ツキシキのレビューコレクション
-
そして星辰は結びを辿るそれぞれの星座に応じた部屋が用意されている屋敷……。このシチュエーションだけでもうニヤッとしてしまいました。あきらかに、“何か”の始まりを感じるロケーションって良いですよね。 いわゆる嵐の孤島のような、クローズドサークルもの。普通だと疑心暗鬼が始まりそうなものですが、本作は集められたメンバーが年若い兄弟同士というのがポイントです。 @ネタバレ開始 ちょっとうまくいっていなかったり、ある程度派閥があったり、板挟みになった弟が良い口実に使われたり……。兄弟間の関係性やパワーバランスが生々しくて好きです。 何より、タイトル回収がとても気持ち良い!! このタイトルを置いて他にはないなという満足感が得られてた素敵でした。 @ネタバレ終了
-
Bruise(ブルーズ)ウェイトを長めに取りながら、しっとりと進行する作品。 画面全体の色合いとシナリオの噛み合いが印象的です。 @ネタバレ開始 青色がタイトルの「Bruise(あざ)」にかかっているようで美しい。 画面端が赤く染まるその色がまさに青痣で、痛ましくて素敵な演出でした。 「お弁当」を通じて念入りに言い聞かせてくるセリフ回しが本当に好きです。 彼が手を伸ばしてきたときの彼女の反応もそうですが、匂わせるやり方で明瞭に伝えてくるのが巧い……。 別れの時だけ優しくしてくる彼氏、完全に愛想が尽きているとむしろ怒気に拍車がかかるものですが、本作の彼女は胸を痛めるところが本当にいじらしいです。 大好きなんだね。大好きだったんじゃなくて、大好きなんだね……。 @ネタバレ終了 痛ましくやるせなく、そして美しい作品でした。
-
ロベリアの/嘘まず、背景画面が美しい! また、音量調節やテキストスピードなどの欲しい機能が全部整っていて助かりました。 序本結の構成も掴みが良く、冒頭で戸惑っても短編ですぐ全体像がわかるようになるので読みやすかったです。 読みながらセリフだけで設定を察せられるようにできているのもすごい。 @ネタバレ開始 彼らの名前が出てこないところも、外の人たちからはレッテルや役どころだけで判断されているという感じが出ていて好きです。深読みかもしれませんが……。 表面だけだと優しく切ない自己犠牲の愛ですが、綺麗なだけでなく、ドロッとした部分が根っこにあるところも好きです。奪わずにはいられない彼女と、その彼女の決意を無しにしてしまう彼。このエゴもまた悪意と言えるのかな……でもそれってどうしようもない、というか、そこがあるからこそ燃え盛るような迫力と勢いのある愛が生まれるわけで……等々。 タイトルの「/」にも色々想いを馳せたくなってしまいます。 お別れ、切断、視点の違い……。 @ネタバレ終了 たった1つの記号に含められる意味が多くて、やっぱり深みのある作品だなあとしみじみ。 良い時間を堪能できました。
-
SLATE!(スレート!)スクショの糸目男さんに一目ぼれしたのでダウンロード。 短編連作に近く、「選択肢に戻る」のコマンドも遊びやすくて素敵。 @ネタバレ開始 いきなり展開が始まっても、数文で「こういう状況でこういうキャラなんだな」とスッと理解できて、すっごく自然で読みやすかったです……。文章力……! 「purchase benefits」「製作委員会」など、細やかなところにもニヤリ。 ちょっと乙女向けな演出もあって、そっちもプレイするゲーマーとしてはすっごくときめいてしまいました。嬉しかったです! ヤンデレエンドとハグ、ありがとうございました! @ネタバレ終了 「???」に納得感のある、良い後味の作品でした。 たのしかったです!
-
家出少年ほころくん家出少年と優しいおねぇさんとのほのぼの生活! 注意書きのとおりしっかりとホラーでしたが、前半の癒される日常シーンがあるおかげでギャップがあって楽しかったです。 @ネタバレ開始 表情変化にじっくりと時間を取ったり、じわじわとスチルの全貌があらわになったり、と思えば衝撃的なスチルがいきなりお出しされたりと、緩急をつけた演出がとても巧みで……。 最後に見ることになるおねぇさんのあの笑い方は、あえて“美しくない”ように描いているんだろうなとも思えて、ここもホラーらしい後味の悪さを感じて素敵でした。 それから、敬語混じりの一人称おれなお兄ちゃん、とっても好みです!! お声に心配やほころくんラブな感情が全力で乗せられていて、ボイスも最高でした。 また、クレジットを拝見して、おねぇさんのボイスも作者様が手掛けていらしたことにびっくりしています。多彩。 @ネタバレ終了 セーブがプレイヤーに対して親切な設計で、さくっと遊びやすかったです。
-
きみはウオズミハルタじゃない。ティラノゲーってこんなこともできるんですね!? 魚住春太さんが実際に活動されているのも併せて、次元の垣根を超えるような、不思議な感覚が楽しめました。推しが私に個人的な何かをしてくれるわけではないんだけど、一方でたくさんのものをもらっている。この一見矛盾しているようでしていない感覚、Vのオタクとしてとても共感しやすかったです。 @ネタバレ開始 推しと恋人になりたいわけではない、というところもまた、深く頷いてしまいました。推しているが思い通りになってほしいわけではないという。 無許可の人工音声?人力朗読?化やAI化など、「ものすごい勢いでグレーゾーンに突っ込んでいく作品だな!?」と慄くところもあったんですが、この引っ掛かりも最後には綺麗に回収されるのがすごいなあと……。改めてしみじみとさせられました。 @ネタバレ終了 色々な意味で新鮮で楽しかったです! ありがとうございました!
-
Bit_Family! [ELENarogant.exe]メンテナンスを進めていくうちにじわじわと画面やBGMが変化していくのが楽しい! プレイヤーが入力したり選んだりして自由度があるゲームなのかな……?と思って始めたんですが、意外と一本道でした。でもこの、自由なようでいて息苦しい感じが、エレナ自身のままならなさとリンクしている気もしていて、作品自体にはすごく合ってるシステムだなあとも思います。 あとこの作者様のゲームには毎回言いたくなるんですが、キャラデザが最強です! かわいい! オシャレ! モチーフの盛り込み方が巧い! 好きです~! @ネタバレ開始 (好きな方には申し訳がないんだけど)エレナを突き放す選択肢を取りたいなあと思っていたので、メンテナンス終了後のドライな反応に満足。青と黄の演出だけでなく、起動時のメッセージなど、細かいところも凝ってて好きです。@ネタバレ終了
-
【Valentine's・Junkies】図書館で出会った理想の女性の秘密を知っちゃうノベルゲー。ろこあちゃんがとにかくキュートで好き! フィルタ効果?のおかげか、どのスチルも印象的で魅入りました。 @ネタバレ開始 ろこあちゃんが不穏なのはある程度察せられますが、だからこそ主人公側の情報にはおっと驚かされました。プレイヤーへの叙述トリック入ってる作品好き! 前作があるのでなおさら引っかかったのかもしれません。 @ネタバレ終了 さくっと遊べてザリッと苦い後味の良作品。ありがとうございました!
-
【Valentine's・Overdose】年齢制限があることから察せられる作品。見覚えのある子たちがいて嬉しかったです! 登場人物が多いので混乱するかなと思っていたんですが、全く。ヒロイン3人は、登場時に立ち絵が表示されたり、髪色が選択肢の色とリンクしていたり、さりげなく視覚情報の助けが多くて助かりました。亜子先輩が好き!
-
フィンリーノア真っ暗闇を探索するゲームではありますが、それでもグラフィックを強く推したいフリゲでした! 黒板にチョークで描いているみたいな幼げで怖い雰囲気と、ミラちゃんのTHE美少女な立ち絵、どっちも好き……。クマの表情もまた絶妙なんだよなあ。 @ネタバレ開始 END1であえて結末を言い切らないところが好き! プレイヤーもミラちゃんも察しているし、察することができるように書いてくださっているけれど、そこを書き切らないことがお兄ちゃんの意思を尊重しているのかな……みたいな……。大事なことは二人の秘密、みたいな……。 また、2周目ならではの楽しみ方が盛り込まれているのも斬新で、楽しかったです。 クリア後おまけの、各ページの見方?レイアウト?もかわいくて好き! @ネタバレ終了 ノーヒントでの完全クリアは大変そうに思うんですが、公式サイトで攻略をサポートしてくださっているおかげで結末を見届けることができました。ありがとうございました!