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瑪瑙のレビューコレクション

  • 彼らの秘密のたからばこ
    彼らの秘密のたからばこ
    「選ばれなかったキャラ」にも焦点を当てたヤンデレ乙女ゲームと聞いて、ワクワクしながらプレイしました。 問題ありキャラや凝った演出、暴力沙汰からメタ要素まで、たっぷり楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 不法侵入に窃盗、暴力、殺害。学園もの乙女ゲームでこんな物騒な単語が並ぶことありますか?最高でした。 一颯くんは罪悪感も倫理観もない無敵の人、蒼生くんは善良だが箍が外れると暴走する。 二人とも性質もやらかしたこともやばいのに、かわいく見えるのは何故なんでしょうか。 ・一颯くん つ、強すぎる!人の常識がそもそも通用しない! 誇張でもなんでもなく、本当に主人公にしか興味なし。恋のライバルである蒼生くんのことも警戒していない。 これで世渡り上手で友達もいる(本人はどちらも意識していないだろうけど)という事実が、善良=人に恵まれるなんてものは幻想なのだなと痛感させてきます。彼のことはキャラとしてちゃんと好きです。 こんなサイコパス思考の持ち主が、人外ではなく人間であるのがいい味を出しているなと感じました。人間社会で生きていくことがストレスなのは、それはそうでしょうね…。 主人公と出会えたことは彼にとっての救いだと思うし、主人公に手綱を握られながら頑張ってくれよ…!人類の未来のために! と思っていたら、暴力三昧のエンドたちが私を待っていました。 蒼生くんと主人公が結ばれたり、お兄さんをホームラン()したりした時のド真っ黒な目には背筋が凍りました。ハートマークどこいったの…。 興味のなさが仇となり、いつの間にか蒼生くんに主人公を搔っ攫われるのがたまりませんでした。たまには足元も見ないと、その辺の石ころに足を取られますね。 それでも、ほとんどのエンドで彼を負かすことはできないのが怖い。無敵の人。 主人公も兄も容赦なく殺す彼の姿に、攻略キャラなのをちょっぴり疑いもしました。 それでも圧倒的「メインキャラ」感がひしひしと伝わってきました。このキャラで…すごい…。 よく考えてみたら、主人公のことを好きな気持ちは純粋かつ本物だし、なんだかんだ献身的で、主人公が辛い時に甘えられる幼馴染枠。 しかも「みんな問題あり」を売り文句にしているゲームなら、メインキャラにもなりますね。 最後のプレイヤーに向かっての言葉には、ついにやけてしまいました。君みたいなキャラ、私は好きなんだよね。 ・蒼生くん 不憫かわいいの概念。本当にかわいかったです。 主人公に盲目的なようでいてわりと彼女のことを見ている。でも被害妄想が強くて不器用で怖がりで、一颯くんとは別ベクトルの生きづらさを抱えた子だなと思いました。 主人公のために尽くそうと頑張ってはいるけど、最終的には献身的でいることができないのが好きです。一颯くんのような、主人公にとってのメインキャラではないという感じがして。 一颯くんのことも恋のライバルとして滅茶苦茶意識しているけど、相手には興味すら持たれていない。周囲を気にして、味方がいないと動くこともままならない。一度救われた故に全面に出た弱さが、とてもとてもかわいく思えてしまいました。 主人公と出会えてよかったと言いたいけど、ある意味彼女が蒼生くんの人生を狂わせたといっても過言ではなく、彼女の気質も人をだめにしてしまうタイプっぽいので、将来が不安になる二人でもありました。 そんな杞憂を吹っ飛ばして幸せになって! と思いつつ、主人公が安心して寄りかかれるのは一颯くんだろうな…とも考えてしまいます。 普段は善良で理性的でいようと(本人なりに)頑張っている分、爆発した結果が悲惨すぎました。顔をおもっきし歪ませてくれるの嬉しかったです。 故意的に真鳥くんを殺害したのは本当にびっくりしました。 真鳥くん…蒼生くんと主人公を刺激してしまったから…。君のことも知りたかったな。 驚き担当は一颯くんのような気がしていましたが、髪ゴムの件でその考えは見事に覆りました。やってることとしては普通に一颯くんとタメを張れるんじゃないかな。 一颯くんと対比になっている部分が多くあり、「この場面ではお互いこうするんだな~」と見比べたりしました。蒼生くんそういうの本気で嫌そう。かわいいね。 最後のプレイヤーに向けた言葉にはあぁ…となりました。私には逆にこういう言葉の方が効くのかも。安易に謝れないけど、それでも。 主人公の部屋に貼られたポスターや波留くんにとんでもなく興奮しました。 最後まで読むと、このゲームにとって前作が一種の呪いとなってしまっていたのかなと感じて切ないです。 @ネタバレ終了 最後まで濃い内容がぎゅっと詰まったゲームをありがとうございました!

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  • 深海の勿忘草
    深海の勿忘草
    (別サイトで載せていた感想がネタバレまみれで、こちらに記載した方がいいのでは?と思ったので、移させて頂きます。今更すみません…) ゲームのスクショを見た時、パッと目を惹かれたのが彼の容姿でした。 更にヤンデレとくれば、もうプレイ一択!と衝動的に読み始めました。


 @ネタバレ開始 最初はアズサくんの誘いに主人公が頷き、連れていかれて終了。 
これは二週目で何か変わるでしょ!と再びはじめからを押し…。 
それからどんどん、世界観や主人公の対応によって変化するアズサくんの会話にのめり込み、気づけばハッピーエンドに到達していました。

 おまけ画面のキーホルダーの件やゲーム機で削除されている学生服の男子たちのアイコンを見て、これはもしかしてと思っていたのですが、彼の正体を知ったときには思わずうめき声が出ました。 

私が青春時代にのめり込んだ作品の、推しだったキャラのことを思い出しました。 
エンド後にはまだこの世界で生きていたいと願うような、ほんの少しだけ主人公に羨望を抱くような複雑な心境になりました。 こんなことを言いながらも、今は他の作品のキャラに夢中になっていますし、推しは複数います。 彼らはそもそも私のことなど認識していないと思うのに、勝手に勿忘草の花言葉を心に喰らっています。この作品が二重の意味で刺さりました。 主人公の推し遍歴などは分かりませんが、青春が過ぎ大人になっても、心の奥底で梓くんを待っていた主人公は、とても一途だなと思いました。 しかし、簡単に現実を捨てることができないのは、それはそうですよね…。 今まで生きてきた世界を捨て、たった一人と共に知らない世界に行くなんてことは、ある種の無謀さが無いとできません。仕事は大変なのかも知れないけど、彼氏がいて、家族との関係も悪くはなさそうな主人公なら尚更難しい選択だと思います。 けれど、主人公のためだけに生まれた彼がそれを許容できるはずもなく。 主人公が彼を肯定するエンドも勿論大好きなのですが、彼を拒んだ結果のエンドも最高にタイプでした。 そんな訳で個人的に好きなのは、DエンドとEエンドです。
感情をぐちゃぐちゃにされる男が完全に私の好みなのもありますが、これらのエンドでのアズサくんのセリフが好きで好きで…。
 「過去からの亡霊」のくだりなどを何度も何度も見返してしまいました。 

彼の(髪を染めたりカラコンを入れたりしない限り)日本人らしからぬ目と髪の色や、髪のハートのハイライトなど、目を惹く非現実的な容姿も「そういうもの」として作られていたと思うと、私がこのゲームを始めた動機についても考え込んでしまい…。 
引きずり込まれるように、アズサくんや世界観が大好きになりました。 

だんだんかみさまが出てくるおまけ画面に慄きつつも、結末が気になってホラーが苦手な私もどんどんプレイできました。

 ハッピーエンドの最後、来るぞ~来るぞ~と身構えてはいたのですが、アズサくんが目を開いたときには画面の前で大騒ぎしました。
あのシーンでアズサくんって人外なんだな、と改めて実感したというか…。 
 梓くんの容姿はもちろん好きなのですが、アズサくんの人外感強めの容姿も好きになってしまい…どうしよう…。 新たな癖を開拓された気がします。 

主人公が梓くんのことをずっと好きだったことに、どうでもいいと言いつつ苛立つアズサくんのシーンがとても印象に残っています。 思っきし気にしてるやないかい!傘無くなっちゃったよ! でも主人公と永遠に二人きりなので無問題ですね。ラブラブ新婚生活(語弊)。 これからもアズサくんが幸せでありますようにと願ってしまいましたが、私が願わずとも彼は幸せでい続けてくれるんじゃないかなと思い直しました。 @ネタバレ終了 世界観や演出面、キャラクターといった、このゲームを構成するものそれぞれが魅力的でした。 私の大好きなゲームです。

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  • 就労!アクマ・デ・カンパニー
    就労!アクマ・デ・カンパニー
    作者様のセンスが光るキャラデザやUIに目を惹きつけられてプレイしました。テンポ感が抜群に良く、一気に読み進めてしまいました。 @ネタバレ開始 天使を後ろに付けた強烈なビジュアルのアスラ・サタン社長が気になっていましたが、予想以上に面白い悪魔さんでした。銃口を向けられても懲戒免職にしてくれるのに笑ってしまいました。やっていること自体は極悪非道ですし人間として滅茶苦茶困りますが、新人が嫌がったら工場勤務にしてくれたり微妙な点があっても叱らず採用し続けてくれたり、意外と社員には優しい(?)ところもあるんだなと思いました。 報連相を説いたり捕まった時「一から起業してやる」と吐き捨てたり、真面目な面が垣間見えるのも良かったです。 優しさと真面目さを兼ね備えた、社長としてとても優秀な方ですね。この方の元で働きたい…もうちょっと業務内容がホワイトになったら…! セリフ回しがとても良くて、つい何度も読み返してしまいます。 取り立て相手の中でもガルーは明らかに特別枠だったので、わくわくして最初は容赦なく取り立ててしまいました。ペンダントを取り上げた際の冷酷なセリフにうわ〜となりました…まさに悪魔。「発見された」が明らかに不穏すぎますね。 END2で主人公が出世したというのにモヤモヤが残り、今度はガルーのお誘いを受けたら(私の思う)最悪エンドに入りました。主人公の今後については考える余地もないですが、親友を売り捌いたガルーも今後心の底から幸せにはなれないだろうな、と…。エンド文章秀逸だな〜と思っていたのですが、一言とイラストだけでヒュッと息が詰まるような心地になりました。曇らせがお上手…! その後END4を見た時は胸を撫で下ろしました。主人公と一緒に幸せになってくれ。学生時代も主人公に振り回されていたんだろうな〜!と後日談でニヤニヤしました。 無表情おもしろキャラが好きなので、主人公なのがとても嬉しかったです。 なんで主人公は悪魔なのに天使の輪っぽいものが頭に…?と疑問に思っていたら、END3で理由が発覚して非常に興奮しました。スパイかっこいい! でも何も起こらない退屈な日々が続き、ガルーは結局報われないことを考えると、このENDでの主人公は会社でなんだかんだ楽しく働くことも友達を救うために奔走することもなく、ただ自分の立場に従い続けるだけの存在として生き続けるのかなと思いました。 そう考えると社長の素晴らしさを讃える像を作ったり、友達のためにエンジェル・エンタープライズを売ったりするENDが一段と輝いて見えました(何気にガルーはEND4でしか救われなさそうだけど)。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 柘榴の中身は綿だらけ
    柘榴の中身は綿だらけ
    突然訪ねてきたたまきくんに、こちらまでドキドキしながらプレイさせていただきました。 ストーリーだけでなく、グラフィックから演出までがこのゲームの独特な雰囲気を作り出していました。 @ネタバレ開始 たまきくん、一途すぎて好きです。 主人公に抱きしめられながら彼の語ることが不憫で不憫で、救われてほしいと思いつつゲーム開始時にはもう手遅れなのだと分かり、胸が締め付けられました。 彼の気質的に素直に救われるような人ではないのがまた苦しいです。 主人公の善人でありつつ彼に真に寄り添えないであろう人柄が垣間見えるのがとても良かったです。どうやっても恵まれた側の子というか… そんな彼女に「一緒に死んでくれ」というシーンが、彼が主人公のことを確かに好きなのだという実感ができて嬉しかったです。 グッドエンドで涙腺が緩みつつ、あとがきの絵の不穏さに首を傾げ、研究員さんたちの会話でまさか…となり、タイトル画面に戻った時の衝撃は半端ではありませんでした。主人公、それ…腕…… 彼の執着に慄きつつも、幸せそうな笑顔に安堵してしまいました。 どうか少しでも心穏やかでいてほしいな…。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。

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