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大森ユウキのレビューコレクション

  • My fire
    My fire
    まさしく「ハートウォーミング鬱SF」でございました…! 短いプレイ時間のなかギュギュっと詰まったエモさに頭をぶん殴られたような気分です。 文章の読みごたえが、すんごいんです。 次へ次へと読み進めたくなるような魅力的なテキストでした。 テキスト以外にも、レトロなBGMとSE、特徴的な色遣いの可愛いグラフィック、物語にマッチした画面構成など、素敵なところがたくさん! @ネタバレ開始 SF要素の「靑炭」の世間での扱われ方などの描写が、やたらとリアルに感じました。 食べられる炎、タンパク質が主成分なんだ…。 簡単に培養複製できるんだったら、確かに政府も利用したいと思うだろうなあ…。 それから、とにかくホノオくんが可愛かったです。 あれ、礼儀正しい子なのかな、と思わせておいて「なんて言うと思った?」のニヤリとした表情が可愛くて、序盤から好感度がぐんぐん上がっていきました。 ほっぺたをうにうにしたくなります。 生意気少年可愛いなあ~~と、にこにこしていたら突然の鬱展開フリーフォールでした。 え、もういなくなってしまうんですか…しかもサモエドわんちゃんも…。 さりげなくバックログにいる可愛いわんちゃん……。 設定資料集を読んで膝から崩れ落ちました。 ホノオくんの正体も、プロポーズも、本当の溺れた原因も……。 本編の外でも的確に心を刺してこられる手厚いサービス。 序盤の「炎がお空に帰りたがってる」のセリフが、やけに印象的だったんです。 まさか本当にお空に帰ってしまうとは。 ホノオくんの髪の毛がお空に帰ったら添乗員さんの髪の毛をもらう、なんてやりとりをしてましたね。 髪を切った添乗員ちゃんもとても可愛いです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 夜梟伝
    夜梟伝
    伏線が丁寧に織り込まれた読み応えのある物語も、多彩なミニゲームも、どちらも楽しめる作品です。 和風スタイリッシュかっこいい演出をたくさん堪能させていただきました…! タイトルの題字が出る時点で、もうかっこいい。 ムービーやカットインなど、動く演出がとても多くて贅沢な気分になりました。 楽しい驚きがいくつもあったので、これから遊ぶ方にはネタバレを絶対に見ないでほしいと思いました。 遊んだ方には作者様のX(Twitter)アカウントにリンクがあるnoteの「【夜梟伝】小ネタ・伏線集」を読むことをお勧めします。 @ネタバレ開始 お茶碗の持ち方のクセなど、ご先祖様がたとの繋がりを感じられる描写にほっこりしました。 外伝の宴のスチルが微笑ましくて、その夜限りかもしれなくても素敵な時間を過ごしていらっしゃったらいいなあ…!と思いました。 キョウくんとセキさんが領主たちをそれぞれ仕留めに行くときの戦闘で、押し寄せてくる敵たちをばっさばっさと切り捨てるのが気持ちよかったです。 無条件に先読みができるのは力量差のせいか…!?と邪推してドキドキしてしまいました。 二人に感情移入して「仕留める」のボタンを押す指に力が入っちゃいました。演出がお上手…! 本の名前でのタイトル回収と本のページをめくる演出にめちゃくちゃテンションが上がりました。 飄々とした商人のお兄さん素敵…!と思っていたら、まさかの正体にびっくりしました。 戦闘訓練の不在のイラストにもバリエーションがあって楽しかったです。 「昼寝中おこすな」が好きです。 戦闘訓練の「最強の相手」が自分自身なの、最高ですね。 バッジ説明文の「立ち向かい『続け』」の部分もめちゃくちゃ好きです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 北限のアルバ~春の章~
    北限のアルバ~春の章~
    まるで暖かい陽だまりみたいな、優しくて癒されるお話でした。 真ちゃんと隼人さんを「あらまあ…うふふ……」と、にこにこしながら見守らせていただきました。 二人の間に恋愛感情が芽生えていく様子が、とても丁寧に描かれています。 恋愛模様だけでなく、人と人との間のあたたかいやり取りや感情についてのエピソードも読みごたえたっぷりです! ほのぼのとした雰囲気のイラストやUIが、春らしく優しい色合いで可愛いですね。 BGMも穏やかで、綺麗なスチルでつい手を止めて聴いて癒されていました。 @ネタバレ開始 登場人物がみんないい人だなあ……とほのぼのとした気持ちになりました。 ちょっとした会話の中に感謝の言葉や気遣いがあって、読んでいて癒されますね。 美瑛のどこかに本当にいそうな気がするくらい、登場人物が「生きている」ような感じがします。 真ちゃんを「あらまあ本当にいい子だわ~~! しっかりしてるのはいいことだけど、頑張りすぎないでね……」と親戚のおばさんのようなことを思いながら見守っていました。 隼人さんの事情を根掘り葉掘り聞こうとしないところとか、どのくらい踏み込んでいいのか迷うあたり、お若いのに人間ができててすごいことですよ。 人形をなくした女の子とのやり取りのところで隼人さんに頼るのを躊躇したり、自分の励まし方が下手なんじゃないかと思いつつも頑張るあたり、隼人さんとは別ベクトルで真ちゃんもちょっと不器用なのかなと思いました。 そんなところも、とても可愛いですね。 隼人さんは、第一印象ではふわふわ穏やかないい人のように見えました。 (あと、ボイスがとんでもなく優しいお声をしていらっしゃる…!) でも、ソメさんの顔を立てつつ真ちゃんの料理も褒めてくれる大人な振る舞いをするあたり、ただのふわふわした人ではないな…!?とすぐに思い直しました。人物描写がお上手…! だんだん少しずつ表情の陰りや「僕なんか」みたいな自己評価の低い言葉が見えてきて、真ちゃんとの関係の変化を感じて感慨深かったです。 ソメさんも素敵な方でした。 色々お見通しだったり助言をくれる年の功や、お茶目なところも魅力的です。 優しいだけでなく、そよ風を大事に守り続けてきた芯の強さも感じます。 ペンション「そよ風」はいいところですね。 祖父母の家みたいな居心地に需要があるのは、なんとなく分かります。 「ただいま」「おかえり」のやり取りが、とても温かく感じました。 私の祖父母の家が夏でもこたつが出ているくらい寒い地域で、薪ストーブ用の薪割りをさせてもらったことがあり懐かしい気持ちになりました。 薪割り、慣れてないと本当に難しいですよね。 真ちゃんのお料理がどれも美味しそうでした…! サクラマスのタルタルが特に羨ましかったです。 北海道の海の幸、絶対美味しいやつじゃないですか。 二人の恋愛の描かれ方がとても丁寧で、恋愛感情が芽生える前の交流も穏やかで優しくて、読んでいてずっと心地よかったです。 真ちゃんが隼人さんを下の名前で呼んだ時、脳内の全私がスタンディングオベーションしました。 二人とも、照れた顔が可愛くて可愛くて……! 「もっとこの人のことを知りたい、力になりたい、喜んでほしいは恋よ~~! 真ちゃんたら無自覚なのね!」と、ソメさんと一緒ににこにこしていました。 気になって調べたのですが、「アルバ」は「夜明け」「日の出」「始まり」みたいな意味なんですね。 隼人さんは心身が擦り減って失くしてしまった色々なものを、真ちゃんたちとのやり取りを通して取り戻せたのかなと思うと、とてもしっくりくる素敵なタイトルだと感じました。 (シリーズ通してのタイトルなので的外れだったらすみません) 隼人さんは泣けるようになって本当によかったですね。 どちらかと言えば美瑛で暮らすエンドが好きです。 頬に泥がついた隼人さんの笑顔が、お日さまみたいに優しくて眩しかったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • sigh
    sigh
    じっとりじわじわと這い寄るような怖さを感じるホラーゲームでした。 私はホラー耐性があまりないのですが、気になったので部屋を明るくして昼間に遊ばせていただきました。 ……無駄なあがきでした。怖かったです。 これから遊ぶ方には、ぜひイヤホンやヘッドホンをつけることをおすすめしたいです。 効果音が左右に振り分けられていますし、とても臨場感が出ます。 @ネタバレ開始 私は「みーつけた」が怖すぎて、ノイズキャンセリングヘッドホンをつけたことをちょっとだけ後悔しました。 なかなかエンド条件を見つけられず、何回もがぶがぶと咀嚼されました。 探索開始までスキップできるのが、とてもありがたかったです。 おまけまで読ませていただきました。 得体の知れない何かだけでなく、人間までもが怖いお話でしたね……。 クリックで出てくる短いテキストも、とても雰囲気がありました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • エフェメラは軌跡を描く
    エフェメラは軌跡を描く
    SFが好きなので気になり、遊ばせていただきました。 最後までSF要素たっぷりでありつつも、世界観が分かりやすく書かれていて読み進めるうちに自然と理解できます。 普段SF作品に馴染みがない方でも、とっつきやすいのではないでしょうか。 人の心や縁にまつわる素敵なお話でした。 シェイドさんはお美しいし、チガヤちゃんは可愛い。 イラストがとても眼福です。ありがとうございます。 @ネタバレ開始 最初のときめきポイントは、シェイドさんの一人称が「俺」だったことです。 中性的な美しさのある男性の「俺」、ギャップを感じて好きです。 ギャップといえば、普段かっちりとした服装のシェイドさんのラフな姿も大変眼福でした。 ちょっと幼くなる寝顔も綺麗でしたし、どんな表情をしてもお美しいですねこの方。 チガヤちゃんは、なんだか訳ありっぽいな~、喋り方は生い立ち由来だろうな、と思っていたら。 理由が思ってたよりもヘビーで愕然としましたね。 芯の強い女の子、好きです。 ごはんを美味しそうに食べる様子も、とても可愛いかったです。 これからは、いっぱい美味しいものを食べて幸せに暮らしておくれ……。 レイスさんも、かなりの危うさをはらんだ存在でありながらも、憎めなくて可愛い方でした。 有機物主体の人工知能が「うなぎ屋さんの秘伝のタレ」に例えられてるのが、なんだか言い得て妙に思えて笑っちゃいました。 レイスさんのエンドもSF~!!って感じで、退廃的な美しさがあって好きです。 チガヤちゃんの髪が長くなっていて、時間経過と取り返しのつかなさを感じますね。 記憶の底の方にシェイドさんが残っているのも切ないです。 シェイドさんもチガヤちゃんも、両親を知らないという共通点があるんですね。 「人と関わる」経験を重ねていくのは、二人ともまだまだこれからなのかもしれません。 ぬいぐるみのプレゼントに、心がじんわりと温かくなりました。 これからの二人が縁を大事に育てていけるといいなあ、と思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • ex.
    ex.
    穏やかに綴られた、文字通り「恋人生活の終わりを見届ける」お話でした。 デザインなど画面にあるもの全部がシンプルでおしゃれです! @ネタバレ開始 登場人物の会話がとてもリアルだと感じました。 街を歩いていたらどこかですれ違っていそう。 「答え合わせ」まで読ませていただきました。 以前の作品は未プレイでしたが、お話の内容からすぐにピンときました。 BGMや効果音の入れ方が洗練されていて、「余計なものがない」美しさを感じました。 UIや文字表示や間の取り方など、細かい部分にも隅々まで気を配っていらっしゃってすごいなあ…!と思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 落とし屋・麒麟 ~薫酒~
    落とし屋・麒麟 ~薫酒~
    とても素敵なおじさまでした。ありがとうございます。 ただ座っていらっしゃるだけで駄々もれの色気をまとった、ちょっと(だいぶ?)危険な匂いがする大人の男性とバーで飲む、雰囲気たっぷりのお話でした。 番外編のこちらから遊ばせていただいても大丈夫とお見掛けして、プレイさせていただきました。 このお話のなかでは、彼からお名前を教えてはいただけないのですね。 前作も遊ばせていただきたいと思います。 @ネタバレ開始 色気と危険な匂いがすごいイケオジが、喋り方がのんびりとした口調だったり一人称が「僕」だったりするのにドキドキしてしまいました。 きっちりめの服装に複数ピアスのギャップも素敵です。 おまけも7か所触らせていただきました。 「おいで」は大変ずるい(誉め言葉)です。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • レストラン ロイ&ミー
    レストラン ロイ&ミー
    素敵なイラストと穏やかで落ち着く雰囲気に癒されるお話でした。 ロイさんはじめ登場人物がみんな可愛くて、お料理も美味しそうで、私も疲れちゃった夜にこのレストランに行けたらいいのになあ…!と思いました。 @ネタバレ開始 ロイさんもミーさんも、お料理をいただくと嬉しそうにしてくれるのが可愛くて、1週目からもりもり食べてしまいました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • ナツノイドコロ
    ナツノイドコロ
    夏の終わりのような寂寥感と仄暗い雰囲気に浸れる素敵なお話でした。 @ネタバレ開始 物語の始まりから、とにかくひたすら不穏でこわごわと読み進めました。 画面にメニューがなかったり、画面揺れで頷く/首を振る動作を表現したりなど、細やかな演出の工夫によってお話へとどんどん没入していけてすごいなあと思いました…! BGMやSEが蝉の声などの環境音で、とても臨場感を感じますね。 バックログに書き込むギミックも、真白くんが記憶を反芻する様子と重なっていて面白かったです。 夏の暑い空気までも感じられるような雰囲気のある文章で、夢中になってお話を追いかけてしまいました。 ちょっと目を離した瞬間に消えていそうなお兄さんをはじめ、登場人物のデティールがものすごくリアルだと思います。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 欠番9号
    欠番9号
    SFが好きなので気になり、遊ばせていただきました。 演出が素晴らしく、文字を入力して進めるゲームシステムもとても面白かったです! @ネタバレ開始 読み進めるにつれて、もっとこのお話のことを知りたい!と感じ、夢中で入力する文字を試していきました。 クレジットを3か所見たので、おそらく全部のエピソードを見られたのかなと思います。 システムを通してエテルノさんの世界に介入している、という演出で物語への没入感が増してとてもわくわくしました。 ノイズが走ったような姿に「欠番」で昔のポ〇モンバグを思い出すな~、なんて。 そんな、のんきなことを考えていられたのはゲームを始めるまででした。 自分と同じ顔をした個体もいる生物兵器たちのなかで、唯一心を持ってしまったエテルノさんはものすごく孤独だっただろうなと思いました。 しかも数十年、汚れ切った海がまた奇麗になるほどの時間を、盲目の暗闇の中で終わりたいと願いながら過ごしたのかと思うと胸が痛くなります。 自分なんて嫌われている、みたいなことを言っていたけど、エテルノさんに助けられた人や感謝している人が確かにいるんですよね。 処分されることは覆らなくとも、その事実がエテルノさん自身の心にたくさん残っていたらいいなあと思いました。 エルフィラさんの「愛してる」のメッセージが届く前に、エトワルさんが亡くなってしまって寂しかったです。 エトワルさんも海が見たかったこと、やっぱりどこか偶然じゃないものを感じてしまいます。 海で無邪気に笑うエテルノさんの表情に、寂しくもどこかほっと安堵したような気持ちになりました。 最期だけでもエテルノさんに寄り添うことができたのなら、よかったなあと思います。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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