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宮人@虚無のレビューコレクション

  • 触れたくないけど、そばにいて。
    触れたくないけど、そばにいて。
    非合法な方法で同居人を確保したい変な男と、なぐられ屋をする変な少女が同棲する変な話。ふわふわした会話劇が中心で、2人の奇妙な間柄が心地よく最後までプレイできました。素敵な作品をありがとうございます。 旭さん、工藤さんが互いのリズムが合ったように、自分もこの2人のたまに長ったらしかったり、知ってる人しか知らないような例え(ウミガメのスープ、外郎売)を交えた小気味よいやり取りに波長が合いました。 @ネタバレ開始 自分が特に気に入っている一文は「特製のホットミルクを二人分。それで、僕らはこの短いようで長い時間のアリバイを確保した」です。普通に考えると「言い訳」って書くと思うのですが、そこを「アリバイ」と表現するのがこの作品の、この2人らしくてプレイ中にやられたと思ってしまいました。 @ネタバレ終了 ボロボロで両目がちゃんと開いてるようなシーンがない工藤さんですが、それでも顔が良く傷までも魅力にするキャラデザは素晴らしいですね!

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  • 俺と彼女と誰かと誰か
    俺と彼女と誰かと誰か
    体を拘束され、部屋に閉じ込められた状態から始まる物語。 幕間のタイトルごとに表示される、寓話のような物語が最初に感じた魅力でした。あれがあるおかげで、作品の靄がかかったような雰囲気がより強調され、物語としても閉じ込められる状況に何か裏があるんじゃないかという想像にも繋がっていきました。 @ネタバレ開始 割りとサクサク物語が進んでいき、この世界についての種明かしまでが早かったの良かったです。終末の世界に至るまでの説明は面白い。誰も信じることができなくなった世界は崩壊するしかないですね。 SF世界が答えで終わらずに、今この時、この状況はおかしくないかと、もう一段階ひっくり返してきた時点で物語に魅了されていました。そして出てくるEND3の文字。そこで初めて分岐があったことを知ったため、驚きと共に他ENDを探る熱に繋がりました。END1ではなく、END3なのが余計にインパクトありますね。 最初からプレイし直し、ヒントも見つつ彼女の名前を探していったのですが、後ろ2文字がわかった段階でまさかと思い入力した文字が正解。自分であれこれ考えた結果なので盛り上がりますね。なんで自分で選択を入力する形をとっているのかと思っていたら、わかりやすく意味を提示されて納得しかなかったです。 @ネタバレ終了 短い時間でもしっかり楽しませてくれるいい作品をありがとうございました。

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  • みえない二等星
    みえない二等星
    天体観測×軽音楽部×恋愛の青春欲張りセットをありがとうございます! 天体観測、音楽、恋愛、過去の出来事、バラバラのように思えるそれらが巡り巡って結末へと行く流れが綺麗でした。 幼馴染ヒロインの美波……可愛いですね(しみじみ)。過去にいろいろあったこともあって、主人公のことをずっと見ているおせっかい焼き。過去のあれこれもあり、思ったより複雑な関係だったりもしましたが、主人公の北斗を見つめる視線は優しかったんだろうなあ。 青春要素が多くあるにも関わらず、お話のメインは高村の爺さん。年長者として多くの経験をしてきたからこそ、若者にかける言葉に重みがある。ああいう渋い爺さんが好みなので、非常に助かります。声があることでキャラクターの存在感と説得力が非常に上がっていたので、爺さんは間違いなくボイスで一番恩恵を受けたキャラかと。 @ネタバレ開始 「自分のことを本気で思ってくれる女など、一生で一人出会えるかどうかだぞ」という台詞が好きです。その後に続く会話もあって爺さんの惚気台詞にもなっているのが好き。その場面以外にも、明言されなくても、今でも亡き妻のことを愛しているんだろうということが、行動や言葉の端々から伝わります。 北斗はまた大切な人を亡くす結果になってしまったけれど、作中で得たもの、爺さんが残したものがあるから、今度は大丈夫だろうと思えるいいエンドでした。帰ってこれる場所があるならば、羽を休める場所があるならば、きっとどこへでも行くことが出来るのだから。北斗と美波は末永く爆発してくれ! 素敵な作品ありがとうございました! @ネタバレ終了

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  • 僕と君と彼女の話
    僕と君と彼女の話
    ドラマチック二股ノベル面白かったです。浮気などをする人間の気持ちはわからないのですが、主人公は序盤からクソ男ということがよくわかったので、道化野郎の物語として楽しめました。二股がバレてもどちらかを選んで必死で謝ればなんとかなると考えてるのが最高のクズ男エピソード(褒めてます)。 エンディング7種類あって、序盤からフラグ分岐があるので普通なら読み返すのが面倒なのですが、次の選択肢までジャンプするボタンがあるおかげで、すんなりと全END見ることが出来ました。ありがとうございます。 自分の中で何よりも良かったのは導入です。実写背景の連続表示で簡易的なアニメーションをさせることで、この作品は何か違うという期待を感じ最初から作品に入っていけました。導入だけ実写で文章も全画面表示だったことも、演劇という部分の差別化に。そして演劇内で描かれた関係性が、作中の現実と重なっていることで、演劇ではああだったけど現実ではどういう結末を辿るのかという興味へと繋がりました。実際にプレイしていたときも、プレイし終わって振り返ってみても、シナリオ面や演出面から見て素晴らしい導入でした。 主人公をクズ男と笑っていましたが、最後までプレイし終えた今ではそれなりに愛すべき主人公として見ています。面白い作品ありがとうございました。

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  • 臨界天のアズラーイール
    臨界天のアズラーイール
    楽しくプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 先に真臨界天のムービーを見てからプレイしたため、序盤の理想世界編には驚きました。一人の男が仕事先の女性上司と出会い次第に距離が近づいていく、ファンタジーなどではない現実系の物語。サクサク進み無駄な会話は少なくもキャラクターの魅力を伝え、後半の展開への布石を打っていく展開が上手かったです。麗美さんいいですね、好きです。自分の中で盛り上がったシーンは他にあるのですが、全体を通して一番良かったと思えるのはやはり理想世界です。仮に臨界天云々がなく理想世界だけのお話で終わっていても、自分は十分楽しみ満足することが出来たのではないかと思います。そんな満足感を持っていたからこそ、世界についての秘密が明かされ、今の幸せが壊れてしまう展開がより映える。 臨界天で物語が一度ひっくり返るわけですが、そこからの展開が理想世界での出来事を夢で終わらせないための戦いでもあるのが熱い。自殺を考え実行する直前であった人間が、そんな状況から救われたんだと、諦めないことを学んだのだと、それを証明するための戦い。主人公の行動に共感させ、救出の展開の伏線も張っておくという、理想世界がただの前座にならなかったのが良かったです。 感謝の言葉を伝えるために4日間を生きるというのも、普通ならば極端に思えてしまいますが、決断のときは展開の盛り上がりで気にならなかったです。そして後の展開にある「両親が生きていて、やりたい仕事に就いて、好きになった人と結婚する」という「人との関わり」こそが主人公の理想であったということを理解することで、間接的に4日間の時間の使い方に関しての解説となり非常にすんなりと受け入れることが出来ました。理想を見せることで、主人公の根底を理解し、主人公の行動に繋がっていくという理屈付けは非常に強い説得力があります。 @ネタバレ終了 タイトルBGMのliliumは好みの楽曲でした。素敵な作品をありがとうございました!

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  • 髪デス!-髪は女の運命(デスティニー)-
    髪デス!-髪は女の運命(デスティニー)-
    プレイ時間が極端に短い物語はこういうのがいいんだと強く感じるジェットコースター具合が素敵でした。ヒロインの女性のキャラデザが良いため、髪型ごとに違った魅力がしっかり出ているのが上手いです。個人的に好きなのはボブのお話。サクッと楽しいゲームをありがとうございました!

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  • 生きるその先に -岐尾森編-
    生きるその先に -岐尾森編-
    思わず20年ほど前の泣きゲー郡を思い出してしまう要素の数々に思わず興奮しながらプレイしてしまいました。「突然現れた死神に余命が2週間であることを告げられる」という始まり方としては定番の1つかと思われますが、余命があるからと言って夏生が悩む場面はあれどウジウジせずに話が展開していくのでプレイしやすかったです。 @ネタバレ開始 3人のヒロインのルートの中で一番好きなのは鬼晶です。さすがメインヒロイン。ビジュアルも一番好きですが、和服美人は全世界の弱点だからしょうがない。 鬼晶→結→水輝の順でプレイさせていただいたのですが、そのおかげで鬼晶の行動の理由が透けて見える良さがありました。ただその分、他のヒロインのルートのはずなのに鬼晶の行動をつい目で追ってしまうという点もありました。相棒感がありつつ、つい頼ってしまう部分もあり、軽口や冗談を言い合う悪友感があったという点も魅力かと。 やはりお話としても鬼晶ルートが好きです。悲劇としか言えない結末も含めて好きですし、2部以降があるからこその良さがありました。結局、鬼晶ルートでの夏生って、他ルートと比べるまでもなくほぼ何も出来ていないんですよね。「おねえちゃん」について思い出すことしか出来ず、それが悲劇へと歩みを進めるものとなっている。全てを思い出した時には取り返しがつかず、鬼晶を失い、一人生きる道しか残されない。要素だけ取り出すと微妙な物語になってしまうのですが、この作品では鬼晶の正体という驚き、今までの鬼晶の一つ一つの行動の理由が一気に明らかになるという怒涛の展開で盛り上げ、エンディングになだれ込んでいるのが上手かったです。 鬼晶だけもう一度プレイしたのですが、いろいろな想像を巡らせることが出来て楽しかったです。。割と唐突に思えたラストで鬼晶が襲われる展開も、前日の帰路で突然あたりを見回す描写が挟まれていたり、ちゃんと前フリがあったことに気が付きました。鬼晶が吉沢家に改めて受け入れられた日の夜に泣いていたのも、そもそも夏生を苦しめているのは自分自身であるがゆえに、暖かく受け止めてもらえることが辛かったんだという共感。 夏生の前に再び姿を見せてしまった場面。昔、夏生が言ってくれた「神様みたい」という言葉を思い出し、その言葉に頼ってしまうように自身を「死神」と名乗る鬼晶。神様にはなれない鬼である自分と、夏生にとっての神様になりたい自分の中の葛藤の後に出てきた言葉が「死神」だったという良さ(特に書かれてはいなかった気がしますが、自分はそう解釈しました)。 鬼晶ルートは、夏生に出会ってからの鬼晶の心情に寄り添うような、優しくも悲しいお話だったということで納得しました。ただ、この第1部だけで完結していたら確かに面白かったけれど、ほぼ鬼晶の物語というだけで夏生の物語としては消化不良を感じる結果になっていたのではないかと思います。エンディング後の予告動画の時点で、2部では夏生が自らの意思を持って選択する展開が待っていることが示唆されているので、わくわくしながら頑張れ夏生と応援してます。 裏話も楽しくプレイさせてもらったのですが「無敵のティーンエイジャー」という表現には思わず笑ってしまいました。無茶をやっていたあの頃には、、、戻れない! 少し気になった点がありまして鬼晶の年齢が共通ルート時には824歳と紹介され、鬼晶ルート4/2の夏生のモノローグでは864歳になっていたのはミスでしょうか? 鬼晶ルート4/3では「850年の長い孤独」とも書かれているので、おそらく864年が正しいかと思われるのですが……。まあ800年も生きてたら40歳程度は誤差でしょう(とか言ってたら鬼晶に殴られそう)。 @ネタバレ終了 1部だけでも面白かったですし、この以降に関わってきそうな作中で描写されていた要素も思いつきますし、続きが公開されるのも楽しみに待たせていただきます。長々とした感想失礼しました。鬼晶についてしか書いてないですが、他2ルートの楽しませていただきました。

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  • 隠花生物/顕花生物
    隠花生物/顕花生物
    退廃的な世界観で紡がれる3つの物語。すごい面白かったのですが、プレイ中の感情を感想という形で言葉にするのが難しいです。 人の欲望と狂気から生まれたものが、地球の覇者として君臨していたはずの人間を引きずり下ろしていく。終末の起源、終末の始まり、終末で生きる人間の3つの物語すべてが良かったです。とんでもないものを作り上げてしまった恐怖、偶然でしかないのだと大丈夫だと信じ込みたい心情、作中で描かれる人間たちの感情の描写が好きでした。 プレイしながらBGMが特徴的だと感じていたのですが、音楽コラボ作品ということで非常に納得です。 退廃的ではあるのですが、とても美しいと感じられる作品をありがとうございました。

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  • Margot
    Margot
    背景とBGM、文章のみという非常にシンプルなノベルゲームでしたが、序盤から非常に引き込まれました。会話らしい会話もほぼなく、淡々と語られる出来事と心情。キャラクターの内面ではドロドロとしたものが渦巻いているのに、淡々と進む展開もキャラクターの心情のようという一見矛盾したようなことを考えながらプレイしていました。 @ネタバレ開始 複数視点で紡がれる物語ということで、ハドリーには知ることが出来なかった事件の真相が明らかになっていく面白さはあるのですが、最初のハドリーのみの視点だけでも十分楽しく読めるあたり、作者様の文章力の高さが伺えました。 現在まで続く5人の感情が渦巻いた過去、出来事だけを見ても5人の視点の組み立てが素晴らしく、過不足なくまとまっているような完成度の高さを感じました。自分としては誰一人幸せにならない、どうしようもない結末が好きです。面白い作品をありがとうございます。 @ネタバレ終了

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  • 安直に百合という概念を当てはめたくない貴方へ
    安直に百合という概念を当てはめたくない貴方へ
    タイトルから「めんどくさいオタク臭がする!」と喜び勇んでプレイさせていただきました(褒めております)。 @ネタバレ開始 一番最初の名前の決定で「本当に人様に顔向けできるお名前ですか?」から笑わせていただきました。この時点で、これは自分と波長が合う作品だと確信し、実際最後までプレイし確信は間違っていませんでした。キャラクターの日常会話(と呼んでいいのか微妙にぶっ飛んだ会話、策略が張り巡らされた会話)は楽しく読めますし、小生の語りは「はいはい、わかったから」と苦笑してしまいますし、終盤では驚きとともにプレイさせていただきました。 ちなみに、一番笑ったのはカラオケでの「国辱」でした。表現のぶっ飛びっぷり。 序盤ではノリで作った感じが好きだと思っていたのですが、最後までプレイしたあと思い返してみれば、序盤で立ち絵に関してのメタ会話が差し込まれたり、選択肢の後の展開で小生が訝しんでいたり、過去に戻ることはできないと小生が語ることがあったりと、ちゃんと終盤の展開に至るまでの前フリをしてあるあたり、しかり作り込まれた正統派な作品だったんだと納得しました。 @ネタバレ終了 割とギャグで、割と真面目で、かなりノベルゲームという媒体に突っ込んだシナリオでしたが、ちょくちょく笑いながらプレイさせていただきました。面白い作品ありがとうございます!

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