独法師/bocchiのレビューコレクション
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真昼の暗黒今作がグランプリを受賞された時は、驚きと、納得が半々でした。 ゲームの世界観に、プレイヤーを惹きこむ臨場感は、圧巻に尽きます。 それは膨大なグラフィック枚数と、シナリオ量によって実現されています。 細かく言えば、車に乗っているシーンの光の動きなど、感動すら覚える演出です。 クオリティとしては、グランプリを受賞して、何らおかしくないわけですが。 とにもかくにも、作風が人を選びます。サイコサスペンスって時点で。 ただ、理解できない奴は門前払いだなんて、独りよがりさは微塵もないです。 シナリオの文体が、とにかくシンプルで読みやすく、ストレートに話が入ってきます。 より多くのユーザーにプレイしてもらいたいと、隅々まで配慮がなされていると感じます。 その昔、パソコンゲームで一世を風靡したジャンルの、正統進化といったところで。 情報をメモしたり、パスワードを打ちこんでいる時など、今も系譜が息づいていて嬉しかったです。 多大な労力をかけたであろう大作を仕上げてくださり、ありがとうございます! 荒削りながらも面白い、それこそ同人作品の醍醐味ではないかと。 純粋にゲームとして楽しかったからこそのグランプリ受賞なのだと思います。 人を選ぶ一方、最後までプレイした者にとっては、忘れがたい怪作になる魅力を持っています。
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夢もすがら花嵐文学書の世界に迷いこんだかのような、美しく鮮烈な世界観の作品です。 明治・大正時代を思わせる、ハイカラで、和風で、モダンで、どこか郷愁的な雰囲気をまとっています。 夢の中らしく、登場する人物も、移動していく場所も、おかしく軽妙で惹きこまれます。 背景をクリックし、情報を得たり、アイテムを入手したりと、探索していくゲームですが。 個人的には、謎解きの難易度も、実にいい塩梅でした。 じっくりと考えたり、調べたりすれば解けるので、達成感と喜びを味わえます。 演出面においては、ティラノスクリプトを使って、こんなことができるのかと驚きました。 ゲーム制作者としても、プレイヤーとしても、出会えてよかったと感動した傑作です。 かなりの時間をかけて、丁寧に、丁寧に作られている、愛のこもった作品だとお見受けします。 正直、こんな高クオリティのゲームを、フリーでプレイできてしまっていいのかと。 なので、せめても感想を送らせていただこうと、こちらに書いた次第です。 素敵なゲームを楽しませてくださり、ありがとうございます!