作品「僕らのノベルゲーム」のレビュー
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冬瓜
ノベルゲーム制作にかけるとっても熱い思いがストレートに伝わってくるいい作品でした。
主人公新平は隠れノベルゲーム製作者で、今回文芸部の活動としてもノベルゲームの共同制作をすることになるのですが、その際のテンションの上がり方が凄い。そしてプロジェクトが動き出してからは、リーダーとしてより良い作品にしようと必死に頑張る。その熱量がそのまま私を物語にひきつけるエネルギーになりました。
シナリオの前半では、文芸部の各部員と順番に企画実現への課題を解決していき、部員のキャラクターが分かってきます。後半ではちょっとした行き違いから文芸部全体の人間関係の問題が発生し、新平は創作における理想の追求との両立に悩むことになります。この時の新平の心情や、部員の行動が前半で描かれたキャラクター性としっかり結びつき、説得力があります。私はいつの間にか文芸部を全力で応援していました。新平が希望を取り戻してからの追い上げは圧巻です。そのきっかけを与えることになった彼もいい人ですね。完成して本当によかった。
私が好きな場面は、夏休みに合宿に行って流星を見ているシーンです。ノベルゲーム製作に直接関係ないシーンがきちんと描かれ、部員たちとの会話が交わされることで登場人物の性格や考えが生き生きと表現され、それが後半の感情移入度につながっているように思います。ちなみに、好きな登場人物は遥先輩です。ちょっとミステリアスな雰囲気を持ちながらいたずら好きの一面があったり、それでいて文芸部全体をしっかりとまとめて決断を下せる素敵な先輩ですね。
また、文化祭当日にノベルゲームの感想をもらった時の新平の様子を見ると、私も良いと思った作品にはしっかり感想を届けてあげたいなという気持ちになります。作者さんのエネルギーになれるなら私もうれしいですし、新作が出たらぜひプレイしようという気になります。
創作への様々な思いの詰まった面白い作品でした。ぜひプレイしてみてください。
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僕らのノベルゲーム
評価
48

「夏 × 青春 × 創作」
創作を愛する高校生を描いた学園青春ノベルです。
【あらすじ】
主人公、樋口新平は創作を愛する高校2年生。
彼が所属する文芸部は部員が5人しかおらず、廃部の危機にあった。
そんなある日。
同じく文芸部員であるタツが、こんなことを言い出した。
「今度の文化祭、皆でノベルゲームを作らないか?」
その日から、文芸部の慌ただしい毎日が始まった。
ゲーム制作を通して深まっていく5人の絆。
時に激しくぶつかり合う創作への情熱。
そして、ひそかに変わっていくそれぞれへの思い……。
夏の終わりに、彼らは何を見るのか。
そして、彼らのノベルゲームは無事に完成するのか。
【エンディング数】
1つ
【プレイ時間】
約3時間
【プレイ環境】
ブラウザ、スマホでのプレイに対応しています。
が、通信環境によっては読み込みに時間がかかる可能性があります。
DL版でのプレイを推奨します。
【更新情報】
ver1.06(2021/03/15)
【免責事項】
本作品によって発生した不具合、損害などの問題に関しての責任は一切負いかねますのでご了承ください。
【クレジット】
DL版に同梱されているreadmeファイルに記載してありますので、そちらをご確認ください。