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そうりゅうひかりのレビューコレクション

  • みえない二等星
    みえない二等星
    構図としては「軽音楽部と天体観測の青春物語×恋愛×ボーイ&ガール・ミーツ・爺さん」という欲張りセット。一本道のノベルゲームである。 星を主題にした音楽はいくつもあるが、「これら三つのジャンルを組み合わせてどうやって話を成り立たせるのか?」という好奇心があってプレイした。 @ネタバレ開始 加賀谷北斗:本作の主人公。幼馴染持ち。何でもそつなくこなせるが、一定のレベルまで行くと冷めてしまう、という少年ジャンプ系の主人公像とは程遠い性格。 高村爺さんと出会ってからは、青臭さのある少年になっていく。そういう意味では、主人公の成長物語とも呼べる。 来瀬美波:本作のヒロイン。クールなイメージ。青春物語と恋愛の側面を担う少女である。過労で倒れてしまった北斗のために自分で弁当を作ったり、カフェのシーン以降はかわいい側面も見せるなど、ヒロイン力を引き出されていくのが魅力的だった。 高村清二:本作のアナザー主人公。深みのある声が印象的だった。最初は星や星座の博識っぷりを披露し、ギターも見事な腕を披露する謎の爺さん。実は妻の死から天体観測をもはや執念と言うべき想いで続けていた、という過去を主人公の追求で認める。最後は余りにも出来すぎじゃない?と思えるほどのドラマチックな死を遂げることに。また、劇中では主人公の追求も不完全なまでは上手く受け流したり、認めた後も「探偵ごっこをするにしては未熟だ」と諭すなど、ただの気の良い爺さんでは終わらず老獪な一面も見せている。 実は私生活はジャンキーであり、「まあ糖尿病になるのもな...」という感想を抱いた(ただし、糖尿病のかかりやすさは体質や遺伝も強く関わっている)。 草間 令人、天宮 奏女、保科 七音:主人公とヒロインの先輩達。おふざけや茶化し担当ではあるが、良い先輩。話の本筋には深く関わらないが、物語の清涼剤として機能している。 @ネタバレ終了 切なく、美しく、胸が温まり、それでいてところどころコメディ要素も程よく混じった良作。読み進める手が止まらずあっという間に完走した。 誤字は数か所あるが、あまり気にならないレベル。ゲーム自体の完成度や声優の演技力も高く、 「これを無料で出来るのが信じられない」 というのが正直な感想である。

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  • ほしをさがして
    ほしをさがして
    無気力な女子と幽霊女子、そして二人の仲介役とも呼べるミステリアスな先輩女子とラフな先生、モブキャラ数人が登場人物のノベルゲーム。フルボイスである。 @ネタバレ開始 ゲーム内での選択肢は二つあるが、ノベル自体は一本道で進む。 一番心を揺さぶられたのは、めいがいなくなることに強がっていた主人公が不意に涙を流すシーン。オレは入院していた父方の祖母に立ち会ったことがあるが、愛憎はあったもののその時に命が長くない、と感じた経験もあった故かもしれない(現時点でその時から6年経っているが、祖母はまだ生きている)。 話のテンポは冗長に思えたが、クライマックスはそれまでの展開のタメを爆発させるかの如く一気に進むのが見どころ。とはいえ、エンディングは尻切れトンボのような呆気なさを感じた。 @ネタバレ終了 良かったこと ・それぞれの登場人物の感情を言葉で上手く表現している ・声優の演技力 気になったこと ・誤字脱字が結構ある

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  • 夜に咲く華は、君のようだった
    夜に咲く華は、君のようだった
    イラストからプレイ。 @ネタバレ開始 主人公が高校からの同級生であったヒロインに告白。しかし、ヒロインは既婚者だった...という展開だが、主人公もそれは分かっていた。それでも告白したのは初恋を本当の意味で終わらせるためだった、という話。 最後はメッセージ欄に何を入れるのか、で締められるが、何度かプレイしたが無言のままか、一言「元気でな」で去って行った。

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  • GIRLOOK BOYS
    GIRLOOK BOYS
    日常的に女装していることから、数ある女装ヒロインのゲームの一つとしてプレイした。 Q,やってみてどうだったか? A,一つ一つの話で、感情を強く掻き立てられる作品。二分すると一つ目、四つ目は怖さ、二つ目、三つ目は切なさ。女装ヒロインのバックグラウンドも丁寧に語られている。 @ネタバレ開始 1,愛'm the ラストLOVE 愛が男性恐怖症の主人公に恋愛アドバイスをしていたが、実は主人公も付き合う男性も掌で転がしていた、という話。最後の真相はサスペンスものとは別ベクトルでの怖さがある(ホラーさが強い)。 主人公は愛の気持ちに気づくのか、というか気づかない方が幸せなのか? 2,夜に融ける タイトルの由来は言うまでもなくヨアソビの代表曲であろう。五条は女装アイドルとして人気だが、本性は口が悪くガラも悪い少年。母親には人形扱いされている。 主人公とともに切ない幕を閉じる。 3,papillon まどかマギカの要素を取り入れたような短編。「私」は女装男子だが、宝塚の男役のような雰囲気。マスコットはキュウベエのような雰囲気を感じた。「私」が引退して「君」が魔法少女を引き継ぐことになったが、誰かが願いを諦めて魔法少女という職に殉することがない限り、また誰かが魔法少女を引き受けなければならない。 残酷なものだな、という感想が湧いた。 4,ヒミツのドクオクン スタンダードなヤンデレ展開。ドクオクンが一緒であることに何故こだわるのか、ということが語られる。あとドクオクン、口が上手い。単純な怖さはこのシナリオが一番だが、ホラーみは一つ目のほうが勝っている。 @ネタバレ終了 普通の女装ヒロインもののゲームとして見ていたが、切ない系ゲームが好きなオレとしては、結構刺さった。

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