anubis@Hollow_Perceptionのレビューコレクション
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白い日傘とアンデッドアンデッド系ヒロインと恋する、ループものラブコメディ作品。 主人公が物語開始時点で既に、同じ日を繰り返すループ現象に取り込まれているというのもあり、状況説明からヒロインである通称「ホネ子」との出会い、二人でループの脱出を目指していくまでの過程がハイテンポかつハイテンションで描かれていきます。 今作においても健在である軽妙なテキストによって綴られる日常は、まさに「このまま繰り返す世界に留まるのも一つの幸せなのではないか」と思わせてくれる楽しさがありました。 勿論、「ヒロインがアンデッドである」という点から想像出来る通り、ビターな設定や展開も押さえられています。 ラブコメ面においてもシリアス面においても、こちらの作者様の作風が持つ魅力が遺憾なく発揮された作品であると感じました。
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DELFLORIA"ニンフェ"ルートのみ収録のバージョンでプレイさせて頂きました。 現代日本風だけれど独特な要素のある世界観における、「感情」をテーマにした異能バトルもの作品でした。 本作の舞台となる日本においては「人が重度のストレスを抱えることによって危険な怪物が誕生してしまう」為、とある存在により徹底的なストレスケアが意識された管理社会が形成されています。 そんな中、特異体質を持つ主人公がヒロインとの出会いを果たしたことにより、管理社会において隠蔽されていた世界の真実を知っていく――という物語です。 「感情」をキーとする入り組んだ世界観設定、そして、その中で繰り広げられる「人の感情が読めてしまう少年」と「自分の感情を理解出来ない少女」のボーイ・ミーツ・ガールが魅力の作品でした。 二人が互いの欠陥を分かち合いながら仲を深めていく様が美しかったです。 この「どちらも欠けてはならない」という関係性は主人公の異能力の性質にも繋がっており、異能バトルもの好きとしては惹かれる設定でした。 初回ルートということでまだ謎が多いので、完結に期待です。
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傭兵部隊ローレライと嘆きの唄人外種族や異世界などのファンタジー要素がある世界観における、ロボットバトルもの作品。 人類は搭乗型ロボット「ライド・アーミー」を用いて、人を喰らう怪物「幻種」に抵抗しています――が、本作は「幻種」と戦う他の傭兵達を狩る傭兵部隊を主役としています。 豊富な戦闘描写とメカ設定が特徴の作品です。私も巨大ロボットもの作品を公開している身ですので、メカに関する描写に強い拘りが感じられました! たとえば「ライド・アーミーはバリアを展開しているが、光学兵器はそれに有効である」といった設定だとか、ロボットもの好きであれば「分かる!!」となるであろう要素に満ちています。 またそれだけではなく、傭兵たちの日常描写も魅力的でした。渚沙さんは任務においては冷徹ですが、弱みを見せたり嫉妬心を露わにしたりと可愛げが出ている部分もあって良かったです。 本作に登場する他の女性達はかなり殺伐としているので、彼女が正ヒロインの立ち位置に居ると言えるかも知れません。 個人的に好みだったキャラクターは、男性キャラですが、クルト君ですね。主人公である春樹君とは良い対比になっていたと感じます。 物語としてはまだ序章といった雰囲気なので、続編にも期待です。
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ヘブンズ・ロワイヤル -Frozen Butterfly-死後の世界を舞台に「悪人」のコンビが戦いを繰り広げる、バトル・ファンタジー作品。 「ヘブンズ・ロワイヤル」の後日譚となっています。(前作プレイ済みです。) こちらではルーシーとナルガさんそれぞれの過去・因縁がより深く掘り下げられると共に、二人の関係の進展が描写されていきます。 前作に引き続き美麗なキャラクターグラフィックによって描かれる「ハードさ」と「前向きさ」が織り交ぜられた展開、そして、今作でより仲の深まった主役二人の恋愛描写が光る作品。 イチャイチャ具合にとてもニヤニヤしてしまいました。 次回作にも期待です。 前作・今作通してキャラクターとして好みだったのはカルラちゃんです。ビジュアル自体もそうですが、あのビジュアルであの設定というのが可愛いですね。
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Marionnette;Nostalgie ~人形の追想録~魔術師や異能者が己の信念を衝突させながら戦う、魔法・異能バトルファンタジー作品。 物語前半は、主人公である青年「アーネスト」が潜入することになった魔術研究所における平穏な日常が、いずれ来る崩壊を予示しつつも描かれていきます。 そして後半では日常の崩壊、すなわち魔術師たちの攻防が描かれていき、非常に盛り上がる見事な構成でした。 本作の個人的な見どころは、熱い魔術・異能バトル描写、そして「魔術というものに対する価値観」の衝突です。この点がしっかり描かれていたのが、いわゆる「異能バトルもの」愛好家としては、とても満足感のあるものとなっていました。 シナリオ、オリジナルのグラフィック共にクオリティの高い、お勧めの作品です! 一番好みだったキャラクターはロゼ君です。魔術師としての価値観が明かされていくにつれて「あ、好き……」となりました。アーネストさんのキャラ性とも良い対比になっていますね。
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びたちょこ「忘却の魔女」編「呪い」と呼ばれる異能力を操るキャラクター達を描いた、ライトノベル風の現代異能もの作品。 導入こそ穏やかですが、物語が進むにつれ、異能を用いた戦闘描写や、主人公である「茜」が護衛することになった不思議な女性――”忘却の魔女”こと「こずえ」に関する真実が描かれていき、ワクワクしながら読み進められました。 特に、エピローグとなっている部分は手に汗握る展開で、非常に熱いものとなっていたと感じます。 全体を通して、現代異能もの好きとしてはたまらない作品でした。 まだ作中では詳しく描かれていないキャラクターや世界観の謎がありましたので、次回作・続編にも期待です!
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こと国シスターズ!!Ver1.01にてプレイさせて頂きました。 父親より託された、三人の異国の妹との出会いから始まる、ハートフルなコメディ作品。 妹たちや恋人との賑やかで愛おしい日々の描写が主な内容でした。しかし、父の正体や妹たちとの関係性、主人公の過去などのシリアスな要素に関する伏線もしっかり回収されていきます。 フルボイスかつ、グラフィックや演出など、全体的に非常に完成度の高い作品ですので、日常ハートフルコメディを好む方に強くお勧め出来ます! 好みの妹はノーラちゃんです。
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でじゃびびっど!ver.1.10にてプレイさせて頂きました。 負けん気の強いツンデレ幼馴染ヒロイン「愛里」ちゃんとのふれ合いを主軸にした、セカイ系現代恋愛ファンタジー。プレイ時間は1時間ほどでした。 何故だか見るようになった予知夢の中ではデレデレなのに、現実ではそうはいかない愛里ちゃん。夢を再現しようとするも、現実の愛里ちゃんはツンツンしているので上手くいかず――そんな、対比的なラブコメパートがテンポ良く描かれ、ニヤニヤさせて頂きました。 そしてそれだけでなく、そんな「鮮烈な既視感」の真相から発展して描かれる真実も、こういったジャンルの愛好家としては心地良いものでした。 ああいった選択、大好きです。 次回作にも期待です。
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ヤドカリ現代ファンタジーもののサウンドノベル。プレイ時間は1時間ほどでした。 平凡な少年である主人公に何故か固執する、変わり者の美少女「美優」と幼馴染の「えみ」が織り成す、小気味良い学園ラブコメパートが魅力的な作品でした。 それだけでなく、謎の存在『ヤドカリ』を巡るサスペンス風味なファンタジー要素も魅力的で、学園パートとの緩急が、物語の先の展開に強く興味を抱かせるものとなっています。 次回作にも期待です。