Taku @英語学習中のレビューコレクション
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自殺を止めるゲーム~最上最寄は死ぬことにした~@ネタバレ開始 非常に楽しくプレイさせていただきました。このような素晴らしい作品を制作いただき、ありがとうございます。特に後半のパートでは、ミステリー小説さながらのどんでん返しがいくつも用意されており、二転三転する物語にプレイする手を休めることができませんでした。 以下、本作品において気になった個所がいくつかあったので私個人として考察させていただきます。(私の単なる理解力の欠如の箇所も多くあると考えるため、異論は大いにあると思います) 1)TRUE END とHAPPY ENDの両立について 両END共に、世界観として現実世界、ゲーム世界(病室)、ゲーム世界(屋上)の三つで構成されているような見受けられました。しかし、LATER STORYにて現実世界かのように思われたHAPPY ENDのラストシーンは未だゲーム世界であることがあかされました。もし、HAPPY ENDが4層の世界で構成されているなら、二つのエンディングの両立はかなわなくなるので、恐らくゲーム世界(病室)にてゴーグルを取った際は、世界は変わらず場面のみが転換したものと思われます。 2)最寄の後継者が複雑なゲームを用いて、曜のアイデンティティを取り戻そうとした点 最寄の後継者の目的は、彼女の宣言通り、兄の人格を上書きした曜を戻すこと。だが、人格を戻すだけなら作中の流れ通り、記憶を順にたどり、矛盾を指摘し、最後に鏡を見せるといった工程を現実世界で行っても大差はない。いや、対象の混乱を最小限にする点を考慮すると、むしろそちらの方が望ましい。しかし、彼女はそうしなかった。私が思うに、彼女はHAPPY ENDの結末を予期していたためであると考える。ゲーム内にて、曜の蒼汰への順応度合を確かめることで、曜の思い込みが強すぎる場合は、その仮想現実にて彼女が新しく”彼”として記憶喪失の最寄と一から人生を始められるように計らったのではないかと考える。故にこれはゲーム内の出来事ではなくてはならく、最寄は記憶喪失である必要があるのだ。 3)最寄の後継者が、オリジナルの最寄の首の痣を本当に見なかったのか 作中でオリジナルの最寄が自身の首の裏にある痣の数が三つだと誤解し、それをそのまま次の最寄に伝えていたが、共に生活をし、尚且つ完璧に模倣しようとする人の特徴的な箇所を認識しないのは不可能だ。最後のシーンにて最寄の後継者は、自分が自分で無くなるのは亡くなること、つまり死だととらえ、それでは幸せになれないと説いている。これらのことを考えると、最寄の後継者は痣の数を本当は2つだと知っていたが、自身の本当のアイデンティティを守るため、敢えて3つの痣を描いたと思われる。曜がきっと気づいてくれると信じて。 長文失礼しました。 @ネタバレ終了