い回しの美しい古めかしさ等細かいところで世界観を楽しめました。お話の内容自体も幻想的、怪奇的で凄く好きな雰囲気でした。 個人的な話ですが蟲は凄く好きな生物で、見た目も綺麗だけど生態の美しさが良いという先生のお話には共感を覚えました。蟲に限らず生き物の生態って不思議で面白いですね。 そして、終盤のあかねちゃんの笑顔がとても可愛かったです。彼女がなったものが先生が好きな子によく似ているのが微笑ましいなと思いました。親愛なのか恋情なのかはさておき、とにかく先生慕われてるなあと(ここの解釈が間違っていたらすみません) おまけもとても面白かったです。ありがとうございました。
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贋作のゆりかご。とある事件の犯人の元に突撃取材してお話を伺う作品です。語り手の燈ちゃんの可愛らしいお顔が話の最中に黒く塗り潰されたり、話の内容に沿って変化する背景の演出が素敵です。表情が見えないからこそ移ろいゆく後ろ側が映えるというか。彼女は一体どんな顔とどんな感情でこの話をしているのやら…… 最後辺りの問いかけや、作品のタイトルの贋作と書いてきみと読ませるのも凄く好きです。 おまけの彼女の言う通り最初から真作なんて求めなければ、自分が贋作であると思い始めることも無かったのでしょう。それでも求めてしまうのがどうしようもない性ってやつなんですかね。せめて自分だけは自分を認めて生きていきたい。そう思いました。 素敵な作品をありがとうございました。 ところで主人公の命は無事でいられますかこれ?
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ティラノフェス2020オープニング
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堕獄の花園、嘱目の人鳥。~Sanatorium・Garden~前作に引き続きプレイさせていただきました! 本当に大好きです。 @ネタバレ開始 独特の世界観と可愛らしいキャラグラフィックは前作もそうですが、今作はより近未来感が楽しめました。あと曼殊沙華ちゃん(無性別)が可愛い。髪のもふもふ感とか、ミイちゃんを抱えてる姿とか。アイさん筆頭のペンギンさん達、狐のリコさんも大変可愛らしかったです。 新キャラの研究員さん達も好きです。最初は前作の町の住人のことがあって、どうせこいつらもヤバい奴なんだ……信頼してはいけない……と警戒心MAXで読み進めていましたが、皆結構良心的な人で、えっ!? 優しい!?と驚きました。いや、世間的に見れば大概アウトなこともしているんですけど前作の人達と比べたら滅茶苦茶優しい。あの上野さんですら優しい。(記憶戻った曼殊沙華ちゃんに思いっきり警戒されてて笑いました)(本当にこの人、何処にでもいるな……) 前作もそうですが純愛がテーマのこの作品。今作は研究員さん達の愛を見て、曼殊沙華とアルビフロラが自分達の愛に向き合うストーリーだと思いました。歪んでいるかもしれないけれど、それを愛ではないと否定することはできない。あれも愛、これも愛。パサさんとかおりさん、仲直りできて良かったな……とか、べるさんと小春さんのコンビ好きだな……とか色々感じました。ちょっとズレたところもあるけど何だかんだ上手くいってるっぽいし? 平和だなあ……(犯罪行為と人形の山に目を背けつつ) そして曼殊沙華ちゃんですよ。前作から凄く情緒が成長してて感動しました。特に侵入者を殴りつけたシーン。よくやりましたよ!! アルくんとも話し合ってようやく前作では聞けなかった答えも聞くことができて……ほんと……良かったなぁ…… アルくんは相変わらず狂気的で怖いところもあるけど、曼殊沙華ちゃんにとっては凄く頼りになる大切な人なんだなと。 燃えていく教会をバックに愛を誓うシーンも一緒にドールになるシーンもみんなでお出かけするシーンも愛に溢れていて最高でした。プレイ後に曼殊沙華の日記の最後のページで良かったねとほんわかした気持ちになりました。 彼岸花の花言葉は悲しいものが多いですが、深い愛情を感じさせるものも沢山あるので正に二人にぴったりな花だと思います。末永くお幸せに! @ネタバレ終了 滅茶苦茶良い純愛ゲームをありがとうございました。またこの素敵な世界を垣間みることができたら嬉しいです。
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横行する饅頭、独白する人鳥。すき〜としか言えない。真ん中にテキストが表示されるタイプのゲームは珍しいので新鮮でした。背景の画像とかシンプルなBGMがどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。倫理観が欠けたキャラがほとんどですが、キャラグラがとても可愛いので何となく憎めない気持ちになりました。 登場人物の大半が酷い人間で主人公と後輩二人の幸せを願うばかりです。どちらのエンディングも救いはあると言えばあるのでわぁ~純愛だ〜(ヤケクソ)と思いながら読み終えました。素敵なゲームをありがとうございます。