ヒャら田のレビューコレクション
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藹々鬼譚ビジュアルも音楽もすごく好きです。言葉遣いも含めて演出がいっそ憎いくらい素晴らしく、雰囲気も物語の盛り上がりも最高で、泣かされました…。ゲー厶ならではの演出もありますが読み返して最高なので本もほしいくらい、味わい深いです。 世界観も登場人物もシナリオも、濃淡がしっかりしている分、各人の胸の内なと描かれない部分を想像できる余白も楽しめて最高ですね。本当にいいゲームでした。ありがとうございました。何をコメントしても足りないくらい、プレイして本当に良かったです。 @ネタバレ開始 縁の別れの台詞と、縁が好きかという問いへの六の答えがすごく好きでした。六も縁も考え抜いた末の言葉なんだろうなと思われて、唸りました。そこからの、ここでこれを選ばせるのか~!という流れにはもう参りました。うすうすそういう選択をがあるだろうなと思ってプレイしていても、本当に盛り上がりが素晴らしいので、そこからの選択も最高でしたね!その後もその盛り上がりの後味を堪能させてくれるので、これまた最高でした。END1の縁の独白が切なくて健気で、そういう意味で結果的に一番共感したのは、伽羅でした。 あと、菫青の父上!にはかなりおどろかされました(あと一見年上っぽいしっかりものの年下にすごく弱いので個人的に衝撃を受けて崩れ落ちました)。縁が駄目になっているのは経緯を思うと共感できてそこも魅力的です…が、それはそれとして菫青の悲しいまでの誠実さとかっこよさが引き立ち、なんとできた子か…としみじみしました。狂った父と二人で暮らした期間があったんだろうなとか、伽羅との関係や最期で、菫青は痛々しい印象が強いです。一方で、淋しがりの縁を想って遺しただろう、一見冷徹な、それでいて心尽しの手紙にみえる鋼の意志と誠実さにしびれます。菫青の奥の深さがそのまま因習と縁の闇を深めて、ああおもしろい…と繰り返しプレイしました。 菫青の深謀遠慮の果て、それぞれの深い絶望を抱えた縁と六の2人の関係は何の文句のつけようがないと思いつつ、何かの終わりの話はどうしても切なくて、後味が最高でした… @ネタバレ終了