heart

search

メルトンのレビューコレクション

  • 不香の花 - Snow Flower
    不香の花 - Snow Flower
    心に染み渡るようなお話でした。 都会から山に戻ってきた少年と、鉄道を守ろうとする風花さんのお話。 それは少年にとって、自分の場所や夢を見つめなおすお話でもあり、 同時に風花さんの山を愛してるからこそ描かれるお話でもありました。 @ネタバレ開始 一番大好きなシーンは、やはり最後です。 風花がタケルに帽子を預けるシーンで、少し涙腺が緩んでしまいました。 ────────────────── 風花 ねえ、タケル君。 ありがとう。 わたし、怖かったの。 都会の大学に行くのは……知らない土地に飛び出すのはやっぱり怖かった。 だけど ──────その知らない土地からきたタケル君はやさしかった。 大丈夫だって、思えたの。 だから、ありがとう。 山に戻ってきてくれてありがとう。 私、タケル君とまた会えて、本当に良かった。 ────────────────── タケル君は、都会から山に来て自分の夢と居場所を見つけて。 そして風花はタケル君に出会って自分の使命を叶える勇気をもらえた物語。 二人が出会ったからこそ、それぞれの進むべき道が見つかる青春のお話。 本当にすごい素敵でした。 さらにエンディングの1枚1枚の絵に、かんなぎ鉄道になじんでいるタケル君の姿を見て、 ジーンとしてしまいました。 @ネタバレ終了 膨大なスチルの一枚一枚に、作者の作品愛を感じる作品でもあったと思います。 やはり心太さんの作品、すごい好きです。 とても面白かったです。

    レビューページを表示

  • 藹々鬼譚
    藹々鬼譚
    紙芝居で語られる、鬼と神子、因習の物語 美麗なイラストに、流麗な文章、上質な和風音楽に溶け込むような世界観と、悲しくも慈愛と哀愁に満ちたお話、素敵な体験でした。 最初は文章に戸惑うけれど、世界観、豊富な語彙と洒落の言葉がまるで芸術作品のよう。 愛情と憎は表裏一体であり。感情は分け隔てが簡単にできるものではなく。 そして前半が多く語られないからこその、後半、六のあの、素の感情、表情が好きでした。一緒に飯を食べ合うあのシーンが私は一番大好きです。 本当に素敵な体験をありがとうございました。

    レビューページを表示

  • 世界を破壊する魔法
    世界を破壊する魔法
    一番印象的な台詞は @ネタバレ開始 「私たちの世界が破壊される前に、 私たちが世界を破壊しなければいけないのに。」 という台詞でした。 読み進める途中も辛かったですが、一番ダメージを負ったのは、全部読み終わって、ギャラリーを見返したときに、 とある少女二人の仲良しなスチル(作中にはなかった)があった時でした。 世界を破壊する方法はとても簡単で、とても身近。だと思いました。 @ネタバレ終了

    レビューページを表示

  • キミのニセモノに恋をする
    キミのニセモノに恋をする
    タイトル回収がお見事でした。 何よりもTRUEの演出が本当に卑怯(誉め言葉) @ネタバレ開始 『キミのニセモノに恋をする』のタイトルが理解できたところで そしてTRUEのセツナ視点に切り替わった演出が本当に良かった。 ただそこで終われば、切ないけれど綺麗なお話だった で終わる所。 彼女の一言 「明日の自分に、彼が恋をしないように」 この言葉で全てを持っていかれました。 とても短い間だったかもしれないけれど、けれどその間彼女はまぎれもなく主人公のことを好きだったのだと、生身の感情が漏れ出たからこその言葉。 自分自身でもあるけれど、それ以上にトワにとられたくないという想いがあふれ出てしまったからこその言葉。 この言葉にどれだけセツナの想いが込められているのか。 ここで一気に心をわしづかみをされました。 綺麗だけで終わらせない、生身の感情が向き出たからこそ、ここまで刺さるお話だったと思います。 @ネタバレ終了 面白かったです。ありがとうございました。

    レビューページを表示

  • 8番目のアリス【完全版】
    8番目のアリス【完全版】
    魅力的な登場人物や、おとぎ話のように陰鬱さもありながらどこか蠱惑的な魅力。 そして何よりも最後の話の結末を2転3転するような伏線回収と、タイトル回収が本当に綺麗で拍手しました。 最後の綺麗な結末は満足の一言です。 素敵なお話でした。 ありがとうございました。 魅力的な登場人物ばかりだったので、もっとみんなのやり取りが見たくなるくらい好きでした。

    レビューページを表示

  • 6月のマリッジブルー
    6月のマリッジブルー
    プレイ前、序盤と、プレイ後に見方が変わる作品でした。 ピアノのBGMも相まって、雰囲気づくりが抜群に良くて面白かったです。 @ネタバレ開始 何よりも、『救われてしまった』という表現がとてつもなく好きです。 一見彼彼女二人の関係は、他人にとっては歪(私自身もそう思います) けれど、あくまでそれは他者(私)からの視点で 主人公である彼女にとって、彼の存在はどこまで必要な存在だったか。 同時に、彼にとって彼女の存在はどれだけ大切な存在だったか。 それは当事者にしかわからない二人だけの幸せだと思えるような関係、最後の終わり方がとても好きでした。 それに、純粋に彼女たちが幸せな姿が見れて良かったです。 @ネタバレ終了 短時間で心をつかまされる作品でした。綺麗で楽しかったです。 ありがとうございました。

    レビューページを表示

  • エソラノコト
    エソラノコト
    淡い色彩の雰囲気と、停滞したようなノスタルジックがとても良かったです。 @ネタバレ開始 何よりも、彼女の本当の願いから、 最後の 『待っ』からの暗転、そして日常へと戻っていく瞬間 そして最後のエンディングと歌詞 この流れが本当にぎゅっと心がつかまされました。 たったプレイ時間15分で、切なさをぎゅっとつかむ  これだからフリゲだったりこういったノベルゲームは止められないと 思わせてくれる作品でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品でした。ありがとうございました。

    レビューページを表示

  • 日陰の日葵 - sun in the shade
    日陰の日葵 - sun in the shade
    大人になるためのお話で、ほろ苦くて、同時に暖かく見守るような作品で 穏やかにゆっくりと流れるような雰囲気が、夕暮れとピアノとすごい合ってて、気持ち良かったです。 とても優しい世界でした。読めて本当に良かったと思います。

    レビューページを表示

  • 小坂さん。 - Remaster
    小坂さん。 - Remaster
    とても残酷で、綺麗なお話でした。面白かったです。 最後に向かう3日間のお話だけれど、決して悲観的ではなくて、彼と彼女の二人の関係性を魅せてくれた綺麗なお話でした。 彼彼女たちのたった3日間は、とても濃密な3日間だったと思います。 @ネタバレ開始 このお話はハッピーエンドだったのか。それともBADエンドだったのか。 私自身は、ハッピーエンドだと思います。 でも最終的には、それを決めることができるのは当事者の彼彼女たちしかないとも思える作品でした。 「だって、目で見たものだけが現実(リアル)なんだろ」 何が正しくて、何が間違っているかを決めるのは自分でしかなくて。 けれど、小坂さんにとって、明らかに自分しかいないと思っていた世界に、一緒に来てくれる主人公の存在がどれだけ嬉しかっただろうか。 小坂さんと一緒にいることを選ぶための最後の選択。 二人のためのお話で、綺麗なお話でした。 強いて言うなら、保健室の先生の反応が気になる所……。 でも、このお話は、あくまで『彼、彼女』たちの見たものすべてが彼彼女たちの世界であるお話とするなら、無粋でしょうか。 とても綺麗なお話でした。 @ネタバレ終了

    レビューページを表示

  • 腐った果実 ‐Rotten Fruit-
    腐った果実 ‐Rotten Fruit-
    BGMと雰囲気がすごくよく似合っていて、全部を通してからわかるタイトルと所々の違和感が綺麗に繋がるところがとても面白かったです。 @ネタバレ開始 鐘のキャロルをはじめとするBGMの秀逸さと、00年代のエロゲを彷彿とさせるような、陰鬱と微グロの中に見出すことができるような綺麗さが素敵でした。 こういった方面の作品は久しく読めてなかったのもあって、とても面白かったです。 そして改めてタイトル画面を見ると、少女の瞳に答えが出ていたのですね……。 彼女のキラキラとした瞳に移るキラキラとした姿。 @ネタバレ終了

    レビューページを表示