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個人宇宙のレビューコレクション

  • 毎日地獄の底にいる
    毎日地獄の底にいる
    自分以外の存在に対し憎悪を吐き続ける、思春期の女の子の物語。選択肢はなく、20分程度で読了。説明文ではシナリオ・起承転結がないとの記載がありますが、個人的にはしっかり存在していると思いました。(主人公の独白だけに終始するのかなと考えてましたので) 主人公・西山さんのこれでもかと憎悪を剥き出しにした独白は、そこまで不快感はなく、むしろ清々しさすら感じました。 自分自身の話になってしまいますが、精神的に落ち込んでいた時期、ずっと殺伐したことを考えていました。そんなあの頃の煮えたぎった感情を思い出させるような、迫力のある文章です。 個人的には、小瀬くんのキャラクターにすごく魅力を感じました。彼の思考もどこかおかしいんですが、それをあまり表面に出さない部分がとてもツボでした。 人を選ぶ部分はありますが、痛快な劇薬を飲むような作品でした。読後感も悪いものではありません。未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。

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  • 拝啓アリア・ユグドリオン様
    拝啓アリア・ユグドリオン様
    手紙という形式で綴られる、エルフと人間のファンタジー物語。5分程度で読了しました。 BGM・立ち絵は一切なし。SEは紙がめくられる音、一つだけ。 しかし、徹底的に抑えた演出だからこそ、「手紙」という特殊な表現が成立できたんだと感じました。「手紙」なら、5分という時間も丁度いいです。 文章も手堅く書かれており、登場人物にとっては長い人生の物語を無駄なくまとめています。手紙を読む側、書く側、いろいろな想像を膨らませてしまうような内容でした。 短い時間なので、未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。

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  • 西の奇蹟
    西の奇蹟
    大阪の西成区に住むホームレスの恵介が、謎の組織に追われている少女マイと出会い、巻き込まれるような形で彼女が目指している「あべのハルカス」へ向かう物語。 導入部分が秀逸で、「おおっ! これは面白そうだぞ!」と思い、そのまま最後まで一気に読んでしまいました。ジャンルはSF要素の入った現代ファンタジー。時間は30分程度で、全3ルート鑑賞済。立ち絵はLive2Dで出来ており(スチルもあります)、さらにフルボイスとなってます。 巻き込まれた形になりながらも面倒見の良さが隠しきれない恵介、とある覚悟を背負いつつも健気に恵介と接していくマイ。2人とも好感の持てる人柄で、トゥルーエンドの内容は素直に「あー良かった!」と思えるような内容でした。スチルもすごく暖かかったです。 未プレイの方は、ぜひやってみてはいかがでしょうか。 最後にバックログにつきまして、自分はPCでプレイしましたが、可読が難しい状態になっていました(2019年10月24日現在)。プレイをされる際、その部分は注意した方が良いかもしれません。

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  • 惑星ホテル
    惑星ホテル
    目を覚ますと宇宙船に乗っていた主人公が、白い星にあるホテルに到着して、従業員であるロボットたちと触れ合っていくSFファンタジー。全4ルートを1時間程度で完走しました。 とにかくグラフィックの作り込みが徹底されていて、絵本の世界に入り込んだような没入感を与えてくれます。キャラクターの立ち絵は積極的に動きますし、さりげなく背景の星や雲もゆっくりと動作しています。また、ピアノを主体としたBGMは世界観と非常にマッチしており、キラキラとした部分だけでなく、物語の悲しい部分もちゃんと引き出しているように感じました。 エンディングによっては、切ない感じになったり、希望を感じる内容になったりします。一部のエンディングを見るためにはパスワードの入力が必要になりますが、ヒントを参考にして、注意深くメモを取り、無事に解除することができました。パスワードの言葉が、そりゃもう⋯⋯。 主人公・ロボットたちもみんな可愛いグラフィックで、個人的にはマーサさんが好きです。 「ベッドの中でスマホでプレイしてそのまま眠れるゲーム」という説明文がありますが、まさにその言葉通りの素晴らしい作品でした。未プレイの方はぜひ、不思議なホテルに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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  • 夢もすがら花嵐
    夢もすがら花嵐
    夢の世界に入ってしまった主人公が、獏さんと共に様々な夢を巡っていく和風探索アドベンチャーゲーム。探索は全4ステージ。トゥルーエンドを含め、全3時間程度でクリアしました。3章・4章の一部、トゥルーエンドにつきましては公式サイトに記載のヒントを参照して進めました。 世界観・UI・イラストなど、全てが細かく作り込まれており、探索をしているプレイヤーですら夢心地にさせるような、没入度の非常に高いゲームになっています。個人的には1章の雰囲気がすごく好きです(3章〜4章の大正ロマンを感じる世界観も素敵なんですが⋯⋯!)。攻略の小休止がてら、綺麗な音楽を聞きつつ、散っていく桜をずっと眺めてしまいました。 難易度もちょうど良い感じに出来ており、解けた時の達成感はとても大きいです。攻略につまずいている時も、圧倒的な世界観のおかげで「やってやるぞ」という気持ちになれました。 ただし、ノーマルエンド後に開放されるトゥルーエンドにつきましては、ノーヒントで辿り着くには結構な労力がいるかなと感じました。早くトゥルーを見たいという方は、ノーマルエンド後、素直に公式サイトのヒントを参照した方がいいのかもしれません。 また、探索中でもできる獏さんとの会話はとても軽妙で楽しく、終盤には名残惜しい気持ちが出てしまうくらい獏さんのことが好きになってしまいました。 長くなりましたが、細かい部分まで洗練された素晴らしい和風探索ゲームでした! 未プレイの方はぜひ、獏さんと一緒に夢の世界を巡ってみてはいかがでしょうか。

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  • 取調室
    取調室
    2億円の窃盗犯が殺害された事件を、主人公・古谷警部が5人の関係者を集めて取り調べをしていく推理ゲーム。30分程度で無事に解決できました。 殺人現場には盗まれた金が燃やされており、「どうして犯人は金を燃やしたんだ?」と導入から気になる部分がありつつ、取り調べのパートに入ることができました。 選択肢は多く出てきますが、決して難しい難易度ではありません。金を燃やした真相・犯人を追い詰めるための証拠など、ミステリーらしく、しっかりとしたロジックで展開していきます。 手堅くまとまった上質の短編ミステリーでした。未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。

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  • おるばり! 7K
    おるばり! 7K
    主人公の大学生・庵が、ヒロインやサークルの仲間たちと同人誌を作るために奔走するラブコメ物語。選択肢はなく、2時間程度で読了しました。『おるばり!』というタイトルのシリーズは他にもありますが、この作品からでも問題ありません。ヒロインの奈那が制服(?)を着ているので、読む前は高校が舞台かなと思ってしまいましたが、登場人物は全員大学生です。 とにかくキャラクター・シナリオが素晴らしい作品でした! ストーリー自体は王道ですが、メリハリの効いた展開で長編ながら全くダレることなく、ラストまで一気に読むことができました。 男性恐怖症を抱きながらもムードメーカーとしてサークルを引っ張る奈那、人見知りの性格でオカルト・ホラーに精通している静香など、個性的なサークルメンバーの掛け合いは読んでいて本当に楽しかったです。登場するキャラクター、みんな生き生きとしてました。 個人的には友人のカズナリがすごく好きです⋯⋯! 普段は冴えないオーラを出していますが、いざとなると庵の背中を押してくれたり、頭の切れる行動(たまにミスってしまうけど)を起こしたりと、一筋縄ではない部分がとても魅力に感じました。 ストーリーも途中から主人公の庵にすっかり感情移入してしまい、後半の展開には「おおおっ⋯⋯!!」と心の中で唸り声をあげてしまいました。でも、最後はしっかりと締めてくれます。 いろいろと苦難を味わった末、最後に奈那から「隣にいるとすごく安心する感じ⋯⋯それが、本当の恋」という言葉が出た途端、心がすごく暖かくなりました。作品全体をギュッとまとめてくれる、素晴らしい言葉だと思います。 長くなりましたが、最後まで飽きさせない正統派のラブコメストーリーでした。 未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。

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  • あの教室で見た夢、それを見た夢。
    あの教室で見た夢、それを見た夢。
    小説家志望の高校生が、2人の幼馴染と教室で会話をしていく物語。選択肢・立ち絵がないシンプルなスタイルのストーリーで10分程度で読了しました。 タイトルが秀逸だと感じました。読み終わった後、タイトルを改めて読んでみて「そういうことか!」とすごく納得してしまいました。 彼女は心地よい夢を見ることはできても、幸せという概念を感じることができるのか、あんまりネタバレなことは言えませんが、ちょっとそんなことを考えてしまいました。 伏線もちゃんとあり、短いながらも起承転結のしっかりとした短編でした。未プレイの方はぜひやってみてはいかがでしょうか。

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  • BRADLEY(ブラッドリー)
    BRADLEY(ブラッドリー)
    とある刑務所で精神科医が、服役中の模範囚と話していく短い物語。全2ルート、いろいろと注意深く読んでいき、約15分程度で完走しました。 溢れるセンスを感じる作品でした⋯⋯! 冒頭の英文演出・静かだけどスタイリッシュなBGM・様々な解釈が生まれそうな物語・抽象的な言い回しなど、短いながらも魅力的な要素がたっぷりと詰まっています。個人的には洋画のオープニングみたいだと感じました。 短い時間で終わりますので、未プレイの方はぜひ独特な世界観を味わってみてはいかがでしょうか。

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  • みつけて
    みつけて
    幽霊の見える少年が奇妙な学校空間に迷い込んでしまい、脱出するために動くホラー探索ゲーム。難易度は高くないので、じわりじわりとした恐怖を感じつつ、30分程度で完走しました。 暴力的な表現はないので、その辺りが苦手な方でも楽しむことができると思います。 物語の部分もしっかりと作られており、主人公の男の子の儚さに惹かれつつ、最後のオチまでホラーを堪能させていただきました。短時間でじんわりとした雰囲気のホラーゲームを遊びたいという方は、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。

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