小鳥大亮のレビューコレクション
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嘘つきジョアンナと春の雪心優しい人達によって織りなされる、しんしんと感動が降り積もる物語。 一人一人の弱さや衝突、それらを乗り越える(あるいは受け入れる)所までも愛情たっぷりに描かれていました。 読後感もとても爽やかです。 @ネタバレ開始 爽やかなのですがお兄ちゃ――ん……! どんなに暖かい想いを残してくれていても寂しいですお兄ちゃーん! お兄ちゃんの優しい笑顔が好きでした……。 鳥の鳴き声のSEをここまで寂寥感たっぷりに演出された作品を他に知りません。 「嘘」の回数が減っていく事で、雪と終わりが同時にちらついてくるのですが、 私が一番終わりが近い事を感じたのは「ウソつかなくていーよ」というまきお君の言葉でした。 これをまきお君は本当にサラッと言ったのですが、 おそらくお兄ちゃんがずっと言えずにいた言葉なのだろうな、 それを苦も無く言ってくれる人とスイト君は出会えたんだな……と。 家という狭く安心出来る世界で、スイト君を受け入れ道を指し示してくれたお兄ちゃん。 外という広大な未知の世界へ、スイト君を連れ出し衝突も共感もしてくれたまきお君。 真逆の役割を持った二人がいてくれたからこそ、スイト君の笑顔があるのでしょうね。 @ネタバレ終了 幸せな余韻に浸れる作品をありがとうございました。
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大きなのっぽのメイドロボエンドロールで素敵な絵が流れていたのに涙でほとんど見えなかったので2周しました。 クリエイターのきだた郎様がおすすめされていたように、リーシャが話すたびに鳴るピロロという音が可愛らしかったのですが、何よりその穏やかな笑顔と控えめな仕草に始終いやされました。 優しい人たちとロボットによって織りなされる、胸が熱くなるほど切なく、そしてやっぱり優しい物語でした。まだ涙が止まりません。素敵な作品をありがとうございました……!