ツ羅ナリのレビューコレクション
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機械仕掛けの嘘と夢プレイさせていただきました。 機械、絡繰人形というと、どこか冷たい印象のイメージが強いです。 実際に、物語のふとしたところに機械特有の冷たさを感じました。 けれど、全体的な色合いの暖かさや、物語の大枠にある温もりが、その冷たさを包み込んでくれているように思います。 アイキャッチのように出てくるタイトルが、区切りを明確にしてくれるので、テンポよく進めて楽しかったです。 人によっては何度も出てくる鬱陶しいものに感じるかもしれませんが、私は暗転などよりはこちらのほうが好きです。 @ネタバレ開始 コンフィグでエンド分岐するのが、すごく新鮮でした。 最初にコンフィグをいじる人間なので、なんかあるけどいじれないな、と不思議に思ってはいたのですが。 新鮮かつ、絡繰を扱う物語にぴったりだと感じます。 永遠ルートは、物語としては、ニナは自分で「おれ」ではなく「僕」を選んだ形。 けれど、プレイヤーとして見ると、コンフィグ(システム)をいじって未来を変えたのは、記憶を消して元に戻ることを選んだ394番と似た選択にも感じます。 彼がすでに絡繰になりかけているともいえるのかなぁ、なんて思いました。 @ネタバレ終了 素敵な世界を魅せていただき、ありがとうございました。
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デスゲームは始まらないプレイさせていただきました。 分岐についた既読マーク、大変親切設計でした。 それでも、伊代ちゃんの反応が見たくてマーク付きでも選択肢を選んだりしましたけども。 とても良い反応をくれるので、見ていてとても笑わされ、和まされ、微笑ましい気持ちになりました。 @ネタバレ開始 はじめて伊代ちゃんの呪いをくらった時、彼女の実家は魔女とかの家系なのでは? なんて考察、というか妄想が浮かびました。服装のカラーリングもちょっとそれっぽく感じたので。 しかし最初から自分がそういうものを使えると知ってたら、元カレは早々にぶっ飛ばされていたでしょうから、この逆境が彼女に呪いという力を与えたのかもしれない…… IFルートには最初驚かされましたが、最後まで安定のコメディで安心しました。 幕間の「ピクトグラムで恋をして」が、まさかあんな形で回収されるとは…… 単なるコメディの波状攻撃だと思っていたのに、シリアスな形で殴られて、その落差が心に染み入りました。しっとりです。 直後のムキムキさんと爆発オチに、あっという間に乾きましたが。 主人公の多才さというか、ぶっ飛んでいる感じは、フィクションにおける金持ちあるあるの一般人との感性のズレそのものに感じます。 こういうのをおもしれー男というんでしょうね。 伊代ちゃんもおもしれー女なので、これからも仲良くどったんばったん大騒ぎして欲しいですね。 命懸けの脱出ゲームとデスゲーム、確かになにが違うのか、よくわかりませんね…… 脱出ゲーム「生き残りたいならここから脱出してね! まぁ簡単に脱出させてあげないけど!」 デスゲーム「死にたくないなら頑張ってゲームクリアしてね!(ゲームクリア=脱出とは言ってない)」 かと、個人的には思ってます。 あとなんとなく、デスゲームのほうが殺し合いに発展しがちなイメージです。 @ネタバレ終了 素敵な世界を魅せていただき、ありがとうございました。
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探偵助手ガリウムのろじうら探検記少し前に見かけた別サイトの記事で、元素楽曲というコンテンツ、並びに当ゲームを知りました。 その時は、元素も擬人化されたなぁ、という「よくあるやつ」認識でした。 今回、当サイトで巡り合い、これも縁かとプレイをさせていただいた次第です。 失礼ながら書籍などは一切存じ上げていなかったのですが、元素の性質や特徴、それに類似する生物や、その元素そのものに対するイメージなどが混ざり合った、素敵なデザインの元素たちに、見惚れてしまいました。 今回主人公であるガリウムのウーパールーパーっぽさも、「ガリウム」という元素について知ると、すごく納得がいきました。溶けちゃうの、かわいらしいですね…… @ネタバレ開始 今よりウーパールーパー感の強い幼ガリウムちゃんには、人間が「ガリウム」の性質を把握し始めたばかりの、未知というか、探り出しを感じます。 それに比べて現在のガリウムちゃんは、性質を理解し、対策も心得た、人間進歩やガリウムちゃん自身の成長を感じました。 先生と装飾品を贈り合っているの、とても微笑ましいです。 酷く個人的ですが、アルミニウム先生が、若アルミニウム先生より足の露出上がってそうなのがツボでした。 @ネタバレ終了 素敵な世界を魅せていただき、ありがとうございました。 今後のコンテンツの発展を、こころより応援しています。
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終焉逢瀬プレイさせていただきました。 柔らかく可愛らしい絵柄と、短時間で出来るという点に惹かれてプレイを始めたのですが、プレイする中で、二人のすれ違いと愛情に心を掴まれていました。 @ネタバレ開始 二人とも一目惚れだったけれど、一瞬の出来事からどうしようもないすれ違い、溝になってしまったあたり、とてもリアルに感じました。 もしも最期の最期ではなく、もっと前に、なのいくんがほのせくんが自身を好いていてくれていること知れていたら、きっと、もう少し運命は変わっていたのかも、と思わずにはいられません。 ホノセを拾った後だったら、もう世界破滅エンドになりそうですが…… それはそれとしてすれ違いはとても美味しい。 最初、ホノセはなのいくんが作った生物兵器的なものかと思ってました。 生物好きとのことでしたし、あの丁寧に掃除してる(でも魚らしきグラがない)水槽で飼育してるのかなぁ、と。 ホノセの姿が出ていない時は、何か人喰い細胞的なのをこっそりばら撒いてたりするのかしら、と物騒な考察をしておりました。 実際にのなのいくんは、どこから逃げ出してきた謎生物を気に入って匿った結果、元々少し緩んでいた(ような気がする)ネジ外れてしまっただけの、普通の高校生で安心しました。 それに対して真っ直ぐで、だからこそ少しだけ臆病なほのせくんの、等身大な感じがとてもいい味をしていると思いました。 @ネタバレ終了 素敵な世界を魅せていただき、ありがとうございます。
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黒聖夜のうた現実時間が夏の時期にクリスマス、と少し新鮮な気持ちでプレイさせていただきました。 その上、ブラックサンタが題材なことにも新鮮さを感じました。 @ネタバレ開始 クロヒトさんのいう袋で攫っちゃった一人目、てっきりクロヒトさんご自身かと思いましたが、まさかの王様で、クロヒトさんが拐われてきた側だったとは。 袋の中が異界に近い状態だから、それに入れられてやってきたメリーニコちゃんは早くツノが生えてきたのでは? と感じました。 クロヒトさんの異形化が派手だったり、メリーニコちゃんのツノが大きめなのも、素質の有無もあるけど、やってくる前から袋で異界に馴染みだしていたからからなのかなぁ、とも。 クラウスさんは……異界に今より馴染んでも、なんだかツノがそこまで大きくならない気がします……あの方の善人オーラ、なんだかすごいので…… お仕事以外で鬱屈してしまうところ、すごく、共感してしまいました。 @ネタバレ終了 素敵な世界を魅せていただき、ありがとうございました。