Milleのレビューコレクション
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食糧天使超おもしろかったです。リゥちゃんが可愛いので考察置いときます。 @ネタバレ開始 幸福管理局贈与課の男の目的は、工場で働ける人間を育成・量産することである。リンは肉屋において、その教育を兼ねた適正試験を受けさせられていた。実際にEnd.4では合格し、工場でひたすら天使を解体する職に就いた。 天使の存在や、肉を混ぜている事実は、世間に公表されていないらしい。リンはリゥに会うまで知らなかったからである。そして、健全な人間関係を持つ社会的な人間を工場で雇用すると、情報漏洩のリスクが高くなる。だから、リンのような社会的に孤立した人間に目星を付け、20歳になった時点で拉致し、肉屋に隔離していた。 天使の肉は貴重な資源であり、各器官に異なる効用がある。ゆえに、天使の解体作業には、食肉加工の高度な技術を要する。機械化は不可能だ。技能が高く、仕事熱心で、従順で、監禁しても問題ない人物。贈与課は、そういった人材を常に一定数確保しておく必要がある。それが肉屋の存在理由だ。商品が全く売れなくても経営的な問題は無かった。 End.1より、幸福管理局贈与課は天使による組織であると分かる。つまり、消費期限のある食肉用の天使と、人間と天使を仲介する管理職を担う天使がいることになる。また、天使が存在するということは、それを生み出した神が存在する。神は人間の幸福を企図して、幸福管理局を組織し、天使にその運営を遣わせた。神の意向であるから、リゥは食肉用として殺されることに抵抗は無かった。 幸福管理局=天使達は、なぜ自分たちで肉を解体しないのか?なぜリンのような人材を求めるのか?それは、天使は人間界で十全に活動できないからである。世に流通する食品に対して、秘密裏に天使の肉を混入させるためには、人間の協力者が必須なのだろう。 リンを担当している男の回想より、リゥは下級天使であると推察される。「お前の代わりなど掃いて捨てるほどいる」とのことなので、666666番目の食肉用の天使がリゥということなのだろうか。 そう考えると、TRUEENDのリゥの行動は、完全に堕天である。私情を優先するという典型的な堕天だ。神から遣わされた仕事を放棄して「リンの天使になる」ことを選んだ。その刹那、リゥの頭上に天使の輪が現れる。これは堕天の記号的発露であると解釈できる。 ヨハネの黙示録によると、666は獣の数字であり、忌避されるべきものである。キリスト教においては、7は完全な数とされ、6は不完全で邪悪な数と解釈される。666666番目の天使であるリゥは、本質的に堕天する運命だった。 一方、101番目の店長であるリンは、孤独の象徴として機能していた。101は素数である。TRUEENDでさえその孤独が継続しているのは、皮肉な話だ。 TRUEENDにて、なぜリンはあっさり外に出られたのか?リンが昏倒した後に、リゥの体の一部を食べさせられたから。天使の羽がお守りになっているから。堕天したリゥが特別な力を手に入れたから。といった理由が考えられる。詳細は不明なので、次作を期待しよう。 @ネタバレ終了